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平成23年 第1回定例会~会議録より



▼平成23年 第1回定例会( 2月28日)より、私の「23年度予算案・新基本計画の策定」についての質疑を掲載します。 ぜひご一読願えれば幸いです。

開催日:平成23年 2月28日 会議名:平成23年第1回定例会(第2日 2月28日)

○(米山真吾委員) 

お許しをいただきまして、私は、葛飾区議会民進党議員団を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い、区長並びに関係部局に質問するものであります。  

まず初めに、平成23年度予算案・新基本計画の策定についてお伺いいたします。

内閣府の2月の月例経済報告では、景気は持ち直しに向けた動きが見られ、足踏み状態を脱しつつある。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にあるとされ、先行きについては、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待されると報告がなされました。

本区においては、特別区税が1億5,000万円ほど減で、前年比0.5ポイント減となっていますけれども、内訳については、特別区民税は増加していますが、たばこ税の減少が大きかったことが示されております。また、特別区交付金は、法人住民税、固定資産税の回復により8億円ほどの増、前年比1.3ポイント増加していますが、本格回復には及んでいない状況であります。

歳出については、経済状況、雇用状況の悪化で生活保護費、扶助費が大きく伸びております。来年度予算案についても72億円程度の増加が見込まれ、区の予算の編成の中で占める割合が高くなってきております。生活保護費は、最後のセーフティネットとして大変重要であります。受給者の中には、意欲的に自立の道を探している方々も多くいると思います。自立の道ができれば、歳出を抑制することにもつながります。難しい局面であると思いますが、自立支援を積極的に行っていく必要もあると考えます。

一方、これから本区は、公共施設の老朽化による改修や建てかえ、また、まだまだ不十分である都市基盤の整備など、やらなければならない課題があり、また、多額の費用がこれから必要になってくることが必然であります。政策の優先順位をどうするかを考慮しながら財政運営を行っていかなければならない、難しい局面を迎えることになるのだと考えます。  

そこで質問をいたします。

来年度の一般会計予算が1,700億円を超え、前年度に比べ11・7%の伸びとなっている中で、財政調整基金から10億円余り取り崩しを行いながらの編成をされましたが、今回の基金取り崩しの考え方、また予算編成の基本的な考え方として、これまで培ってきた積立基金や起債抑制等の財政対応能力を最大限活用してとあるが、今後の基金や起債の取り扱いの考え方について区の見解を伺いたい。

歳出について、福祉費の生活保護費が大幅に伸びています。若年層もふえている中で歳出を抑制していくには、自立支援を積極的に行わなければならないと考えますが、現状の生活保護支給者の数、年齢層の割合、自立支援の状況及び現状の認識及び今後の区の見解について伺いたいと思います。

平成25年度を目途に新基本計画の策定を行うと青木区長が表明されました。これからの人口減少、少子高齢化など社会の情勢を予測しながら策定することはもちろんのこと、現在進行している計画の検証も重要であり、検証した上で新しい計画をつくることは、時代の変化に合わせていくためにも必要だと考えます。  

そこで質問をいたします。

区長の所信表明において、平成25年度を初年度とする新基本計画の策定について着手する旨が表明されましたが、現在の基本計画の下にはさまざまな個別の計画があり現在進行しているわけですが、個別計画の検証を行うことが必要になると考えますが、区の見解を伺いたいと思います。

次に、総合庁舎整備について伺います。

形あるものはいずれ壊れるものであります。そのための備えをすることは必要であり、本来49年前に庁舎を建築した当初から、財政的に国や都の支援を受けられない状況だったならば、新築当初から計画的に積み立てていくことが必要だったのだろうと思います。民間の分譲マンションでも、新築当初から15年、20年、30年後と、将来の大規模修繕やその先の建てかえについても考慮しながら修繕積立金を積み立てて行くわけでして、そういう観点から言えば、計画的に新築当初から積み立てていく必要があったのだろうと思いますが、現状ではそういう形になっておりません。そういう点では、今後、区民サービスの低下を起こさないことに留意しながら合意形成を図っていく必要があると考えます。  

そこで質問をいたします。

第3次補正予算で15億円の基金を積み立てましたが、平成23年度一般会計予算では利息分が計上されていますが、今後の総合庁舎整備基金の積み立てについて区の考え方をお伺いしたいと思います。

また、総合庁舎整備のあり方検討委員会が、先般、意見交換会を開催されましたが、参加者の人数も限られてくることから、区民へ広く認知をしていくことが必須でありますし、また、合意形成をしていくには丁寧な手続を行っていくことも必要だと考えます。  

そこで質問をいたします。

総合庁舎整備のあり方検討委員会の今後の進め方や区民への合意形成は丁寧に進めていくべきと考えるが、区長の考えを伺いたいと思います。

次に、区有地及び区有施設の活用についてお伺いいたします。

平成23年度の予算案も、厳しい景気状況を反映して、財政調整基金を取り崩しながら編成をされたわけですが、こういう厳しい中でこそ、区の財産である区有地や区有施設の有効活用は必須の課題になるのではないでしょうか。利用がされていない、あるいは利用が必ずしも十分でない区有地あるいは区有施設を一元的に把握し、効果的、効率的に活用運用していくことは大変重要なことでもあり、していかなくてはなりません。

区は、平成13年の葛飾区用地活用方針で4カ所の売却方針を掲げた後、伊豆高原保養所の廃止など遊休地の売却を図りながら、その他の区有地の有効活用として、社会福祉法人に対して無償で障害者福祉施設の貸し付けを行ったり、旧小学校の校舎一部を東京シューレ学園に有償貸し付けを行ったり、定期借地権制度を活用しながら民間事業者によって賃料収入の確保などを行ってきましたが、まだ活用ができていない区有地や区施設が残っているものと思います。

例えば各地域にある職員寮などの建築物や排水場跡地の残存施設や更地など、各地域に点在しております。これらは本来の目的があったもので、既にその目的が終わっているものに関しては、やはり利活用を考えていく必要があるものと思います。職員寮については、保育園と合築されたりしていますが、今後の活用をどうしていくのか。あるいは区有地の活用をどうしていくのか、行革の観点あるいは地域で抱えている課題に対応した活用を行っていく必要があると考えます。

そこで質問をいたします。

区有地、区有施設のより効率的、効果的な活用は、厳しい財政状況の中、取り組むべき課題だと考えます。これらの本来の行政目的が終わった区有地、あるいは区有施設は本区においてどの程度あるか、属性を含め伺いたいと思います。職員寮などの既に存在している建築物の活用や排水場の土地などの活用もしていく必要があると思います。保育園との合築もされているところもあると認識していますが、今後の活用方法として、区としての見解を伺いたいと思います。  

次に、子育てについて伺います。

現在、葛飾区でも待機児童があり、区も保育園の増設など待機児解消に向けて取り組んでいるところでありますが、例えば地域にマンション等が建設されますと、当然新住民の方が住まわれ、それに伴い子供もふえる状況になりますと、その地域で待機児童が発生する可能性があります。こういった需要予測をしていくことは難しい部分もありますが、今後の葛飾でのマンション建設は各地域で行われるものと思います。そういった中で、待機児童の地域偏在というものが起こってくるのではないかと思います。

先ほども述べましたが、区は保育園の増設など拠点の整備を行っているわけですが、拠点整備は時間がどうしてもかかってしまう。そういった施策をしている間や、あるいはマンション等の建設などによって突発的に起きてしまう待機児の対応として、保育ママの活用を積極的に行う必要があると考えます。

現在、保育ママの方たちにおかれましては、自宅で保育をしていただいている状況でありますが、横浜市など、保育ママの活動を促進するために、自宅以外で賃貸して保育を行う場合、賃貸料に対して助成を行う施策を導入することを検討したり、実施したりしている自治体がございますが、待機児童の地域偏在が発生している際に、その地域に自宅がある、あるいは賃貸物件を借りてその地域の待機児を解消するように誘導する一つのメニューとして、そういった助成制度も創設していくことも必要なのではないかと考えます。 今後、人口減少、高齢社会の中で、ハード的な整備とソフトをうまく組み合わせながら子育てをしやすい環境をつくっていくことが必要だと思います。

そこで質問をいたします。

保育ママの現状の課題について、区の見解を伺いたいと思います。 待機児童を解消するために保育園の増設を実施していく区の姿勢を評価いたします一方で、マンション等が建設されると待機児がふえ、地域によって偏在している状況もございます。今後の人口減やマンション等の建設動向を予測していくことは難しい面がありますが、きめ細かなサービスあるいは地域偏在の穴を埋めるためには、保育ママ制度をうまく活用していくことが必要だと考えます。葛飾では基本的に自宅を利用して保育を行っておりますが、他の自治体では賃貸住宅に対して家賃補助を行っている例もあります。現在、運営をしている社会福祉法人も利用できるような保育ママへの家賃補助あるいは人的支援という仕組みを導入して、地域偏在をなくすようにしていく必要があると考えるが、区の見解を伺いたいと思います。 また、区有施設を待機児童対策に活用することも視野に入れる必要があると考えますが、見解を伺いたいと思います。

次に、葛飾区における医療のあり方についてお伺いいたします。

現在の区の保健医療行政を取り巻く環境は、少子高齢化社会の一層の進行、それに伴う生活習慣病の有症者や要介護高齢者の増加、医療制度改革に伴う高齢者医療、健診や保健指導のあり方の抜本的な見直しなど、大きな変化を見せています。 その中で本区においても少子高齢化が著しく進展しており、住民基本台帳による東京都の世帯と人口、平成21年1月1日時点で、65歳以上の人口割合は21.8%となっていて、5年前と比較すると3.2ポイントの増加で、東京都平均の19.9%に比べて高目の傾向であり、23区内で4番目の高さであります。 本区においても高齢化率が高まるにつれて、加齢に伴う疾病、がん、心疾患、脳血管疾患、いわゆる三大成人病の有病率も比例して高目の傾向が出てきており、平成21年度版葛飾区の現況によりますと、区民の主要死因はがん32.4%、心疾患15.3%、脳血管疾患11.7%であり、特にがんの死亡率は全国、東京都と比較しても高い傾向にあります。

一方、区内の病院・病床数については、近年減少傾向にあります。特に病床数については、東京都の設定する二次保健医療圏、区東北部葛飾・足立・荒川では基準病床数に近い病床を有しておりますけれども、各区ごとに人口で基準病床数を割り返しますと、本区では871床不足している現状があります。また、平成19年の人口10万対病床数は、本区では543.3床であり、東京都の652.7床、全国の714.7床に比較しても著しく低い状況であります。

病床数が200以上の区内総合病院は、東京慈恵医科大学附属青戸病院が390床、東京都保健医療公社東部地域病院には313床、葛飾橋病院が209床の3病院のみであります。特に新小岩を中心とした区南部地域には大規模総合病院は存在せず、100床程度の病院としては東京松永病院が99床、坂本病院が97床ありましたが、東京松永病院については平成19年4月に廃院をしております。

慈恵医大青戸病院については、施設・設備の老朽化のため建てかえを行うことになりましたが、慈恵病院グループの再編の中で、がん放射線治療業務から撤退するとともに、病床数も60程度減らすことになりました。区議会からは強い懸念が示され、区民からは請願が提出され、私どもの会派も賛成し、区としてもがん放射線治療の継続を強く働きかけていただきましたが、平成21年10月に慈恵医大から正式にがん放射線治療撤退の意向が示されたところであります。

また、救急医療に関しても課題がございます。平成21年に私も質問させていただきましたが、平成19年度の消防庁の調査では、通報を受けて出動してから現場に到着し、その後医療機関に引き継ぐまで52.79分かかっている結果が出ており、23区でも下から2番目に時間がかかっているということになっておりました。そして最新の平成22年度東京都救急搬送実態調査結果の速報では、平均救急搬送時間が51.5分で、前回調査より3.4分長くなったとの報告がありました。救命救急は都の役割だと認識しておりますが、いずれにせよ救急医療というものに関して、本区において区民の生命を守るという観点から、都と連携しながら改善しなければならない課題であります。

一方、区民側の意識を見ますと、東京都が実施した平成21年度都民の健康と医療に関する実態と意識調査によれば、がん医療対策に望むことで最も多かったのが、高度ながん医療の提供、患者の病状に合わせ高い水準で適切な治療が受けられるような体制の整備が65.2%、次に、がん患者や家族が、治療法や不安、悩みなどを気軽に相談できる窓口の充実が53.1%となっています。また、脳血管・心疾患を中心とした疾病による後遺症に対するリハビリテーションの需要が高く、維持期の介護サービスに円滑に移行するために、急性期の治療と回復期のリハビリについてもニーズが高い状況であります。このことからも高度医療の提供や実態に対する意識が高いことと、医療体制の充実を望む声が非常に高いことが示されております。

区民の要望あるいは現状をかんがみますと、私は4つの視点があるのだと思います。

1つ目は、総合医療の提供であります。地域医療の中核的機能として位置づけられる病院の立地が喫緊の課題であります。病床数が871床不足している本区の状況からすると、300床以上の病床数を確保することが望ましいと考えます。

2つ目は、がん治療の拠点であります。本区のがん罹患率が高い現状を踏まえ、がん治療の高度先進医療を行うことができる、あるいは根治治療、緩和ケアを包括的に行い、患者と家族のQOLを第一に考え、外科療法、化学療法、放射線治療を有機的に組み合わせた高度ながん治療が行え、がん検診やがんに関する総合相談窓口を設置することが必要であると考えます。

3つ目は、心疾患・脳血管疾患に対するリハビリテーションの充実であります。本区で需要が高い心疾患・脳血管疾患による後遺症に対する急性期の治療及び回復期のリハビリを専門に行うことができる総合的な診療部門を設置し、設備機器、スタッフを確保し、適切なリハビリが行えるなど必要であると考えます。

4つ目は、救急救命の拠点についてであります。心疾患・脳血管疾患が重篤化しないためには、地域に身近な場所に救命救急の拠点が必要であり、24時間救急に対応した二次救急医療機関として位置づけが可能な高度救急救命の拠点の必要性であります。

これまで述べさせていただきましたが、高齢化率の高い本区は、がん、心疾患、脳血管疾患の羅患率が高い状況にありながら、がん放射線治療の撤退や病床数の減少など、その治療を行うべき医療環境が必ずしも十分でないと言えます。医療環境の整備については、区民の生命に直結する問題であることから、従来東京都が主体となっていた医療行政にも区が積極的に関与することで、必ずしも十分でない現状を脱却し、区民の不安を払拭し、区民の生命財産、地域の安全・安心を向上させるべきと考えます。  

そこで質問をいたします。

がん、心疾患、脳血管疾患が区民の主要死因となっている状況について、区の見解を伺いたい。 また、葛飾区保健医療計画では、がん、心疾患、脳血管疾患の年齢調整死亡率の平成25年度目標値は減少傾向にさせるとしか明記されていない。区民の生命を守るという見地から立てば、具体的な目標値を掲げていくことも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 地域医療の中核を担ってきた病院が廃業になり、地域の医療基盤が弱くなっている地域もある中で、医療の質、ベッド数も減少してきている。区は保健医療計画の中で病床数の拡充を図るとされていますが、どのように拡充していくのか見解を伺いたい。また、具体的な数値目標を掲げながら計画を推進すべきと考えるが、どうか。医療機関の地域間バランスなどを視野に入れながら取り組む必要性があると考えるが、見解を伺いたいと思います。 区民の高齢化率、死因、救急搬送の現状や意識調査の状況からすると、がん治療を含めた高度先進医療や心疾患・脳血管疾患に対するリハビリテーションが行えることや、病床数の充足、救命救急の拠点などを充足できる医療機関が必要なのではないかと考えます。そういった観点をもって病院の誘致を進めていく必要があるのではないかと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。  

次に、防災について伺います。

質問に先立ちまして、ニュージーランドにおける大地震で、邦人の方々がいまだ安否が確認されていないとのことで、早期に安否が確認され、無事元気な姿で戻られることをお祈り申し上げます。新聞報道によりますと、地震で被災したクライストチャーチでは、昨年9月、同市近くでマグニチュード7の地震が発生し、市中心部にあるれんがづくりの建物600棟のうち160棟以上が大破したとのことで、これを受け、その後、市は耐震化対策の推進に乗り出し、耐震性が足りない約7,600棟を対象に、2015年から30年程度をかけて耐震化を完了させる計画を打ち出した矢先の今回の地震だったということでした。  多数の邦人が閉じ込められたCTVビルは、補強対象に含まれていた可能性があるとのことです。日本の建築物とニュージーランドの建築物を並列には並べることはできませんが、一つだけ言えることは、建築物の倒壊によって被害を受けることは、阪神・淡路大震災の例においても一致することであります。また、耐震化をする前に地震災害が起き、耐震性が足りない建築物が被害を受けることも認められております。

葛飾区では、葛飾区耐震改修促進計画を策定し、平成27年度を目途に公共施設及び民間建築物の耐震化を目標設定しております。特に倒壊のおそれのある木造住宅の耐震化については、90%の耐震化をする目標を立てておりますが、なかなか実績が上がっていないのが実情であります。  これに関しては、コストがかかるなど区民側としてもなかなか踏み込めないなど、さまざまな要因が考えられると思いますが、東京都防災会議でも想定されているように、30年の内に70%以上の確率で首都直下型地震が起こると想定されております。

いずれにしましても、阪神・淡路大震災、今回のニュージーランドの地震からもわかるように、建築物の耐震化というのは、有事が起こった際に被害を最小限にする重要な対策であります。今後、区としても耐震化の目標達成のために、さまざまな施策を組み合わせながら取り組んでいただきたいと思います。

私は、この住宅の耐震化というのは、災害発生後の復興の際に税金を投入すべきなのか、それとも災害が来る前に税金を投入すべきなのかという議論に立つ必要があるのではないかと思います。区民の命を守っていく観点からすれば、事前に耐震化を推進すべきだと考えます。  

そこで質問をいたします。

直近の耐震診断、耐震改修、耐震シェルター、アドバイザー派遣の実績について伺いたいと思います。

また、東京都が緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化を推進する条例を新設する予定でありますが、現時点での状況及びどの程度区内での対象建築物があるのか、伺いたいと思います。  平成27年度までに住宅の耐震化率90%を、現状の施策のままでは目標達成は厳しいものと考えます。街づくりと連動させながら、民間における建てかえの誘導を促進させたり、あるいは防災都市づくり推進計画整備地域の範囲拡大を都に働きかけをしながら、耐震改修だけでなく建てかえの推進も図るべきと考えますが、本区の建築物の耐震化の促進に向けた方向性、方策について、区の見解を伺いたいと思います。  

最後に、都市計画における情報公開についてお伺いをいたします。

建築物の確認申請や不動産の取引などにおいては、各分野の企業、あるいは土地や建築物の権利者の方などは、土地に係る用途地域や高度地区や地区計画などの有無、道路の種別や幅員などの調査をしまして、確認申請や不動産取引をいたします。通常、こういった調査につきましては、区役所などに赴いて行って調査をするわけですが、地方自治体によってはホームページ上で用途地域や道路の種別や幅員などを公開しておりまして、初期段階の調査を行う際には非常に利便性が高い情報公開を行っているところもございます。

現在、葛飾区では、都市計画用途地域や高度地区、地区計画などの有無、道路の種別、幅員などはホームページ上で公開はされておりません。お隣の江戸川区におかれましては、江戸川区都市計画・建築基準法による指定道路情報提供サービスとして、用途地域、防火指定、高度地区、その他の都市計画などの検索と道路の種別や幅員などが検索できるサービスが稼働しております。初期調査の情報提供としては、区民サービスとして大変利便性が高いものであると思いますし、葛飾区でも積極的に導入すべきと考えます。  

そこで質問をいたします。

他の地方自治体で行われている都市計画・建築基準法による指定道路情報提供サービスについては、建築確認申請や不動産取引などにおいての初期調査としては非常に利便性が高いものと思います。区民サービスの向上という観点から、都市計画や建築基準法による指定道路などの情報をホームページ上で公開していく必要があると思いますが、区の見解をお伺いしたいと思います。

以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○(青木克徳区長)

米山議員のご質問にお答えをいたします。

初めに、今後の基金や起債の取り扱いの考え方についてのご質問にお答えをいたします。 まず、起債についての考え方でございます。

起債については借金であるため、次年度以降、一般財源を充当しての償還費が発生してまいります。このことから、起債を過度に発行すると、償還費の増により一般財源負担もふえ、他の施策への影響も出てまいります。このため、今後の起債については、将来の一般財源負担や毎年度の財政状況を勘案しながら、起債対象事業の中でも多額に財源を必要とする大規模な用地取得や小・中学校を初めとした施設改築を中心に活用をしてまいりたいと考えております。

次に、基金についての考え方でございます。

各基金は、条例により特定目的のために設置し、それぞれ目的に沿った将来の財政需要を勘案しながら、あらかじめ計画的に積み立てを行っております。各基金の活用は、対象となる事業を執行する年度に取り崩すことにより、他の施策に極力影響を及ぼさず、計画的、安定的な財政運営を行っていく上で欠かせないものと考えております。

具体的な基金の活用方法につきましては、建設事業を中心に、国や東京都の補助金などの財源をできる限り確保しながら、これまで積み立ててきたまちづくり基金や公共施設建設基金、教育施設整備積立基金などを活用してまいります。

さらに、今回のように生活保護費などの扶助費や、国民健康保険事業を初めとした特別会計への繰出金の一般財源負担分が大幅に増加した場合のほか、特別区交付金や特別区民税を初めとする一般財源が大幅に減収するなどの場合には、財政調整基金本来の年度間財政調整機能という役割を踏まえ、その時々の財政状況を勘案しながら、財政調整基金の活用もあわせて行ってまいりたいと考えております。

次に、新基本計画を策定するに当たって、現在進行している個別計画の検証の必要性についてのご質問にお答えをいたします。 基本計画は、区の将来像や基本目標を実現するための基礎となる総合計画であり、区全体の目標や方向を具体化したものとして、分野別の個別計画の指針となるものであります。 また、今後の10年間を見据えた長期計画として、社会経済状況や本区の人口動態を最新の情報に基づき予測し、将来の変化を把握した上で策定を進めてまいります。 一方、現在進行している個別計画については、社会情勢の変化などをとらえて、適宜、改定して各種事業を進めておるところでございます。お話のとおり、新たな基本計画の策定を進める中で、個別計画が目標や方向に合致しているかを検証し、見直すべき点があれば見直した上で実施をしてまいりたいと考えております。

次に、総合庁舎整備基金の積み立てについてのご質問にお答えをいたします。 総合庁舎建てかえにつきましては、本館・議会棟が11年後の平成34年には築60年を迎えることとなり、区といたしましても建てかえ時期に来ていると考えております。今後、そのためできるだけ早い時期に基金を積み立て、建てかえに備えるべきと考え、資金面の準備として第3次補正予算で15億円を計上させていただきました。 総合庁舎建てかえに際しましては、多額の経費が必要となる一方、現状ではそのすべてを一般財源で賄う必要があります。また、特別区債は、将来世代への負担軽減という点から、できる限りその発行を抑える必要があります。 そのことから、しかるべき時期の総合庁舎整備に備え、可能な限り基金の積み立てを行いたいと考えているところであり、当面は最終補正予算の中で対応してまいりたいと存じます。  

次に、総合庁舎整備のあり方検討委員会の今後の進め方や区民の合意形成については丁寧に進めるべきとのご質問にお答えをいたします。 総合庁舎整備のあり方検討委員会からは、昨年11月に中間取りまとめの報告がなされ、この2月には区民の意見を聴く会を開催いたしました。今後は、中間取りまとめを踏まえ、総合庁舎整備が備えるべき機能、規模を初め、整備の場所、事業手法等について検討していただく予定となっております。区民の意見を聴く会を開催したこともあり、当初の予定からおくれてはおりますが、区民の意見を聴く会でのご意見も含め、十分な議論をしてまいりたいと考えております。   また、総合庁舎整備につきましては、何よりも区民のご理解が重要と考えております。今後、総合庁舎整備検討の節目節目において、説明会や意見を聞く機会を設けるなど、さまざまに工夫をしてまいりたいと考えております。  

次に、葛飾区の医療に関するご質問にお答えをいたします。 区内の病院が幾つか閉院する中で、区民に不安を与えておりますことは大変残念に思っているところでございます。

しかしながら、病院については、その許認可や病床規制は東京都の役割となっており、葛飾区が属する区東北部医療圏においては、都の計画によりますと、現在基準病床数を満たしていることから、病院の新設は困難な状況となっているところでございます。 一方、都では、各医療圏でがん、脳血管疾患、糖尿病などの疾病ごとに医療連携を図っており、東部地域病院ががん医療を重点として位置づけられ、外来化学療法を開始したことは、私といたしましても大変心強いことであると考えております。

一次医療の責任を持つ本区といたしましては、こうした枠組みの中で、病院のみならず診療所や薬局、そして訪問看護ステーションなどをつなぎ、区民に必要な切れ目のない医療を提供していく仕組みを目指すことが必要であると考えております。  このため、来年度には保健所において地域医療連携協議会を立ち上げさせることといたしました。まず第一歩として、医療関係者同士の顔の見える関係を構築してまいります。また、そこでの検証において連携の枠組みや病床の拡充など今後の課題を明確にし、議論してまいりたいと考えております。

私といたしましては、今後とも、区民に必要な切れ目のない医療を提供していく仕組みを目指して、地域医療の充実を図ってまいる所存でございます。

なお、その他のご質問につきましては、所管部長より答弁いたさせます。

○(丹保福祉部長)

現状の生活保護支給者の数、年齢層の割合、自立支援の状況と現状の認識及び今後の区の見解についてのご質問にお答えいたします。 まず、生活保護受給者の数ですが、本年1月末現在1万1,846人で、受給世帯は8,789世帯でございます。年齢層の割合につきましては、65歳以上の被保護者で構成される高齢者世帯と、それ以外の世帯とに分けてしか統計をとっておりませんので、それによりますと65歳以上の高齢者世帯は45.6%、それ以外の世帯は54.4%となっております。

次に、自立支援の状況についてでございますが、本区におきましては、平成16年度から15歳から64歳までの稼動年齢層で、就労意欲のある被保護者を支援する就労支援専門員を配置し、ハローワークと連携を図りながら、被保護者の就労支援を積極的に行っております。この結果、就労による生活保護廃止者は、平成19年度111人、20年度117人となっております。しかし、求人倍率が近年で最低となった21年度は80人と下がり、今年度は昨年12月末現在で87人となっております。

現在の生活保護の状況につきましては、お話のとおり、就労可能な若年層の世帯もふえる傾向にありますので、就労支援の取り組みが一層求められていると認識しております。

そのため、平成23年度は就労支援専門員をさらに2名増員するとともに、新たな委託事業として、就労を妨げる具体的な要因がないにもかかわらず就労に結びつくことが難しい被保護者を、専門的な視点から個別に支援する生活保護受給者就労支援事業を開始して、取り組みを強化してまいります。 以上でございます。

○(筧 晃一政策経営部長) 

区有地及び区有施設の活用についてのご質問にお答えします。 まず、行政目的が終わった区有地や区有施設の状況でございますが、現在のところ、旧職員寮や旧排水場など合わせて14カ所ございます。保育園と合築している旧職員寮は5カ所、旧排水場は6カ所、その他単独の旧職員寮、旧教職員住宅、旧授産場が各1カ所という状況でございます。

これらの区有地や区有施設の今後の活用方法といたしましては、平成18年度に策定した公共施設見直し推進計画に基づきまして、区有財産全体の総資産量を勘案し、効果的、効率的な区有財産のマネジメントを図る観点から、他の行政目的への転用や民間への売却、社会福祉法人等への貸し付け、定期借地権制度の活用などにより、積極的な活用を図っていくこととしております。 なお、旧高砂第2教職員住宅は、母子生活支援施設ふたば荘の建てかえに伴い、現在暫定的に活用しており、旧西井堀排水場跡地につきましては、社会福祉法人への無償貸し付けによる障害者通所施設の用地として、活用方針を決定したところでございます。

また、保育園と合築している旧職員寮につきましては、老朽化などによる建てかえの機会などをとらえ、保育園機能の拡充を含めて有効活用を図っていきたいと考えております。

以上でございます。

○(鹿又幸夫子育て支援部長) 

保育ママの現状の課題についてのご質問にお答えをいたします。

保育ママは、ご自宅で少人数のお子さんを家庭的雰囲気の中で保育するもので、一人または補助者のみでお子さんの保育に当たるため、休暇が取得しづらい、また、一人ですべて対応しなければならないという負担感がある等の課題があると認識しております。

このため、区では、各保育ママに特定の区立保育園を連携保育園として指定し、保育に関する相談等に対応できるようにするとともに、保育ママの休暇取得に当たっても、保育園の一時保育を優先的に利用できるようにするなど、バックアップしているところでございます。

なお、本年4月からは新たに保育ママ2人をふやし、低年齢児の定員枠を拡大いたします。

今後とも保育ママが安心して保育に従事する条件整備を図り、さらなる保育ママの育成と拡充に努めてまいりたいと考えております。

次に、社会福祉法人も利用できるような保育ママへの家賃助成、人的支援の仕組みを構築してはどうかとのご質問にお答えします。

保育ママの特徴は、自宅を利用して家庭的雰囲気の中で保育を行うことにありますので、自宅での保育を原則とした保育ママ制度の拡充が必要と考えております。加えまして、待機児に地域的偏在があること、待機児解消の対策として拠点的に保育ママをふやしていくことは、大きな効果が見込まれることも事実でありますので、国制度の動向も勘案しながら、ご提案のありました社会福祉法人を通じての家賃助成や人的支援制度の導入について検討してまいります。

なお、区有施設を待機児対策に活用してはどうかとのことですが、区といたしましては、これまでも区有地を活用して認可保育園を開設するなどの対応をとっているところでございますので、家庭的保育の実施に当たっても区有施設の活用等について検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○(細川えみ子保健所長)

葛飾区における年齢調整死亡率の目標値についてお答えいたします。

年齢調整死亡率とは、同じ年齢構成の集団として推計した比較可能な死亡率ですが、葛飾区の主要死因の年齢調整死亡率は、悪性新生物については平成21年度、男性203.3、女性107.5、平成16年度では男性225.1、女性115.4でしたので、男性21.8、女性7.9の減となっております。

また心疾患は、平成21年度、男性73.5、女性44.2、平成16年度では、男性100.0、女性49.3でしたので、男性26.5、女性5.1の減となっております。

脳血管疾患は、平成21年度、男性62.2、女性31.9、平成16年度では男性74.5、女性35.9でしたので、男性が12.3、女性が4.0の減となっており、幸い三疾患とも減少傾向となっております。

しかし、どの施策がどれぐらい死亡率を減少させたのかという分析は非常に困難なことから、現時点では具体的な数値目標を立てることは難しく、現在の計画には載せておりません。

保健所といたしましては、科学的根拠の確かな生活習慣改善や健診を、区民全体に届くものとして地道に展開することで、より一層の年齢調整死亡率の減少を目指したいと考えております。 以上です。

○(栁澤永一都市施設担当部長)

耐震診断、耐震改修などの実績と、東京都が緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化を推進する条例を新設することについてのご質問にお答えいたします。

まず、今年度2月までの耐震診断、耐震改修などの実績でございますが、耐震診断50件、耐震改修設計12件、耐震改修・建てかえは15件、耐震シェルター、アドバイザー派遣についての申請はありませんでした。補助件数につきましては、前年度に比べ3割ほどふえてございます。 次に、東京都では震災時の救急救命、復旧・復興の大動脈である緊急輸送道路の機能を確保するため、沿道建築物が地震により倒壊して緊急輸送道路をふさがないよう、耐震診断の実施等を義務づける新たな条例案を提案しております。また、耐震診断の義務づけに合わせ、耐震化に係る助成制度の拡充も提案をしております。

対象となる道路でございますが、都の説明によれば、すべての緊急輸送道路について路線ごとの優先度を考慮し、施策を講じることが重要であるとしています。このため、東京都が指定している第一次緊急輸送道路の中から指定されるものと思われます。また、対象建築物は、道路幅員のおおむね2分の1を超える高さの建築物となってございます。

助成制度の拡充につきましては、耐震診断が無料となるとともに、補強設計、耐震改修につきましても負担を軽減するとしております。区といたしましても、東京都と連携しながら、緊急輸道路沿道の耐震化を進めてまいりたいと考えております。

次に、耐震化の促進に向けた方向性、方策についてのご質問にお答えいたします。

葛飾区では、建築物の耐震化を一刻も早く実現するため、これまでも助成制度の充実に努めてまいりました。このような中で、平成21年度は耐震設計費の助成制度を創設するとともに、耐震改修費の助成につきましても、補助金の限度額を50万円から80万円に増額するなどの対策を実施しております。また、防災都市づくり推進計画の整備地域に位置づけられている木造密集地域である立石、四つ木、堀切、新小岩の一部の地域では、耐震改修工事にとどまらず、建てかえ工事の費用につきましても、助成を行っているところでございます。今後は、整備地域の範囲拡大を図るため都に要望してまいりたいと考えております。

さらに、本区の耐震対策を充実するためには、地域団体や建築士、工務店など、民間の協力をいただくことが必要であります。地元設計事務所、工務店との連携により、地域ぐるみの耐震化の促進を図ってまいります。

また、大規模な地震への危機感や事前の備えの重要性について、区民の理解がいまだ十分ではないため、平成23年度につきましては、国・都の補助事業を活用し、住民説明会を葛飾区全域で実施するとともに、木造密集地域や地域危険度の高い地域については重点的に実施し、より一層の耐震化の促進を図ってまいります。

次に、区民サービスの向上という観点から都市計画や建築基準法による指定道路などの情報をホームぺージ上で公開していく必要があると思うが、区の見解を伺いたいとのご質問にお答えいたします。

本区におきましては、わかりやすく利便性の高い区民情報サービスを提供するため、平成16年度に策定したIT推進計画に基づき、電子区役所実現の一環として地理情報システムを構築いたしました。都市計画情報につきましては、このシステムを活用し本年2月より本区のホームぺージで公開しているところでございます。

建築基準法による指定道路などの情報につきましては、平成19年の建築基準法施行規則の改正で指定道路図及び指定道路調書を作成することされ、本区では平成20年度、21年度の2カ年で作成をいたしました。現在、所管課窓口のパソコンでタッチパネルを操作することにより、お客様ご自身で指定道路図などの情報を取り出せるよう準備作業を行っているところでございます。

お尋ねの指定道路の情報をホームぺージで公開することにつきましては、公開する情報の内容や方法、時期について検討を進めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

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