ぜひご一読願えれば幸いです。
米山真吾 ○お許しをいただきまして、私は、かつしか区民連合を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い、区長並びに関係部長に質問するものであります。 まず初めに、令和2年度当初予算案及び今後の財政運営の在り方について伺います。 令和2年度の一般会計予算は2,049億円となり、前年度より4.5%の伸びとなりましたが、歳入構造に変化が起きたのではないかと感じています。特別区税の8億円増や消費税引上げに伴う地方消費税交付金が26億円増を見込む中で、財政調整交付金は市町村民税法人分の一部国税化などの不合理な税制改正によって42億円の大幅減収が見込まれ、一般財源の落ち込み分を今回、財政調整基金から10億円の繰入れをいたしました。これは、平成23年に取り崩して以来9年ぶりの取崩しとなりました。 歳出面を見ると、会計年度任用職員制度のスタートや扶助費の増加などによって、一般会計予算の構成比として義務的経費が53.6%を占めています。また、現在、国のほうでは、雇用と年金の接続ということで、国家公務員の定年制60歳から65歳への延長に関して検討がなされています。成立すれば地方公務員も同様になると考えます。将来的に人件費の増加も念頭に置かなくてはならないものと思います。 後期実施計画の財政フレームでは、2020年度は特別区交付金の額は786億円と見込んでいましたが、当初予算で715億円と大きく下振れしています。2022年度までの財政フレームの中で、2021年度が742億円と厳しめに見ておりましたが、それを下回る状況になっています。基金の繰入れも財政フレーム上は113億円ですが、2020年度の予算案では131億円で、18億円ほどの乖離が出てきています。 予想より厳しい流れの中で義務的経費等が増える傾向が高まれば、財政は硬直化してきますので投資的な施策が打ちにくくなってきます。今後、歳入減と歳出増の傾向が恒常的に続くとするならば、行政改革に積極的に取り組み、予算の適正配分に慎重に向き合わなければならないと考えます。 そこで質問をいたします。 1、令和2年度予算編成に当たっての区の取組方針を伺いたいと思います。 2、歳入面において、後期実施計画の財政フレームから下振れが起きている要因は何か。今後、歳入減、歳出増の傾向が高まる可能性があります。義務的経費の増も見込まれる中、今後の財政の在り方について区の見解を伺いたいと思います。 3、財政調整基金は、「経済事情の変動に伴う不足財源の補充の他緊急を要し、又は必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てる」こととなっております。当初予算関係資料の取崩し計画では、令和2年度は10億円、3年度は39億円、4年度は25億8,000万円と取崩し額が増える計画になっています。令和元年度の残高が146億円で、4年度には75.5億円となり、3年間で残高としては半減することになります。恒常的な減収であれば、財調基金の取崩しの対応だけではなくて、区長を先頭に行革などの推進を積極的に図るべきではないかと考えますが、どうでしょうか。 4、新基本構想の基本的な方向性に先進技術の活用が記載されていることや、来年度策定予定のICT推進計画を念頭に、全庁的にAI・RPAやドローンの活用などを積極的に展開して、業務効率化やコストダウン、また、住民サービスのさらなる向上を図る計画を策定すべきと考えるがどうか。 次に、新型コロナウイルスへの対応について伺います。 現在、新型コロナウイルスに関しては連日報道がなされているところでありますが、本区においても帰国者・接触者電話相談窓口の設置や、広報かつしかでも正確な情報を入手するよう注意喚起や予防の勧奨など対応をしていただいております。情報提供の在り方については個人情報や人権の問題など判断が難しい面がありますが、区民の不安解消をしていくには適切な情報提供や区の取組などを積極的に発信することが重要だと思います。また、危機管理は最悪の事態を想定し対応することが基本となりますので、もし区民の方で感染した方が出た場合どのように対応していくかが重要になります。 そこで質問をいたします。 1、現段階での区としての新型コロナウイルスに対する総合的な対策を伺うとともに、電話相談窓口設置後の相談件数の状況や相談内容、相談受け付け後の対応、また、小中学校等の児童・生徒などへの調査や対応状況など伺いたい。 2、区が現段階でどのような対応や取組をしているのか知ることで区民の不安解消にもつながるものと考えます。区の取組を積極的に情報発信する必要があると考えるが、区の見解を伺いたいと思います。 3、感染者が出た可能性を含めて、区としてどのような対応を取られるのか、現段階での区の考えを伺いたいと思います。また、今後、集会やイベント等の開催の可否を自治体として判断しなければならないケースが出てくる可能性があります。区の見解を伺いたいと思います。 次に、都市計画マスタープランと新金貨物線旅客化について伺います。 今定例会において、葛飾区新金貨物線旅客化整備基金条例が上程されるとともに、一般会計補正予算に10億円の積立金が計上され、今後、着実に積立てを行っていくと聞いております。新金貨物線旅客化を早期実現するために基金を設置することは、区内外に積極的な姿勢を示す意味もあり、評価したいと思います。 一方、平成15年度の調査に基づく検討結果を受け、長期構想路線と位置づけられていた新金貨物線は、平成23年策定の葛飾区都市計画マスタープランにおいて南北交通の充実を図るストックとして活用を検討するとされました。このため、平成29年度に公共交通網の調査検討の一つとして検討が再開されるまでの間、新金貨物線旅客化の検討は具体的に進捗しておらず、都市計画の観点からすると新金貨物線を念頭に置いたまちづくりの議論が進んでおりません。 昨年3月に取りまとめられた検討資料によりますと、需要予測の前提条件として7駅案と10駅案が示されておりますが、この中で駅周辺のまちづくりとして議論が進んでいるのが金町・高砂・新小岩であります。各駅によってまちづくりの進捗は違いますが、基金の設置により新金貨物線旅客化が実現に向けて動き出すわけでありますから、現段階において地域の皆さんと議論が進んでいる駅周辺のまちづくりに対して、新金貨物線の旅客化がもたらす効果をどのように取り入れていくかが今後の課題になると考えます。 また、新金貨物線の旅客化は、現在、金町-新小岩駅間の地域内交通として検討が進められていると認識しておりますが、新金貨物線は江東区の越中島への貨物路線と接続されており、江東区は、この越中島貨物線を活用した亀戸-新木場間のLRT整備構想について平成15年度に調査を行っています。江東区の調査では、新金貨物線との接続にも触れられており、交通利便性のさらなる向上が見込まれるとされております。新金貨物線の旅客化と亀戸-新木場間のLRT構想が連携することにより、本区の南の玄関口である新小岩から新木場で乗り換えて、お台場方面に通じる新たなルートの創出にもつながります。新金貨物線旅客化について実現の可能性が高いところから進めていくという区の方向性について異論はありませんが、さらに一歩踏み込んで、将来的には江東区の亀戸-新木場間のLRT構想との接続を視野に入れ、江東区と連携を図りながら検討を進めていく必要もあるのではないかと考えます。 さらに、新金貨物線の旅客化の実現に向けては、法令や制度との整合を図ることのほか、資金確保の側面においても国や都の協力が不可欠です。今後、実現に向けて様々な視点から取り組む必要があると考えます。 そこで質問をいたします。 1、新金貨物線旅客化を実現するためには国や都の理解や協力が不可欠であると考えられますが、今後どのような協議をしていく必要があるのか伺いたい。 2、区民のさらなる利便性の向上を図るため、江東区と連携しながら取り組む必要があると考えるがどうか。 3、新金貨物線旅客化がまちづくりにもたらす効果についてどのように考えているのか伺いたい。 4、都市計画マスタープランにおいて、新金貨物線については中長期的な都市のストックとしての活用を検討するとしているため、駅周辺のまちづくりにおいて、新金線については議論されていません。基金を創設し実現に向けて踏み出す中で、現在進んでいる駅周辺のまちづくりに議論を加える必要があると思うがどうか。 5、新金貨物線旅客化の今後の取組について伺いたい。 次に、葛飾区教育振興基本計画について伺います。 葛飾区教育振興基本計画は、かつしか教育プラン2014策定以降における区の教育を取り巻く現状と課題を整理して、課題解決のために2019年度よりスタートいたしました。自信と誇りあふれる人づくりを進めるために、4つの基本方針を掲げています。 基本方針1では、生きる力を育む、質の高い学校教育を推進するため、学力の確実な定着や体力向上の取組を進めるわけですが、学力については、全国学力・学習状況調査では、小学校では目標を達成して全国の平均正答率を超えることができましたが、中学校では目標に至っていないことが課題です。また、体力については、東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査では、小学校は東京都平均を上回り、中学校は東京都平均を下回っています。小中学校ともに体力合計点は毎年向上しているものの、目標を達成していないことが課題です。 区では、これらの課題を解消するためにチャレンジ検定や葛飾学力伸び伸びプラン、かつしかっ子チャレンジなどの事業を行っていますが、チャレンジ検定については、合格率は小学校が99%、中学校は93%となっていますが、教員側ではチャレンジ検定の実施に対する効果があるかどうかの意識調査で「大いに効果がある」、「やや効果がある」割合が51.7%にとどまっていることから、事業内容を分析し精度を上げる必要があるのではないかと考えます。 そこで質問をいたします。 1、学力・体力向上に向けてそれぞれ取組の充実を掲げていますが、学力・体力で目標に達していない部分やチャレンジ検定の教員側の意識調査などには課題が見受けられます。区の課題認識を伺うとともに、これらに対してどのような改善策を実施し、さらに充実させ結果に結びつけるか、具体的な取組を伺いたい。 基本方針2では、子供の健全育成に向けて、家庭・地域・学校が協働して取り組むとあります。特にわくわくチャレンジ広場については、学年の異なる児童同士の交流や地域との交流、保護者も安心できる場所になっており肯定的な意見が多い状況にあります。また、学童保育クラブの設置については、学校敷地内への設置を推進し、さらに学校施設を活用し、学童保育クラブ事業やわくチャレといった枠組みにとらわれることなく放課後等に全ての児童が一緒に過ごすことができる環境を整備していくとしています。しかし、学童保育クラブについては、昨年、議会でも待機児童の解消を訴える保護者から請願が提出された経緯もあり、区としても取組を実施していることは承知しておりますが、学童保育クラブの拡充については申請状況や待機状況などを鑑みながら適切に対応することが必要であり、対策は急務です。 学童保育とわくチャレは位置づけや目的が違いますが、保護者の中には、わくチャレが三季休業日に実施されないため学童保育を選択するという方もいるようです。三季休業日のわくチャレの実施については以前から保護者から実施してほしいとの声もあり、三季休業中に実施することによって、わくチャレを選択する保護者も増えるのではないかと考えます。位置づけや目的は違いますが、保護者のニーズに応えることにより、学童保育の待機児童の課題も一方で改善が見込まれるのではないかと考えます。 昨年、夏季休業日のわくわくチャレンジ広場、サマーチャレンジの実施を二上・宝木塚・半田小学校の3校で行い、来年度についても3校予定されております。また、新たにわくチャレの充実の一環として、通年での実施を来年度、二上小学校と中青戸小学校の2校が予定されておりますが、これらの取組については評価をしています。今後、子供たちの放課後の活動の支援をどのようにしていくか、様々な視点から積極的に取り組んでいただきたいと思います。 そこで質問をいたします。 1、教育委員会は、学校施設を活用した放課後子ども支援事業として、昨年、夏季休業期間中に新たな取組を行いましたが、試行実施の効果を教育委員会はどのように捉えているか、見解を伺いたい。 2、来年度、二上小学校・中青戸小学校の2校においてわくチャレの運営の一部を委託する計画がありますが、この取組の目的と効果をどのように考えているのか。 3、学童保育クラブの申請状況やそれに伴う受入れ状況の予測などを伺うとともに、定数の拡充、サマーチャレンジの実施など、この課題に対応する区の取組と今後の対策を具体的に伺いたい。また、将来の方向性も伺いたい。 基本方針3では、連続する学びの場の充実として、幼保小中高連携を掲げています。その先駆けとして、小中一貫校として平成23年4月に新小岩学園、翌24年4月に高砂けやき学園が開校いたしました。この小中一貫教育の狙いは、中一ギャップの解消、9年間を見据えたきめ細かな教育による確かな学力の向上、小中学生が交流や行事を共にすることによる豊かな人間性の育成にあります。小中一貫教育がスタートしてから9年が経過し、9年前に小学1年生として入学した子供が小中一貫教育を受け、今年3月に中学校を卒業いたします。どのような子供たちに成長してくれたのか、この間どのような取組を実施し、特に3つの狙いの成果がどうであったのか検証する時期になったのではないかと思います。基本方針が述べているとおり、連続する学びの場の充実は非常に大事だと思います。子供一人一人を切れ目なく育成していくことは重要であります。引き続き、小中一貫教育の成果を生かして効果的に連携教育を進めていただきたいと考えます。 そこで質問いたします。 1、小中一貫教育がスタートして9年が経過します。小中一貫教育の狙いである、中一ギャップの解消、確かな学力の向上、豊かな人間性の向上の成果を検証する必要があると考えます。この間の取組と成果を伺うとともに、今後の連携教育へどう生かしていくか伺いたいと思います。 2、幼保小中高連携教育を掲げていますが、円滑な接続を行うための取組や課題などを伺いたい。また、改善策を含めた今後の取組や方向性を伺いたい。 以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(青木克德区長) 米山議員の御質問にお答えいたします。 初めに、令和2年度当初予算案及び今後の財政運営の在り方について、予算編成の取組方針についてお答えいたします。 このたびの令和2年度一般会計当初予算案は、前年度と比べ、金額で87億6,000万円、率で4.5%上回る2,049億1,000万円となったところでございます。予算編成の取組方針でございますが、一般会計の予算編成に当たっては、後期実施計画に掲げる14の重要プロジェクトを中心に重点的に予算配分をしたところでございます。具体的には、令和2年度も引き続き、保育所の待機児童解消への取組として子育て環境の充実や区立学校の改築・改修を着実に進めました。また、ICTを活用した教育情報化の推進による教育環境の充実、昨年発生した台風の脅威から学んだ区民の関心が高い災害対応力の強化への取組、金町駅周辺をはじめとした活力あるまちづくりの推進、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えスポーツに親しめる機会を創出する取組など、様々な区民ニーズと時代の要請に的確に応える予算案といたしました。そのほか、区内企業と連携し、働く世代への総合的な健康づくり支援や、公共交通の充実に向けた取組として新金貨物線旅客化の検討など、住んでよかった、住んでみたいと思える夢と誇りあるふるさと葛飾の実現に向けて積極的に取り組んだものでございます。 次に、財政調整基金の取崩しの対応だけでなく、区長を先頭に行革などの推進を積極的に図るべきとの御質問にお答えいたします。 お話にありますとおり、当初予算関係資料の基金取崩し計画では、令和3年度から4年度には毎年度ごとの事業の進捗に対して不足する財源について、年度間の財政調整を図る役割として財政調整基金からの取崩しを令和2年度以上に予定しているところでございます。財政調整基金は、経済変動に伴う減収や真に必要とされる事情が生じた場合に活用するものと考えておりますが、恒常的な減収に対しての取崩しはふさわしくないと考えております。今後、中長期的には人口が減少していく中、少子高齢化により社会保障費が増大する一方で税収には期待できないことから、これからも一層サービスの質を維持しながらコストの削減を図ることが必要になってまいります。 区はこれまでも、不断の事務事業の見直しや区有財産の有効活用などの経営改革の取組により財源の確保に取り組んでまいりました。こうした取組をより徹底していくとともに、職員一人一人がこれまで以上にコスト意識を高めて施策の立案に取り組んでいく必要があります。また、全庁的に業務を進めるに当たっては、AIやRPAなどICT技術やツールを積極的に活用し、効率的な働き方を推進していくことも重要です。今後、大幅な歳入増が期待できない中、区民サービスを維持・発展していくため安定した財政運営を行えるよう、経営改革本部等の場を通じて経営改革の取組を強化してまいります。 以上です。 ○田口浩信政策経営部長 歳入面で財政フレームから下振れが起きている要因及び今後の財政の在り方についての御質問にお答えいたします。 歳入面における下振れの要因は、特別区交付金において、原資である市町村民税法人分の一部国税化の影響により大幅に減収したことだと考えてございます。後期実施計画でもあらかじめこの影響を見込んでいたものの、来年度の東京都の税収見込みが想定以上に減収となり、財政フレームから下振れしたものと考えてございます。こうした特別区交付金の落ち込みは、景気が上向いていかなければ、この水準で推移するものと考えてございます。一方、今後、少子高齢化の一層の進展による福祉サービス費や医療費の増大、切れ目のない子育て支援策などの社会保障費の増大とともに、学校をはじめとする公共施設の更新需要や駅周辺再開発などのまちづくり事業が本格化する中で、投資的経費も高水準で推移してまいります。このような状況の中で、今後、区民サービスの水準を維持・向上させていくためには、安定した財政基盤を維持していくことが必要となります。このため、今までも行ってまいりました毎年度の計画的な基金積み増しや起債発行の抑制、不断の事務事業の見直しなどの財政対応力の取組を今後はさらに強化してまいります。 次に、全庁的にAI・RPAやドローンなどを積極的に活用して、業務効率化やコストダウン、また、住民サービスのさらなる向上を図る計画を策定すべきとの御質問にお答えいたします。 区では現在、平成28年3月に策定し、昨年3月に見直しを行った葛飾区ICT推進計画2016に基づき、各種のICT施策を推進してございます。この計画は、葛飾区基本計画を上位計画とし、区の情報化を推進するための個別計画として位置づけられてございます。この計画には、急速に進展するICT環境の変化に的確に対応し、おもてなしサービスとスピードアップに取り組むため、いつでも、どこでも、誰でも利用できるICTサービスや、ICTを活用した行政事務の効率化など4つの基本方針を掲げています。この基本方針に基づき、業務自動化ツールの活用やドローンの活用拡大、VRの活用拡大など具体的な事業を掲げ取り組んでまいりました。 葛飾区ICT推進計画2016は、令和2年度が計画の最終年度であることから、現在、令和3年度を初年度とする次期計画の策定を検討してございます。今回、新たに策定する基本構想の方向性の一つとして、日進月歩で進化する先進技術を最大限に活用することにより洗練された質の高い生活を送れる街を目指すことを掲げてございます。行政分野においても、先進技術を最大限に活用することにより区民サービスの向上や業務の効率化などが図れるものと考えております。葛飾区ICT推進計画は、基本構想及び基本計画の下位計画であることからも、その方向性を踏まえ、次期ICT推進計画においてはこれまで以上に積極的に先進技術を活用していく必要があると考えてございます。特に、人工知能でございますAIやパソコン入力業務の自動化技術であるRPAなどは、特定の課に限らず全庁的に活用できるものであります。今年の3月には、全庁的に利用できる財務会計システムの支出命令の一部業務においてRPAを導入する予定でございます。ほかにも全庁的に活用できる先進技術については積極的に活用を図っていきたいと考えてございます。このように、次期ICT推進計画においては全庁的に先進技術を積極的に展開し、区民サービスのさらなる向上や業務の効率化等を図る計画としていきたいと考えてございます。 以上です。 ○青木克德区長 次に、新型コロナウイルスへの対応についての御質問のうち、現段階での区としての総合的な対策についての御質問にお答えいたします。 区では、新型コロナウイルス対策について、庁内各部が連携し、総合的な対策を迅速に推進するため、1月31日に新型コロナウイルスに関する危機管理対策本部を設置いたしました。本部会議を適宜開催し、新型コロナウイルスの感染状況や各部での対応状況を共有しております。これまで、専用相談電話や帰国者・接触者電話相談センターの設置などを決定、実施しております。また、区の方針として、手洗いの徹底や、せきエチケットなどの通常の感染症対策を取るよう正確な情報を区民に発信していくこと、区民からの相談に的確に対応できる体制をさらに充実させていくこと、国や東京都、医療機関と連携して感染拡大防止に当たることを各部で共有しております。今後も、この危機管理対策本部を適宜開催し、新型コロナウイルスに対する総合的な対策を実施してまいります。 以上です。 ○吉田 眞危機管理・防災担当部長 電話相談窓口設置後の相談件数の状況や、相談内容、相談受け付け後の対応状況についての御質問にお答えいたします。 まず、新型コロナウイルス感染症に関する相談件数ですが、専用相談電話の設置前には保健所や保健センターで182件受けております。設置後の2月5日から2月24日までは446件で、都内で感染が報道されてからは増加傾向にございます。 相談内容では、この疾患の予防方法や、湖北省や浙江省以外の地域から帰ってきた方が症状がないにもかかわらず会社から保健所で検査するよう言われたこと、中国から帰国または渡航歴はないが、発熱あるいはせきがあるため新型コロナウイルスの感染を検査してほしいといったものが大半を占めてございます。 なお、このような相談に対しては、国の最新の情報を基に適切に対応できるよう丁寧に説明し、相談者の不安を軽減できるよう努めております。 次に、小中学校等の児童・生徒などへの調査や対応状況などについての御質問にお答えいたします。 教育委員会は、区立小中学校・幼稚園の児童・生徒などについて、中国からの帰国状況と健康観察に関する調査を行っております。その結果、本年1月以降に中国から帰国した児童・生徒数は66名であります。これらの児童・生徒については、2月20日現在、全員帰国後2週間を経過しており、いずれも発症していないとの報告を受けております。 児童・生徒などへの対応につきましては、国内での感染状況が変化する中で、適時、文部科学省からの通知を区立学校等へ通知しており、学校等を通じて保護者への周知も行っております。現在は、文部科学省の2月18日付の通知に基づきまして、発熱や風邪の症状のある児童・生徒に対しては、感染拡大防止のため学校等から自宅休養の指導をしているところでございます。 次に、区の取組を積極的に情報発信する必要があるとの御質問にお答えいたします。 連日の報道により、国内及び都内で新たな感染者が判明しており、区民の不安がさらに増すことが懸念されます。区は、帰国者・接触者電話相談センターの設置など、危機管理対策本部会議で決定した内容を適宜、区ホームページに掲載し、区民に向けて積極的に情報発信いたしております。加えて、手洗い・せきエチケットなどをイラスト入りで分かりやすく紹介し、通常の感染症対策に努めていただくよう冷静な対応を呼びかけております。 今後も、区といたしましては、分かりやすく正確な情報を、区ホームページや広報かつしか、安全・安心情報メールなどの様々な情報発信ツールにより適時適切に発信することで、区民の不安を和らげてまいります。 次に、感染者が出た場合、区としてどのような対応を取るのかについての御質問にお答えいたします。 本区も含めて都内で感染者が発生した場合は、感染者の人権と個人情報を保護し、東京都が窓口となり発生状況を公表することとしております。また、区は、感染症法にのっとり、感染症指定病院等に入院勧告を行うことで感染者を隔離いたします。さらに、感染者の接触者調査を行い、調査で判明した濃厚接触者について、外出を控えていただくことや14日間の健康観察をお願いしていくこととなります。今後も、国や東京都からの最新の情報と通知に基づき、新型コロナウイルス感染症の発生段階に応じた感染拡大防止の取組を実施してまいります。 次に、集会やイベント等の開催可否への区の見解についての御質問にお答え申し上げます。 イベントの開催について、厚生労働省は、それぞれのイベント主催者によって適切に判断することになるとの見解を示しています。その上で、開催する場合は、風邪の症状がある方の参加を控えることや、手洗いの励行、せきエチケットを呼びかけています。また、文部科学省は、卒業式などの学校行事については一律に中止を求めることは今の段階では考えていないとしております。区といたしましては、現時点では、イベントを一律に中止するのではなく、イベントの規模・内容・会場を勘案した上で、個別に内容の変更・縮小・実施の可否について判断していきたいと考えております。 現在、新型コロナウイルスの発生状況は、厚生労働省では感染拡大の移行期との見解を示しております。今後、厚生労働省の発生状況についての見解や、国や東京都から示されるイベント開催についての方針等を随時注視しながら、感染状況を踏まえた適切な対応について引き続き検討してまいります。 以上でございます。 ○青木克德区長 次に、都市計画マスタープランと新金貨物線旅客化について、国や都との今後の協議についての御質問にお答えいたします。 新金貨物線の旅客化につきましては、国道6号との平面交差など技術的な課題の解決に向けて、関係機関と協議しながら検討を進めております。事業化に向けた具体的な協議につきましては、様々な課題の解決とともに、関係機関との合意が図られた段階で進めることとなります。事業化の手順といたしましては、金町や新小岩のまちづくりの進展など事業の背景や必要性、事業目的を明確にした上で、国土交通省の基準に基づき事業効果や費用便益及び採算性の分析などを行い、その結果、国に事業効果が認められることで採択されることとなります。また、事業への補助制度の活用に当たりましては、区の都市計画マスタープランの位置づけや都の上位計画との整合など、国や都の理解が不可欠となります。このような技術的な課題とともに、法的な位置づけや事業性の向上など課題の解決を図り、事業化に向けて、積極的に取り組んでまいります。 次に、新金貨物線旅客化がまちづくりにもたらす効果についての御質問にお答えいたします。 新金貨物線は、区の南北の拠点である金町と新小岩を結び、さらに今後、連続立体交差事業とともに大きな開発が期待される高砂を経由する路線であり、旅客化により新たな人の移動が創出され、これら拠点駅を中心に沿線にさらなるにぎわいをもたらすものと考えております。平成30年度に実施した需要予測では、1日当たりの輸送人員は、10駅とした場合おおむね4万人の利用者が見込める結果となりました。また、旅客化により、沿線では土地利用転換やまちづくりが促されるとともに、貨物線への旅客車両運行という話題性による観光客の誘致など、さらなる需要の増加を期待しております。このように、新金貨物線の旅客化は、沿線のみならず本区全体のまちづくりや活性化に大きな効果をもたらすものであり、早期実現に向けた取組を今後も着実に進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○杉本一富交通・都市施設担当部長 江東区との連携についての御質問にお答えいたします。 新金貨物線の旅客化につきましては、区の南北の拠点である金町と新小岩を結ぶ地域公共交通として検討を進めております。お話の越中島貨物線を活用した亀戸~新木場間のLRT整備構想につきましては、事業化には手厚い公的支援が必要との過年度の調査結果を受け、江東区は長期的な構想計画に位置づけております。また、国の交通政策審議会答申において事業性が高く評価されている地下鉄8号線の豊洲~住吉間の延伸について、重要施策として注力していると聞いております。新金貨物線の旅客化と江東区のLRT構想との接続は、本区が亀戸や新木場、臨海地域へとつながり、区民の利便性が向上するとともに、両路線の沿線地域の活性化に資するものであります。 区といたしましては、まず、新金貨物線旅客化の実現に向けて着実に取り組むとともに、両路線の接続など地域間ネットワークの在り方につきましては、江東区と連携し情報共有を図ってまいります。 次に、駅周辺のまちづくりに議論を加えることについての御質問にお答えいたします。 新金貨物線の旅客化の検討とともに、結節点となる駅周辺のまちづくりに合わせて議論することは大変重要であると認識しております。新金貨物線の沿線には、金町、高砂、新小岩の交通結節点があります。高砂におきましては、現在、連続立体交差事業の実現に注力しておりますが、新金貨物線旅客化の進捗に合わせ、高砂駅周辺のまちづくりにおいても京成高砂駅との乗換えの利便性を高める方策などを検討することが重要であります。また、旅客化の起終点である金町や新小岩につきましても、駅舎の位置などが駅周辺の街のにぎわいに関連いたします。こうしたことから、新金貨物線の旅客化と駅周辺のまちづくり検討の熟度に応じて、連携した検討を進めてまいります。 次に、新金貨物線旅客化の今後の取組についての御質問にお答えいたします。 旅客化につきましては、現在、国道6号などの踏切道路との交差方式について技術的な検討を進めております。国道6号の踏切では、旅客列車を踏切の手前で停車させ、国道6号の赤信号の時間内に列車を通過させる方法の可能性、また、国道6号を除く14カ所の踏切については、踏切の遮断時間の増加による周辺交通への影響について国や警視庁などと協議をしているところでございます。協議におきましては、貨物列車と旅客列車との異なる保安システムによる運行が難しい部分もあるほか、国道6号の道路信号による平面交差方式は、鉄道事業法による事例がないこと、鉄道事業法に関する技術基準との整合や踏切における安全の確保など、より詳細な検証が必要であるとの指摘がありました。こうしたことから、今後も、引き続き平面交差における課題の解決に努めるとともに、国道6号以北を除く区間を段階的に整備する方法や新交通方式の導入による新たな旅客化の可能性など多角的な検討を行い、今後の方向性を定めてまいります。 以上です。 ○小花高子教育長 葛飾区教育振興基本計画についての御質問のうち、本区における学力・体力向上についての御質問にお答えいたします。 学力については、全国学力・学習状況調査において、小学校は全国平均を上回っている一方、中学校は全国平均を下回っており、文章を読み取る力や根拠を説明する力に課題がございます。体力については、東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査において、小学校は全学年において東京都の平均を上回っている一方、中学校は1年生女子を除いて平均を下回っております。また、チャレンジ検定の実施に対する効果についての調査において、肯定的な回答をした教員の割合が低い結果になっており、実施内容や方法について課題があると認識しております。 学力・体力を向上させるためには、各学校長が自校の調査結果の分析・検証を基に、各校において授業の改善に具体的に取り組み、教員の授業力を向上させていくことが何より重要と考えております。また、大型提示装置や児童・生徒用のタブレット端末などのICT機器をより一層活用した分かりやすい授業を推進することも必要であり、今後も指導主事による指導を行ってまいります。さらに、チャレンジ検定については、葛飾スタンダード検討委員会等において、葛飾の子供たちの課題に合った内容や実施方法の改善に向けて取り組んでまいります。 児童・生徒の学力・体力の向上のため、これまで以上に児童・生徒の学習に向かう主体性や意欲の向上に留意して取り組んでまいります。 次に、学童保育クラブの申請状況やそれに伴う受入れ状況の予測、今後の対策、将来の方向性についてお答えいたします。 学童保育クラブの申請状況につきましては、共働き家庭等の児童が増加していることから年々増加傾向にございます。こうした状況に対応するため、学童保育クラブにつきましては、未設置の小学校へ順次整備するとともに、学校改築時や放課後に使用していない諸室を活用して受入れ人数の拡大にも取り組んでまいりました。さらに、夏季休業日の利用を希望している保護者のニーズに応えるため、夏季休業日に学校施設を活用して児童が自主的に活動する場を提供し、その見守りを行う事業としてサマーチャレンジを試行で実施するなど、児童が放課後等を安全・安心に過ごせる環境を増やす取組を行っております。しかしながら、学童保育クラブの申請者数はさらに増加傾向にあり、需要に応じて学童保育クラブを急激に増やすことは、放課後児童支援員の確保等の課題から困難な状況でございます。また、夏季休業日の利用を希望している保護者にとって効果的であるサマーチャレンジの実施校数についても、運営事業者が十分に確保できないため、すぐに増やすことが難しい状況でございます。そのため、わくわくチャレンジ広場の充実を図り、三季休業日も含め通年で利用できるようにすることで放課後等の児童を見守る環境を整備してまいります。引き続き、学校内学童保育クラブの受入れ拡大に着実に取り組むとともに、わくわくチャレンジ広場の充実を図り、安全かつ安心して放課後等を過ごせる環境整備の取組を推進してまいります。 次に、小中一貫教育についての御質問にお答えいたします。 本区では、小中学校の学びの系統性と連続性のある教育を目指し、新小岩学園と高砂けやき学園の2つの学園を中心に、小中学校の教員が連携し、指導方法や共同教材の作成など、研究と実践に力を入れてまいりました。また、行事を通した小学生と中学生の交流や、小学生の中学校の部活動の体験を実施し、確かな学力や豊かな人間性の向上、中学校への円滑な接続に資することができております。高砂けやき学園は、そうした実践を踏まえ、平成27・28年度に「児童・生徒が確かな自信をもてる系統性を重視した指導法のあり方」を研究主題に小中合同研究として取り組み、指導内容・学習内容を共有したことで9年間を見越した意図的・計画的な教育実践につながったことを成果として発表いたしました。また、来年度は、新小岩学園が小中合同研究発表を予定しております。 今後も、小中一貫教育校の研究と実践を継続し、その成果を活用しながら中学校区を中心とした小中連携教育を推進し、学力向上や健全育成などの取組の充実を図ってまいります。 次に、幼保小中高連携教育についての御質問にお答えいたします。 現在、幼児期から高等学校まで円滑に接続できるように、幼稚園・保育園と小学校、小学校と中学校、中学校と高等学校が相互に適切な情報交換や合同研究等を行いながら、幼保小中高連携教育を行っております。 初めに、幼保小連携教育では、園児が小学校の見学や児童との交流を通して小学校への期待感を高めたり、幼稚園及び保育園の教員と小学校の教員が訪問し合う機会を設け、相互に学び合ったりする取組を行っております。また、児童が安心して小学校生活を送れるように、かつしかっ子スタートカリキュラムを作成し、保育園や幼稚園での学びと育ちを踏まえた小学校における指導を計画的に行っております。一方、子供の発達と学びの連続性を踏まえた保育のさらなる充実が課題となっているところから、今後、かつしかっ子就学前教育カリキュラムを作成し、各園で実施することでさらなる充実を図ってまいります。 次に、小中連携教育では、小中学校の教員同士が学習や運動、行事について情報を共有しながら、小学校・中学校での学習方法や指導方法などを共有することにより、学びの系統性と連続性のある教育を実践しております。一方、同じ中学校区内での小学校において、学校生活や学習の決まりが異なる点等で課題があり、小学校が相互に連携を図る必要があると考えております。 次に、中高連携教育では、区内都立高等学校と連携し、進学重点教室や中高連携進路指導説明会、生活指導連絡協議会を実施し、生徒の学力向上や、中学校から高等学校への円滑な接続に向けた取組を行っております。 今後も、幼保小中高連携教育を推進し、学力向上や健全育成などに連続性を保ちながら取り組む体制の充実を図ってまいります。 以上でございます。 ○杉立敏也学校教育担当部長 昨年、夏季休業期間に新たな取組を行ったが、試行実施の効果を教育委員会はどのように捉えているかとの御質問にお答えいたします。 今年度、夏季休業日に学校施設を活用して児童が自主的に活動する場を提供し、その見守りを行う事業としてサマーチャレンジを試行で実施いたしました。実施後のアンケート調査では、学童保育クラブの入会を考えている保護者は約2割、来年度サマーチャレンジが実施されれば学童保育クラブへの入会は考えない保護者は約3割、学童保育クラブの入会を考えていない保護者は約5割との結果でございました。また、小学3年生以上においては、学童保育クラブの入会を考えている保護者は1割未満、来年度サマーチャレンジが実施されれば学童保育クラブへの入会は考えない保護者は約3割、学童保育クラブの入会を考えていない保護者は約7割との結果でございました。 アンケート調査の結果から、夏季休業日に試行実施したサマーチャレンジは、児童が放課後等を安全・安心に過ごすことができる環境整備の取組として効果的であったと考えております。 次に、来年度、二上小学校と中青戸小学校の2校において、わくわくチャレンジ広場の運営を一部委託する取組についての御質問にお答えいたします。 わくわくチャレンジ広場につきましては、これまで各学校における対象学年及び実施日時の拡大を図ってまいりました。しかしながら、近年、児童指導サポーターの高齢化等により、サポーターだけでは対象学年の拡大や三季休業日の実施などへの対応が困難となっております。一方、昨年の夏季休業日に3校で試行実施したサマーチャレンジでは、1校1日当たりの平均参加人数がいずれも50人を超えていたことから、夏季休業日の子供の居場所についての需要が大変多いということが明らかとなりました。こうした点を踏まえ、令和2年度につきましては、二上小学校及び中青戸小学校において、三季休業日の実施や小学1年生まで対象学年の拡大を図るため、わくわくチャレンジ広場の運営の一部を委託し、サポーターと事業者が連携して児童の見守りを行うこととしたものでございます。効果といたしましては、サポーターの負担軽減はもとより、三季休業日の実施や対象学年の拡大を行うことで両校のわくわくチャレンジ広場の登録者数や参加者数が増加し、より多くの児童が放課後等を安全・安心に過ごすことが可能になり、特に夏季休業日の居場所を提供できることになるものと考えております。
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