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平成30年予算審査特別委員会(統括質疑)


それでは、税源偏在是正措置への対応と、歳入の確保及び区民の定住促進誘導についてお伺いします。  まず、税源偏在是正措置への対応について伺います。  平成30年度の予算編成においては、法人住民税の堅調な推移によって特別区交付金がふえることと、納税義務者数の増によって、前年度比1億増、伸び率で0.1%になったわけでございますが、やはり今回の予算編成について影響を受けた、また今後さらに影響を受けるのは、法人住民税の一部国税化の拡大、ふるさと納税制度、地方消費税の清算基準の見直しの3点だと思います。  国は、地方自治体間に生じている税源の偏在を是正するために、地方財源である法人住民税の一部を国税化し交付税の原資とするなど、地方税を地方自治体の財源調整に用いる動きを進めています。しかし、地方自治体の必要財源は国が責任を持って確保すべきであって、地方税の国税化による再配分は地方税の根本原則をゆがめるものと言わざるを得ません。しかし、来年10月に予定されている消費税10%の際においては、これをさらに拡大することとしております。具体的には、8%段階から比較すると、法人住民税の都道府県分、3.2%から2%に減少、市町村分も9.7%から8%に減少、いずれも減少になります。一方で、地方法人税は4.4%から7.3%となる議論がなされております。また、法人事業税の復元に伴って法人住民税がさらに縮小する、地方法人税も10.3%まで拡大するという議論がなされているところであります。他の委員さんも質問されまして重複する部分が少しありますが、改めて法人住民税の一部国税化の影響額を、消費税8%、10%段階でのそれぞれの影響額を伺いたいと思います。

政策経営部長

消費税率が8%に引き上げられたことに伴いまして、平成26年度の税制改正において、地方法人課税の見直しのもと住民税法人税割の一部が国税化されまして、地方交付税の原資化とされたところでございます。そして、特別区の区域においては、特別区交付金の原資でございます市町村民税法人分の減少につながります。そして、平成30年度当初予算(案)の時点では、葛飾区では34億円の減、特別区総体では628億円の減を見込んでいるところでございます。そして、平成28年度の税制改正におきまして消費税率が10%に引き上げられる平成31年10月から、法人住民税の国税化及び地方交付税の原資化が拡大されることになってございます。そういうことで、こうしたことによりまして、消費税の10%段階では、平年度化をいたしますと葛飾区では約56億円、そして特別区全体では1,012億円の減を見込んでいるところでございます。  以上でございます。

米山真吾

次に、地方消費税の清算基準も見直しが議論されています。今回どのように変わったでしょうか。この仕組みと、国の主張と東京都と特別区の主張がどう違いがあるのか、伺いたいと思います。消費税8%、10%段階での影響額も、あわせて教えてください。

政策経営部長

まず、清算基準の仕組みでございます。  消費者が物を買うなどして支払った消費税は、事業者から国に対して、国税・地方税分を合わせまして8%分全額が申告納付されるところでございます。そのうち1.7%分が地方消費税として都道府県に配分されると、この際の配分基準が税収を最終消費地に帰属させるための清算基準でございまして、この基準が小売年間販売額等の統計数値、そして人口、従業者数を用いているところでございます。  そして、この清算基準の見直しの具体的な内容でございます。  昨年度の平成29年度の税制改正におきましては、小売の年間販売額等からインターネット販売額を外すということと従業者数の配分を減らす一方で、人口の配分をふやす見直しが行われたところでございます。そして、このたびの平成30年度の税制改定におきましては、統計施設について百貨店、家電大型専門店などの販売額等を外しまして、配分のウエートをこれまでの75%から半分の50%に縮小するという一方で、従業者数は廃止しまして、その残りの50%は全て人口に置き直すという見直しがされたところでございます。  次に、国の主張と東京都あるいは特別区の主張との違いでございます。  清算基準の目的でございます税収を帰属させる最終消費地はどこかという点で、国は購入した物品が使用された場所とする一方で、特別区あるいは東京都は商品を購入した場所であると主張してございます。そしてまた、最終消費地を推し図るために統計数値以外の代替指標をどのように取り扱うかという点では、国は人口に一本化する、そして人口比率を引き上げるべきだとする一方で、東京都あるいは特別区は、消費の実態をより正確に反映させるためには可能な限り客観的な統計数値を用いるべきだと主張しているという違いがございます。そして、特別区は、東京都とともにこの見直しの反対の声明を上げているところでございます。  影響額でございます。  消費税率8%段階である平成30年度の当初予算案の時点では、葛飾区では14億円の減、特別区全体では380億円の減を見込んでございます。そして、10%に消費税が引き上げられます平成31年、来年の10月以降の分を平年度化したと仮定しますと、葛飾区では19億円の減、そして特別区全体では485億円の減を見込んでいるところでございます。  以上でございます。

米山真吾

今、国の主張は、最終消費地をどこでやるかということで物品を使用しているところだと、こちらの東京都・特別区は商品を購入したところだということでありますから、今まで購入したところということで決めてきたわけでありまして、引き続き、これは東京都、あるいは葛飾区、区長も主張していただいておりますけれども、国に対してやっていただきたいとお願いをしたいと思います。  あわせて、ふるさと納税の影響額もお伺いしたいと思います。

政策経営部長

ふるさと納税の減収額についてでございます。平成30年度の当初予算(案)の時点で、葛飾区では約5億円の減ということを見込んでございまして、23区トータルでは312億円の減を見込んでいるところでございます。そして、この消費税の10%段階が平年度化されますと、葛飾区では80億円、そして23区トータルでは1,800億円ほどの減少を見込んでいるところでございます。  以上でございます。

米山真吾

今、部長のほうでご答弁していただいて、トータルで80億円、10%段階で減少してくるというようなお話でありました。ここで、国は法人住民税の一部国税化の拡大に合わせて平成20年から始めた法人事業税の一部国税化を復元したのですね、元に戻した、それで、国は新たに法人事業税交付金というのを創設して、特別区については財調の財源にしていいですよということも打ち出してきたと聞いています。もともと地方税に手を出すべきではないと思いますけれども、多分、大都市の意向も酌んで創設したのではないかと推察しています。だんだん制度は複雑化してきてわからなくなってきているのですが、この法人事業税交付金というのはいつから交付されて、区にどういう影響を与えるのか、伺いたいと思います。

政策経営部

都道府県税でございます法人事業税については、国が地方法人課税についての見直しを目的に、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として、平成20年度の税制改正によりまして法人事業税の一部を分けて地方法人特別譲与税というものを新たにつくって、財源調整の上に都道府県のほうに配分してきているところでございます。その後、平成28年度の税制改正におきまして、平成31年10月に消費税率10%への引き上げが行われるという予定でございまして、このときこの地方法人特別譲与税は廃止され、その分、都道府県への法人事業税に復元される見込みとなったところでございます。その一方で、平成28年度の税制改正におきまして、法人住民税の一部国税化の拡大による市町村分の原資を補う形で、都道府県に復元された法人事業税の一部を都道府県が市町村に交付する法人事業税交付金の仕組みが新たにつくられたところでございます。  交付金の規模としては都道府県の法人事業税額の5.4%分としておりまして、特別区分としては、平年度化しますと約650億円程度の額が見込まれているところでございます。この法人事業税交付金は市町村民法人分の減収補?となるために、特別区におきましては特別区交付金の財源となりまして、影響額としては全体では650億円ですけれども、その財調の配分率55%を乗じまして約358億円が影響額として見込まれるところでございます。  以上でございます

米山真吾

先ほどの委員の方から質問もありましたけれども、中期実施計画の財政フレームは平成31年度までで今後は後期実施計画の策定に入るわけですが、これだけ税制が変わりますと、特に歳入面での影響が大きいですのでかなりの見直しが必要なのではないかと感じております。今後、新しい政策を打ち出しにくなるのではないかと危惧をしております。区としてどう取り組んでいくか、お聞かせください。

政策経営部長

財政フレームのお問い合わせでございます。現在の財政フレームは中期実施計画で策定してまいりまして、平成28年の3月に策定したところでございます。当然その当時の情報制度、あるいは経済見通しを踏まえて積算しているものでございまして、その策定後におきましては、税制改正ですとか景気動向等の社会経済状況の変化などによりまして平成29年度以降の予算とは大分乖離が生じているところでございます。  一例で申し上げますと、本区の歳入の大層を占める財調交付金でございます、財政フレームでは、平成29年度の消費税率10%への引き上げに伴います法人住民税の一部国税化の拡大が予定されていたということなどから減収を見込んでおります。一方で、消費税率の引き上げとともに法人住民税の一部国税化の拡大もあわせて先送りになったということ、景気動向が上向いたことに伴いまして、財調原資の調整税の増などによりまして、平均30年度当初予算案ではその当時つくった財政フレームとの比較では99億円の増となっております。  また、特別区民税でございます。葛飾区人口ビジョンにおける将来人口等推計、あるいは国が示した経済成長率などを踏まえまして積算しましたけれども、納税義務者数が見込みを上回っておりますので、平成30年度の当初予算案では、中期実施計画のフレームとは比較すると10億円ほどの増となってございます。一方で、国あるいは東京都の支出金といったものは、まちづくり事業の進捗などによりまして、その財政フレームとは、比較すると63億円の減となってございます。  また、特別区債、あるいは基金繰入金といったものは、特別区交付金、あるいは特別区税などの一般財源が見込みがふえたといったことに伴いまして、財源がふえたといったことに伴いまして、起債や基金の取り崩しは抑制していると、それと、充当先でありますまちづくり事業の進捗が思うように、ちょっと計画どおりには進まなかったということなどによりまして、当初予算案と比較しますと89億円ほどが減ってございます。  このような社会経済状況の変化による乖離が生じていることから、平成30年度に策定する後期実施計画の財政フレームの推計では、改めて税制改正の影響、あるいは経済情勢などを踏まえて、平成29年度の決算を発射台に、特別区税、あるいは特別交付金などを的確に見込んでいく予定でございます。また、過去の実績、あるいは扶助費の動向等を踏まえた国や都の支出金などの財源を見込むとともに、公共施設の更新、まちづくり事業の進捗に合わせて、資金の活用、あるいは区債の発行などの財源対策を講じながら、後期実施計画のフレームを事業の実効性を確保しながら作成してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。

米山真吾

ちょっと長くて把握できなかったのですけれども、詳しく今後議論していきたいと思います。  次に、ふるさと納税制度なのですが、来年度から導入していくわけですが、歳入部分として、区としてどれぐらい想定されているのか伺いたいと思います。それから、ガバメントクラウドファンディングを以前提案させていただいたのですが、その後検討されるというご回答だったのですが、検討状況を踏まえてお答えいただきたいと思います。

政策経営部長

ふるさと納税の影響額でございます。現在見込んでいるところでは、先行している他区の実例等を参考に2,900万円ほど、あとは区の魅力をどれだけ発信するかによりますけれども、それ以上の寄附金を期待できるだろうということで考えてございます。  それと、ガバメントクラウドファンディングの検討でございます。  この検討は、設定した事業がいかに多くの方々から共感を得られるかといったことが、それに魅力があるかがポイントだと思ってございます。そのため、どのような事業において設定するか、どのように広く周知をしていくかが課題であると考えてございます。全国から寄附を募るふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングといったものは、23区内では墨田区のすみだ北斎美術館、あるいは世田谷区の陸上競技場スタンド改修などの事例が現在ございます。全国的にも徐々にふえているといった状況がございますので、本区といたしましても今後、先行事例を研究するということと、課題の検討を、整理をして魅力ある制度になるべく前向きにと言いますか、するべく前向きに検討していきたいと考えてございます。  以上でございます。

米山真吾

クラウドファンディングについては、額が少ない・多いがあると思いますけれども、協働という意識も生まれますし、あるいは区政への関心も高まると思いますので、ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいと思います。  それから、この国の税源偏在是正の流れの中でやはり歳入確保をやっていかなければいけないと思います。今後の財政運営において、葛飾区として歳入の確保という観点からどういう目標を持って施策を取り組んでいくのか、教えてください。

政策経営部長

財源の確保の点でございますけれども、従来から申し上げていますとおり、財源については計画的な基金の積み立て、あるいは起債発行対応能力の抑制といったものが第一義的には上がると思いますけれども、そのほか、区民税の確保については収納率の確保のために収納対策を一生懸命やっていただくということと、人口が今のところふえておりますのでその分税収が上がっているということで、人口の確保の施策を今後とも、魅力ある葛飾の発展のためにさまざまな施策に取り組むことによって税収を確保していきたいと考えてございます。

米山真吾

今、部長のほうで人口に触れられたわけですが、葛飾は人口がふえていると。ちなみに、前年度と比較してどの程度ふえているのか教えていただけますでしょうか。

政策経営部長

葛飾の人口でございます。1月1日を基準にいたしますと、平成28年から29年にかけまして4,100人ほどの増加となってございます。

米山真吾

それにあわせて、区長の所信表明にも書いてありますけれども、納税義務者数がふえたということであります。この納税義務者数がどれだけふえたのか、あわせて教えていただきたいと思います。また、人口に対する割合がどの程度なのか教えていただきたいと思います。前年度比較で構いませんので教えていただけますでしょうか。

政策経営部

納税義務者数でございます。決算ベースで申し上げますと、平成28年度から29年度にかけましてはおよそ4,800人ほどがふえてございます。人口に対する比率は大体同じような程度でございます。  以上でございます。

米山真吾

考え方の一つとして、やはり歳入の確保として人口をふやしていったほうがいいと、納税義務者数というか納税していただく方々も、いわゆるその生産年齢人口と言いましょうか、ふえていったほうがいいというのが一つあるのだと思います。一つ視点として、この生産年齢人口をふやして区民に定住してもらうためにどうするかという視点をベースに質問させていただきます。  平成27年に転入者・転出者アンケートの調査をしていただいております。これは複数回答でありますけれども、この中で転入先に葛飾区を選んだ理由が、1番は通勤・通学などの交通の便がいいから、これが全体の54.2%、2番目が、住宅の広さや土地建物の価格、家賃などの住宅事情がよかったから、これが49.0%、3番目は、買い物などの日常生活の便がよいからということで25.9%、それ以下続くわけなのですが、転入の大きな理由が交通の便のよさと住宅事情になっているようです。区長は、待機児童対策などの子育て支援や高齢者支援、防災対策なども幅広く取り組んでいただいております。また、協働という理念を取り入れながら進めていただいております。この政策の方向性というのは間違ってないのだろうなと思います。一方で、区民を定住させるには、あるいは誘導していくということであれば、調査結果でも出ているように住宅事情で決めているところもあると思います。ですから、この住まいそのものに政策を打っていく必要があるのではないかと思います。  例えば、墨田区は、すみだ良質な集合住宅認定制度といって、子育てしやすいマンション、防災に配慮したマンションを建設した場合、例えば、子育て、防災型というふうに分けてやっているのですけれども目的別に助成金を支給しているのですね。具体的なメニューとしてどういうものがあるかと言いますと、子育て型で言いますと、例えば専有面積が75平米以上の住居を整備した場合、10戸当たり100万円、1棟当たり1,000万円限度、整備費助成をしているのですね。ほかにも、子供が遊べるキッズルームを設置すれば100万円ですとか、プレイロットを整備すれば50万円ですとか、要は子育てしやすい取り組みを行ったマンションについてはインセンティブとして事業者に対して整備費助成をしていると。一方、居住者向けにも支援をしていまして、居住者間の自主活動、子育て支援活動や避難訓練などに係る経費ですとか、ほかにもマンション管理アドバイザーの派遣を、これは年1回ですけれども全額補助を行っているようです。これは、事業者としては整備費の一部補助を受けられるメリットもありますし、区の認定を受けるので建物の価値が上がる、入居促進が見込めると。区民側にとっても集合住宅の機能が住む前に判断できますし、自主活動などソフト面での区の支援もあるのでメリットが出てくるのだと思います。こういった住宅に機能を持たせて生産年齢人口を誘導しながら定住化を図ろうとしているわけでありますが、本区においては住宅基本計画、平成23年に策定されて、平成32年度で見直しの時期に入るわけですが、この計画の中に、基本方針にも、家族構成に合った住宅の供給を誘導するということを検討します、とありましたけれども、この間どういった検討がなされてきたのか、教えていただきたいと思います。

都市整備部長

区では、住宅基本計画の安心と愛着の住まいと暮らしの実現を基本目標に、子供から高齢者まで多様な世代が安心して愛着を持って住み暮らし続けられる魅力あるまちを、ハードとソフト両面にわたって積極的に推進してきました。お話にあったように住宅基本計画の見直しが2年後にありますので、もう来年度から住宅基本計画の見直しに着手して進めようと思っています。

米山真吾

今、見直しをされるというお話だったのですけれども、子育て環境を充実させることも重要ですし、いろいろな環境をよくすることに取り組むこともあわせてやっていかなければいけないと。一方で、その転入者・転出者アンケートでも調査結果が出ているように、転入してくる理由のところに視点を当てて、区が生産年齢人口を積極的に誘導して定住させていくということも視点を持って取り組む必要があるのだと思います。ちなみに、定住率という指標がもしあれば伺いたいと思います。

都市整備部

本区では定住率という手法は調査しておりません。

米山真吾

よくわかりました。  それで、本区においてもこういった住宅、住まいというところにスポットライトを当てて、今取り組んでいる政策と組み合わせながら区民の定住を誘導していくことが歳入の確保を含めて必要になっていくのではないかなというふうに思いますので、ぜひともそういった取り組みをしていただきたいと思いますが、最後にお答えいただきたいと思います。

都市整備部

先ほど来、委員からお話があるように、葛飾区への定住志向でございますけれども、平成27年8月の中期実施計画策定にかかわる転入者・転出者アンケート調査によりますと、転入者の定住意向は約4割、転出者は約1割、「わからない」、「決まっていない」が約5割となっております。年代別では、40代以上は5割を超えておりますけれども、20代・30代は、20代が15%程度、30代は30%程度と低い値となっております。  平成30年度から中高層集合住宅等建設指導要綱の条例化を予定しておりまして、条例化のメニューの中で、ファミリー層に加えて高齢者向けの住宅も考慮しながら、墨田区などの先進区の内容も研究して、子育てや防災面等での優良マンションの認定制度を検討する予定でございます。関係部ともしっかり連携しながら、特にファミリー層の定住促進に向けた定住促進策を、魅力的なまちづくりの推進とあわせて積極的に推進してまいります。

米山真吾

ぜひ前向きにご検討をお願いしたいと思います。  次に、水害対策及び新小岩公園高台整備事業について伺います。  まず初めに、洪水ハザードマップについて伺います。  葛飾区はゼロメートル地帯が大きく広がっておりまして、万が一、大規模水害が発生した際には、区内の広い範囲で浸水し、浸水継続期間の長期化も想定されています。その仮定の中で、葛飾区は洪水ハザードマップを作成しています。荒川洪水ハザードマップ、江戸川洪水ハザードマップ、中川・綾瀬川洪水ハザードマップと、河川別に3つに分けて避難計画を策定しています。後ほど新小岩公園の高台整備事業に関する質問をしますので、ここでは荒川洪水ハザードマップについて伺いたいと思います。  荒川洪水ハザードマップ作成の前提ですが、荒川流域で3日間に総量548ミリメートルの大雨、200年に1回程度の想定する規模によりまして、荒川下流域で堤防が決壊した想定で作成した浸水想定区域図をもとに作成したものであります。それで、まず質問したいのは、荒川下流域で堤防が決壊した想定とありますが、具体的にはどのあたりを想定されているのかお伺いしたいと思います。

危機管理・防災担当部長

荒川洪水ハザードマップでございますが、先ほどの国土交通省が作成した浸水想定区域がもとになっているのですけれども、そこでは約1キロメートルおきに破堤ポイントを指定してコンピューターでシミュレーションしているのですけれども、ちょうど荒川の河口に向かって左側、左岸のほうで15ポイント、右側のほうで13ポイントと、合計28ポイント、葛飾区内で関係するのがそのうちの4ポイントでございまして、具体的には新小岩駅、上平井橋北側、四ツ木橋、京成本線の周囲というようなことになってございます。これはあくまでコンピューター上の箇所を想定したものなのですけれども、荒川下流で具体的に堤防高が低く危ないところなのですけれども、川口市川口一丁目地先、北区赤羽三丁目地先のJR東北線の左岸と右岸、それから墨田区八広六丁目地先の四ツ木橋右岸でございます。ここまで水位が上がっても堤防は大丈夫だよというのが計画高水位と言うのですけれども、そこはこの堀切四丁目の京成本線は一応クリアしているのですが、通常、堤防というのは余裕を持たせてつくりますので、その余裕高から比べると約2メートルほど、そこの部分について低いというような状況になってございます。  以上です。

米山真吾

今、危機管理・防災担当部長のほうで4ポイント、区内で想定されているというお話がありましたけれども、これは今ずっと堤防の評価を含めてやっていただいておりますけれども、あくまでもポイントとして設定されてきたのか、それは実際その堤防の強化をしていますから実際は破堤するおそれがあるとかないとかという議論になると思いますけれども、そのあたりはいかがですか。

危機管理・防災担当部長

葛飾区内の堤防でございますが、ほとんど破堤する可能性はないというふうに考えてよろしいかと思います。ほとんど上流部の堤防が低いところが破堤して、そこの水がじわじわ葛飾区のほうに来て浸水するというふうな状況でございます。

都市施設担当部長

橋梁の関係でございますが、今お話にありました江戸川の3本の橋梁整備、これについては今あったように帰宅困難とか広域輸送、また水害対応ということで整備をこれから進めようということで検討に着手するということでございます。これまでも内閣府におけますワーキンググループの検討の中で、葛飾区、江戸川区とかそういうところも意見交換をしながら進めてきている中では、やはり広域避難の中でボトルネックに橋梁がなるということで、これまでもその検討の中では実際にどの橋梁に集中しないように分散させれば広域避難できるのかとか、そういうような検討もしていまして、できる限りそういうボトルネックが生じないようにというような視点で検討を進めてきております。今お話のあったところについては8キロメートル以上橋梁がないということで、やはり一番のボトルネックになるということがその中でも明らかになっておりまして、今回そういうようなことが進むという形ですので、江東5区の検討の広域避難の実現に向けてという意味の中でも意義のある事業かなというふうに考えているところでございます。  以上でございます。

米山真吾

今8キロメートル、各区の江戸川の橋梁間の距離を言っていらっしゃると思うのですが、浦安橋と舞浜橋についてはちょっと私が見た限りは8キロメートルはないかなというふうに、もっと短いのではないかと、距離的にはと思っています。ですから、そういった意味で、この葛飾区の現状においてこの橋梁のあり方というものも少し研究されたらいいのではないかと思います。具体的に都市計画マスタープランでこの葛飾区で新設の橋梁というのは計画されていませんからこれはすぐにできる話ではないと思いますが、例えばその市川橋と新葛飾橋の中間というと大体その北総線あたりの陸橋が想定されるのですけれども、あの辺は補助283号線という計画道路もありますので、一つ、実現性があるかどうかは別ですけれども、こういった避難のあり方も含めて研究されてはどうかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

都市施設担当部長

今お話しいただきましたように、葛飾区で橋梁整備、今後進めていく予定になっているのは、北から、中川にかかります補助277号線、261号線、259号線、138号線というものがありまして、138号線については今、着手、実施に向けて進めているという、東京都と連携して進めているというところでございます。今お話にありました北総線のところですけれども、実は実際にはカスリーン台風のときとかそういうときには総武線の陸橋も使われて避難したという経緯もあるということで、一度、実際の北総線を使って歩けるかというようなことで、一昨年ですか、警視庁と一緒に渡橋するみたいな訓練も行っているというところでございます。また、今後こういう広域避難に向けての検証が進む中でやはり必要性が高いということであれば、そういうことについても国と一緒に研究していかなければいけないかなというふうに考えているところでございます。  以上でございます。

米山真吾

ありがとうございます。  それで、平成23年の都市計画マスタープラン策定時に新小岩公園を含む区内各地の公園等の高台化を位置づけて、緊急的な避難場所、救助・救出、物資輸送、復旧の拠点として整備するということで位置づけられたのですが、具体的にどういったところが高台化されていって今後どうされていくのか、伺いたいと思います。

都市施設担当部長

都市計画マスタープランの中では8カ所の高台化を位置づけておりまして、一つが東金町八丁目付近の水元公園のところ、これについてはスーパー堤防として整備済みになっております。また、新宿六丁目付近のところにつきましても、葛飾にいじゅくみらい公園の整備に合わせて整備済みになったというところ、また、小菅一丁目付近では小菅東・西公園の覆蓋上部公園をそこに位置づけております。また同様に、小菅一丁目のところの綾瀬川のスーパー堤防、これについても完成をしているというところでございます。また、もう1カ所が柴又六丁目付近の柴又公園、ここもスーパー堤防の箇所ということで整備済みという形になっておりまして、もう一つ、東立石四丁目付近の緑地公園、これが整備済みという形で、あと2カ所位置づけられているところで整備されていないのが、高砂三丁目、団地付近のところと、西新小岩一丁目の新小岩公園のところの2カ所という形になるというところでございます。  以上でございます。

米山真吾

そういう中で、新小岩公園を高台化するという方針が打ち出されて、先ほどのくぼ委員からもこの高台化については質問がありました。私もいろいろな地域の皆さんからご意見をいただく機会があります。その意見を聞きますといろいろなことがわかります。  どういった意見があるのかと言いますと、例えば、何でわざわざ水が来る方向に逃げるのだと、そんなところにつくる必要があるのかという意見、これは川に向かって避難するということから出てくる意見なのですけれども、これは読み解きますと、そもそも水害時においての避難行動が理解されていないですね。先ほどの荒川洪水ハザードマップでは、新小岩地域については東部地域、あるいは市川方面に避難することになっていますから、基本的に東側に避難すると、どうしても避難できない人については新小岩公園に来ていただくと。ですから、この避難行動がそもそも理解されていない。それから、すぐ公園の近くは非常に破堤するイメージを持っていらっしゃるので、先ほど破堤することはないというふうにおっしゃっていましたので、こういったことも理解してもらう必要があると思います。それから、上階に逃げればいいのだという意見、これもそのとおりなのですけれども、ここで理解を深めていかなければいけないのは、一時的な避難のあり方としては正しいのですけれども、水害時においては必ずしも水が早く引かないということであります、ですから孤立してしまう可能性がある、上下水道、あるいは電気、ガスなどのライフラインもとまる可能性が高いですから、生活する上で孤立する可能性があるということも理解を深めていかなければならないと思います。  また、現在利用されている人たちの意見も多くいただいています。例えば10年間利用できなくなることに対して、桜を初め木々が成長していて、いい環境になっていることについて異論があるということ、それから、先ほどハザードマップの想定が200年に一度の想定ということでありますから、どちらかというと日常の利用のほうを優先してしまうという意識を持っていらっしゃるということだと思います。また、こういった意見もありました。例えば新小岩公園は地震時においては避難場所になっていますけれども、そこが使えなくなると、中土手の葛飾あらかわ水辺公園が避難場所になっていますから、新小岩公園が使えないときはそちらが主に避難場所になるわけであります。中土手ですから平井大橋を渡る必要性があるのですが、その歩道の幅が非常に狭いのですね。2.5メートルぐらいでしょうかね、非常に狭い。ですから、そこに大勢の方が流れ込んでいく、逆から帰宅困難者が入ってくる、ですので大丈夫なのだろうか、こういった心配の声もあります。  ですから、何が言いたいかと言いますと、この新小岩公園の高台化を進めていく過程において、水害とはどういうものなのか、それから避難行動とか、水がすぐ引くとか引かないとかそういった水害そのものの理解とか、どう行動してもらうかを理解を深めてもらわなければいけないと思います。それから、公園が使えない期間、どう代替施設を含めて利用者の方に理解をしていただくのか、あるいは、実際、避難場所として使えなくなったときの十分な対策ができているのか、そういったことを説明して理解していただきながら進めていく必要があると思います。まだまだ住民の理解が進んでいないと思いますので、これはぜひやってほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。

危機管理・防災担当部長

洪水の知識とか区民に対するその避難行動について十分理解ができていないのではないかというふうな点について、お答えしたいと思います。  葛飾区は河川に恵まれている関係で、ハザードマップも3種類ございます。もともと河川が多いですので、避難行動も異なっていますので複雑でございます。これは全戸配布をしていますし、転入者にもお配りをしています。それから、区のホームページにも掲出してあります。それから、DVDをつくったり、毎年6月の出水期のときには広報かつしかで特集号をつくったりなんかしているのですが、地震に比べると区民の理解は本当にまだまだだと思います。  そこで、去年の10月なのですけれども、自治町会の防災部長さん、防災担当の方にお集まりいただきまして洪水死亡事務というのを行いました。それから、今後につきましては、やはりより丁寧な、これだけいろいろな方法がありますのでやはり地域地域で丁寧にご説明していかないとご理解いただけないと思いますので、防災訓練の場であるとか職員出前講座、そういった場合も活用してその地域に合った避難の仕方というようなことを丁寧に説明していきたいと思います。  以上でございます。

米山真吾

まだまだ不十分だというふうに思います。周知がやはりされていないなというのが正直な感想です。ですから、ぜひとも機会があるごとにやっていただきたいと思います。  先ほどの委員の方も質問されておりました、新小岩公園の高台整備事業マッチング制度ということで新しい制度として国土交通省がスタートさせました。民間側が都心に大規模な発生土を受け入れる場所が余りないので、それが確保できることによって処分地が近くなる、このことによってコストダウンを期待できると。葛飾区側は、民間のコストで高台化ができるという、両者にとってメリットがあるということでスタートしたわけでありますけれども、事業者の公募を行ったのですが、平成28年の4月、決まらなかったということであります。区は、公募がなかったことの原因を検証して、その上で再公募すると方針を出されておりましたけれども、まず決まらなかった原因についてどういったことだったのか、そして再公募に向けてどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。

都市施設担当部

マッチング制度についてお話をさせていただきます。  今お話しいただきましたように、前回、不調になったというところでございますが、一番大きな要因としては、やはり軟弱地盤だというところで、新小岩公園に隣接しますJR総武線、これへの影響、これに影響が出るとやはり多大なる損失が出る可能性があるという、そういうリスクを一番気にしているところがございます。また、2点目としましては、これは当然のこととも言えるのですけれども、本来その事業者というものは他のところできちんと現場を持って進行管理している中にさらにもう一つ高台化公園整備といった事業が加わるというようなところで、やはりそういう意味の中では施工管理とかそういうところが大分厳しくなるというところ、また3点目としましては、新小岩公園に搬入する量というのは1日に限定されてしまいますので、そうしますと特に大規模事業で土が出てくるとなると土の量が合わない、ですから仮置きをどこかにしなければいけないというようなところで、やはりそこでの費用コストがあるというようなところ、この3点が大きな課題というふうに認識しているところです。  今、国を含めまして再公募に向けてこういった課題を解決するためにはどうすればいいのかというような検討を進めておりますので、引き続き、ちょっと国との調整をさせていただくというのとともに、また、それ以外の経済的な事業手法みたいなことも含めて検討していきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。

米山真吾

来年度予算に800万円ほど委託経費が計上されておりますけれども、内容を教えてください。

都市施設担当部長

 来年度の予算でございますが、新小岩公園防災高台整備事業支援委託費という形で800万円計上しておりまして、内容としましては、防災高台整備に当たりまして区と共同事業者が基本協定を締結して、締結に際しまして共同事業者による施工にかかわる工法とかそういうさまざまな条件、提案というものが、経済性とか施行性、品質の観点から適切かというようなところを基本的には共同事業者と協議することが必要になりますので、そういうところの技術支援ということをお願いすることを考えているものでございます。  以上でございます。

米山真吾

わかりました。では、事業者が決まってから使うという費用だということですね。  このマッチング事業、どうしても相手方の意向もありますので、やはりこれがうまくマッチング事業が軌道に乗らなかった場合も想定される可能性があると思います。区としてこの高台整備事業をどのように進めていくのか、どういった事業形態なのか、仮にお聞きしますけれども、公共工事として行った場合、代替施設の設置を含めて財政支出はどれぐらいなのか、お伺いしたいと思います。

7 都市施設担当部長

引き続き、国と不調になった原因とかを整理しまして、課題解決に向けて進めていきたいというふうに考えております。基本的には、公募に始まって、それから大体1年ぐらいかけて協定締結をして進めていくという形になると思います。また、すみません、実際にもし盛り土みたいなことを今後区のほうでするみたいな形になるとしますと、今までの試算では大体20億円から30億円ぐらいかかるのではないかと試算しておりまして、ただ、実際には地盤改良費というものがやり方によってすごいお金が変わります。ですから、工期短縮をしていくとかそういう形になっていくとまたその費用が倍になるというようなことも考えられるという状況でございます。  以上でございます。

米山真吾

 アイデアの一つとしてちょっとお聞きいただきたいと思いますけれども、今の新小岩公園の高台化のイメージは、防災機能は向上するけれども盛り土をして公園が復元されると、そういったイメージが非常に強いのですね。ここに新しい機能を付加させるということも研究してみたらどうかなと思います。例えば、立体都市公園制度という制度があるのですね。これは物すごく簡単に言えば建物の上に公園をつくることができる制度なのですけれども、今の事業は土を盛るという考え方ですけれども、これを建物に置きかえて公園の下を有効利用できる。例えば、横浜市のアメリカ山公園という公園があるのですけれども、そこはたしかこの立体都市公園制度を使って公園を再整備したところなのですが、公園の下に商業施設が入っていて、保育園ですとかいろいろなテナントが入っています。公園のほうも、イルミネーションをしたり、平時の活用も積極的にされているようであります。  例えばなのですが、新小岩地域に本田消防署の上平井出張所がありますけれども、耐震基準が満たせずに建てかえの議論があります。例えば頭の体操の一つとして、こういった出張所を1階に入れて平時は通常の消防機能をつくって、水害時においては上に上げて拠点化するとか、あるいは商業施設を入れて平時はそういった利用もできると、そういった考え方もぜひ、こういった機会でありますので、研究してみてはいかがかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

都市施設担当部長

立体都市公園制度でございますが、今お話がありましたように、都市公園の下部を利用して立体的に使うことで有効的に使っていこうという事業で、なかなかまだ余り事例はないというところですけれども、アメリカ山公園とかそういうところで使われているというところでございます。今お話しいただきましたように、やはり今マッチング事業ということを前提に進めてきましたけれども、今の中ではやはり課題が多いというところもありますので、あわせて並行して別の事業でどんなものが使えるかとかそういうところを検討しているところでございますので、ご提案の今回の立体都市公園制度についても、これを使ってどんな活用ができるのかみたいなところについて区としてもちょっと検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。  以上でございます。

米山真吾

いずれにしましても、今後お願いしたいのは、整備事業の今後の方向性を出していただきたいということと、水害に対するさまざまな理解を進めていただきたいと思います。マッチング事業がうまくいかなかった場合どうするか、別の事業として進めていくのか、その際に問われる財源のあり方についてどうするか、住民の皆様への理解を深めていって説明を密にしていただきたいと、そういったことをお願いしたいと思います。最後、お聞かせください。よろしくお願いいたします。

都市施設担当部

今後、気候変動がさらに進んでいくというところの中では、やはり水害の甚大化ということが非常に懸念されているところでございます。また今、国レベルでは1000年に一度の浸水想定区域図が公表され、区としてもそれのハザードマップもつくっていく、また高潮についても今、東京都の中で、スーパー室戸、そういうものが来た場合、実際に葛飾区とかにどういう影響があるのかという検証が今進められております。そういう中では、新小岩公園の高台化というものは災害時の救助・救援をしていく拠点としてはやはり進めるべき事業だというふうに考えておりますので、いろいろお話しいただきましたところの事業手法なども研究を重ねまして、葛飾区にとって確実で経済的な事業手法等を検討して事業化に進めたいというふうに思っております。  また、区民の水害への理解はやはり今お話しいただきましたように十分だという状況ではありませんので、防災課と連携をしまして、シンポジウムとか防災訓練、そういうさまざまな取り組みを通じて水害対策への理解を深めていきながら、高台化事業の実現に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。  以上でございます。

米山真吾

ありがとうございます。  次に、最後の質問に入ります。住宅宿泊事業法について伺います。  住宅宿泊事業法が成立して、ことしの6月15日から施行されます。いわゆる民泊新法でありますが、この背景は、ここ数年、民泊サービスが日本でも急速に普及していることと、宿泊ニーズが多様化している中で、公衆衛生の確保、地域住民とのトラブル防止、違法民泊への対応などが出てきたからであります。しかし、この民泊新法を見ますと、ようやくガイドラインが出てきたのですが、少し曖昧な部分が多いなと感じておりますのでお聞きしていきたいと思います。  まず、届け出に関して伺います。届け出については、今月15日から申請開始になりますけれども、住宅を供給して宿泊させる家主滞在型と言われる宿泊事業者と、家主不在型といって宿泊事業者が住宅にいない場合、管理を委託することができるのですが、これが宿泊管理事業者、そして宿泊者の予約ですとか物件の情報提供を行うことができる宿泊仲介事業者、これはAirbnbのようなネット企業などが想定されますけれども、3者存在しますと。住宅は一つなのですが、それにかかわって、中心にかかわって事業者が3者いるわけであります。そのうち宿泊事業者は葛飾区に届け出ることになっていまして、管理事業者は国土交通省、仲介事業所は観光庁に届け出することになっておりまして、3カ所に分かれています。  まず初めにお聞きしたいのが、この3カ所に分かれていまして、3事業者の情報について全体を共有すると、情報共有するということになっていますけれども、この情報を共有する仕組み、体制がどうなっているのかお伺いしたいと思います。

健康部長

住宅宿泊事業では、お話のとおり、住宅宿泊事業、住宅宿泊管理業、住宅宿泊仲介業の3つの事業が定められているところで、おっしゃるとおり、住宅宿泊事業については区の健康部の生活衛生課がお受けするところでありまして、住宅宿泊管理業については国土交通大臣への登録が必要、また、住宅宿泊仲介業は観光庁長官への登録が必要ということでございます。これらにつきましては、国がつくります民泊制度運営システムというのができまして、これを活用して情報共有するという仕組みになっております。  以上です。

米山真吾

今回、民泊について、所管は今、部長がおっしゃったとおり生活衛生課ということでお聞きしましたけれども、苦情対応の窓口、それから指導・監督も生活衛生課が取りまとめて行うのか、お伺いしたいと思います。

健康部長

国のほうにつきましては、先ほど申し上げましたとおり民泊制度コールセンターを設置し、そちらで苦情を請け負います。また、葛飾区におきましては生活衛生課が窓口になって、場合によってはごみの問題とか騒音とかというとそれぞれの所管と連携して対応するということになります。  以上です。

米山真吾

 今回の法律は届け出制になっていまして、許可制ではないのですね。届け出の申請内容を見ると、例えば居室面積ですとか、あるいは消防設備ですとか、建築や消防の見識も必要になってくると思いますけれども、生活衛生課だけで対応できるのか、また届け出制などで図面を出してそれで審査が終わりということになるのか、現地との整合性がとれているのか、これは制度上できるのかどうかだけちょっと確認したいと思います。

健康部長

 届け出を受けましたら図面等も出していただき、それを審査し、必要に応じて現地確認をしということで対応していこうと考えております。

米山真吾

必要に応じてというのは、全部をやるわけではなくて何かポイントがあるのですか。

健康部長

チェックリストというのをつくっていただきますので、まずそれを埋めていただくということでございます。また、住居の安全とかそういうものはやはりかなり住宅の知識がないといけませんものですから、区の所管とも連携しながら対応するということを考えております。

米山真吾

 今、チェックリストということなのですが、要はそのチェックリストでよければ書類上通ってしまうのかどうか、ちょっと先ほどもお聞きしたのですが、その辺はいかがですか。

健康部長

書類をきちんと確認をして、書類上適正であれば受理をするという形になります。

米山真吾

では、現地確認は、制度上の問題もあると思うからなかなかしづらいということで解釈すればよろしいですかね。  民泊を行う場所として、マンションの1室を宿泊施設にするところも出てくると思うのですね。その際にちょっとお聞きしたいのですけれども、ガイドラインでは区分所有におけるマンションでやる場合には管理組合の管理規約に民泊を禁止する定めがないことを確認することと記載されています。こういうケースはどうなるか、ちょっとお聞きしたいと思います。例えば届け出時において規約には民泊を禁止する条項がなかったと、決議もしてないと、しかし、事業者としてはいいですよということで言われたので届け出をしたと。事業者としては受理されたと。その後、民泊は問題があるとマンション内に禁止しようとする動きが出てきて総会で禁止されたといったことで、事業者はもう既に届け出をしていると、だけれども後から規約上禁止になってしまったと。この場合、住宅宿泊事業法は特別法だからマンションの規約よりも上で届け出が優先されるのか、あるいはマンションの規約が優先されるのか、どっちなのかちょっとお伺いできますか。

健康部長

上とか下とかというのではなくて、届け出時について、マンションなどの共同住宅における住宅宿泊事業の届け出については、住宅宿泊事業を営むことを禁止していないことについて規定している管理規約の写しを必要としております。管理規約に住宅宿泊事業を営むことに関する規定がない場合、こういった場合はその管理規約の写しとともに当該マンションの管理組合が住宅宿泊事業を営むことを禁止する旨の意思がないということを確認する書面を提出していただくということになっておりますので、そういったことを私どもはチェックしようと思っております。

米山真吾

僕が言っているのは、要するに届け出のときはそれでよかったのですけれども、その後ちょっと何か問題があって、マンションの管理組合として、いや、それはちょっと問題だから禁止するといったときに、片一方は受理されていますからどっちが優先されるのかというのをちょっとお聞きしたい。なぜかというと、特にこの葛飾区の小規模、中規模のマンション、例えば20戸、30戸のマンションについては、なかなか管理組合も機能しないところもあると思いますし、なかなか周知も伝わってないところも私はあると思うのです。ですから、後々こういった問題が起きたときにどういった対応をされるかだけ、ちょっとだけお聞かせ願いたいのです。

健康部長

 先ほども申しましたとおり、規約がない場合はそこの、やはり管理組合の禁止するということを、意思がないよということを出していただきますので、それ以後、やはりうちのマンションではやらないことにしようよという話になると、ある程度、民民で解決していただくという形になるのではないかなと思っております。

米山真吾

なかなかそれはちょっと難しいのではないですかね、行政がある程度道筋をつけていただかないとなかなか、多分そういったところが出てくる可能性が私はあるのではないかなと思うのですよ。だから、ちょっとそこはぜひ検討していただいて判断をしていただけるようにしていただければと思います。  ちょっともう時間がないので、最後、質問させていただきます。  今、他区も民泊については条例制定の動きをしています。23区中18区が条例制定をしていくのですが、5区、本区、葛飾区を含めて5区は規制をかけない方向で動いています。この条例制定の動きを見ると幾つかポイントがあって、一つ目は住居地域、そういったところの規制、それからもう1点は家主不在型の規制、この2点になるのですけれども、本区として今後、苦情対応が出てくる可能性が非常に高いと思いますので、今後こういったものについて規制していくようなお考えがあるのかどうかだけ教えてください。

健康部長

法律によれば、生活環境の悪化を防止する目的で合理的に認められる範囲内ということで、政令の定めにより条例で区域を定め期間を制限することができるとなっております。そこで、本区といたしましてはいろいろこれまでの苦情等も勘案し、地域が特段ここのところが多いとか住専のところで多いとかということもないし、合理的な理由をなかなか定められないということで、現時点ではそういう条例で制限するということは想定しておりません。区といたしましては、この法律が施行され、確実に届け出を受け、今まではそういう法律がなかったですからどこに何があるかわからないという現状だったのが、届け出を受け、適正に指導し、良質な民泊であれば観光や地域振興にもなるということですので、まずはその実態を見きわめていきたいとは思っておりますが、必要に応じガイドラインを厳しくするとか、また、区民の声をお聞きしながら地域や期間を定めて制限するということも今後はある可能性はあります。  以上です。

米山真吾

もう時間がありませんので、最後に求めたいのは、まずマンション等への民泊新法の周知、それから窓口対応の強化をお願いしたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。

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