葛飾区議会議員・一級建築士
米山 真吾 公式オフィシャルサイト
◆ 平成18年度予算審査特別委員会~会議録より
▼ 本年3月3日に行われた平成18年度予算審査特別委員会の総括質疑の模様をお届けします。
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マンション等構造計算書偽造問題
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学童保育クラブ建設
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介護予防
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教育
の四点についての質問です。 ぜひご一読願えれば幸いです。
◆ 平成18年度第2回葛飾区議会定例会~会議録より
▼ 本年6月14日に行われた平成18年度第2回葛飾区議会定例会より、私の一般質問「新小岩・奥戸地域のまちづくりについて」を掲載します。
ぜひご一読願えれば幸いです。
平成18年第2回 葛飾区議会定例会会議録
平成18年6月14日 於 葛飾区議会議場
区政一般質問
(1)新小岩・奥戸地域のまちづくりについて
○米山真吾議員 さきの通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
昨年の第4回、今年の第1回の定例会において、耐震偽造問題、介護予防、教育問題など、葛飾区全体の問題について質問をしてまいりました。
今回はまちづ くりという視点から、地域の範囲を少し絞りまして、私の住む新小岩・奥戸地域のまちづくりについて質問をさせていただきます。
私は長年新小岩で暮らしてまいりましたが、新小岩・奥戸地域はバブル崩壊後の地価下落によって、昭和50年代の地価まで下落をいたしました。
それに伴い大 規模な土地の売却が進み、マンションや戸建て等の住宅の価格も安くなって、東京駅まで20分ほどで行けるアクセスのよさも手伝って、新小岩駅近辺でも 250戸以上の大規模なマンションが続々と建設をされ、新しい住民が多く住むようになりました。
乗降客数も区内主要駅で一番であります。
建築設計や不動産に従事していた中で感じていたことは、新小岩地域の持つポテンシャルは利便性やキャパシティから考えても、錦糸町などに比べても引けをとらないほどの可能性を持っていると私は思っております。
しかし、これだけ多くの人たちが集まり、多くの建築物が建ち並び、街が急速に変わっていく中で、新小岩のまちづくりの対応はおくれております。おくれを取 り戻し、まちづくりの質の向上をしていくことこそ、新小岩・奥戸地域の発展につながり、葛飾区全体も向上していくものと確信しております。
私はまちづくりの質の向上を図るという観点から、三つのポイントから質問させていただきます。
一番目に、駅周辺の整備についてです。
新小岩・奥戸地域は、平成13年に策定された葛飾区都市計画マスタープランでは、地域の将来像として駅周辺の魅力的な広域生活拠点の形成が掲げられてお りますが、現在、進行している整備計画を見ると、東北地区交通広場や都市計画道路補助第330号線など、駅周辺の整備は進んでおりますが、肝心かなめの駅 周辺の拠点である北口の駅前広場は、私が中学生のころから全く変わってなく、いまだ未整備です。現実には、魅力的な広域生活拠点の形成には結びついており ません。
平成17年度区民への政策・施策マーケティング調査報告書では、新小岩地域のまちづくりにおいて、地域特性や地域の実情が生かされたまちづくりが進められ ているかという質問に対し、79%の方がいいえと答えております。
一方、駅周辺が住み、働き、また自由時間を過ごす人にとって、にぎわいのある地域となっ ているかという質問に対し、29.8%がはいと答えております。
この調査結果から、駅周辺のにぎわいはあるが、地域特性や地域の実情に合ったまちづくりは できていないということをあらわしていると思います。
新小岩北口駅前広場には、現在、アスファルトの路面、自転車の進入を防ぐ仮設のさくや暫定的な花壇のボックス、広場中央に位置する電柱などが設置をされ、 雑然としているため心理的にもポイ捨てや放置自転車などを引き起しやすい状況になっており、駅前広場としての回遊性や景観のあり方としても必ずしも十分な ものではありません。私は乗降客数に見合った新小岩駅の顔と言うべき北口駅前の広場の整備をしていくべきだと思います。
北口駅前広場の整備には、私は三つの考え方があると思います。
一番目は、現状の広場形態を維持したままで整備を行う場合ですが、この場合は土地の面積が不足をするため、車両の取りつきが悪く、歩行者専用の広場に切り替えていくことが必要だと考えます。
二番目は、一部隣接権利者より土地を取得して、広場を現状より拡大し、狭いながらも車両を循環できるように整備していくことだと考えます。
三番目は、周辺の建築物を含めた再開発事業という考えになります。
土地の所有権については、大半がJRの所有となっており、区独自で整備できない状況は理解しておりますが、スケールメリットからすると、二番目が現実的な 考え方ではないかと思いますが、これら三つの考え方を踏まえて、今後の北口駅前広場に関する将来像、整備方針、計画などをお聞かせいただきたい。
とはいえ、整備だけではよくなりません。昨年の駅前広場の状況は、放置自転車やポイ捨てが多く、利用者を妨げ、景観も損なわれておりました。私も参加して おりますが、自治会をはじめ、ボランティアの方々が隔週で駅前広場の清掃活動をしております。大変感謝をしております。しかし、一生懸命ボランティアの 方々が清掃をしたときはきれいになりますが、ひどいときには私たちが掃除をして、振り返るともうごみが落ちているという状況もありました。はっきり言って さみしく、残念な気持ちになるわけでございます。
区でもこのボランティア活動と一緒に、葛飾区きれいで清潔なまちをつくる条例の啓発運動を行っておりますが、残念ながら効果があらわれてきているか疑問 です。モラルやマナーの改善を訴えることは大変重要だと私も思いますが、効果があらわれてこない地域に対し、罰則を施行する時期に差しかかってきているの ではないでしょうか。
そこで質問いたします。
葛飾区きれいで清潔なまちをつくる条例の罰則を含めての今後の運用方針、対策など、区の方でどのように考えているのかお聞かせ願いたい。
放置自転車については、5月23日付の日本経済新聞において、新小岩がワースト6位になっている記事が掲載をされました。北口においては、東北地区交通広 場の整備により、自転車対策が進められておりますが、南口は対策がおくれている感が否めません。江戸川区は自転車の買い物利用や通勤通学利用などのニーズ に合わせて買い物券発行などの手法を用いて商店街と連携をしたり、並行して地下化による駐輪場整備などを行っておりますが、本区において放置自転車対策の 今後の方針、整備計画などをお伺いしたい。
次に、西井堀の景観整備について質問をいたします。
都市計画マスタープランにおいて、西井堀の水と緑のネットワークの形成が掲げられ、地区の景観軸として整備し、重要な地域の軸としてとらえております。 しかし、西井堀の中核である西井堀せせらぎパークは人工物が多く、景観が分断されており、たつみ橋から新小岩公園までの水と緑のネットワークは未整備であ り、景観整備が不十分であります。マーケティング調査でも、緑の豊かさを感じるかという質問に対し、奥戸、新小岩地区では65.9%が感じないとなってお り、緑化不足を感じております。
心のやすらぎやゆとりのあるまちづくりを行っていく上で、緑は欠かせません。しかし、ただ植えればいいというわけではありません。世界的にも有名でござ います建築家の安藤忠雄氏は、千葉幕張に505本の桜をびっしりと植えたさくら広場という公園を設計いたしました。これは地球環境との共存や都市景観とい う観点だけではなく、桜をきっかけに日本が美しい国だと知ってほしい、自然は美しいなと思う子供が増えてくれればという子供たちへの思いが詰まっておりま す。
私も公園や緑道のあり方は、自然を通して心のやすらぎやゆとりの生まれるようなメッセージを発信する景観整備をする必要があると考えます。しかし、西井 堀の中核であるせせらぎパークは人工物が多く、人々に有効に利用されているとは言いがたい状態であります。原因の一つとして、植樹された樹木の数、種類、 高木の不足が挙げられます。木陰ができないことにより、この空間において滞留しようという行動が心理的に起きにくいと考えられます。
行政視察で訪れた仙台市にも同じような公園がありましたが、その公園は樹木の種類や高木も多く、保育園児が自然を通じて遊んでおりました。西井堀せせらぎ パークもそうあるべきだと思います。樹木の種類も常緑樹だけではなく、桜なども植えることによって、西井堀及び西井堀せせらぎパークから新小岩公園まで続 く四季折々の緑のネットワークが創生され、環境に配慮した生き生きとした街という将来像に近づくことになると考えます。
そこで質問いたします。
西井堀せせらぎパーク、ほかの西井堀も含みますが、において植樹の増加、また樹木の変更、移動などをしてはどうでしょうか。奥戸、新小岩地域、西井堀を含みます水と緑のネットワークの進捗状況、今後の具体的な構想及び実施計画等をお聞かせ願いたい。
次に、中川七曲堤防の災害対策について質問いたします。
新小岩・奥戸地域は、ご存じのとおりゼロメートル地帯となっておりまして、水害の危険と隣り合わせであり、それを守っているのが中川七曲のかみそり型堤 防でございます。この堤防は、関東大震災クラスの揺れが来ても耐えられるような設計がされているとのことですが、阪神・淡路大震災においても、護岸が崩壊 するという事例がありました。崩壊の原因は揺れではなく、液状化による沈下崩壊にあるとされています。
テレビでも放映されましたが、早稲田大学理工学部が東京湾北部地震を想定してシミュレーションしたところ、中川七曲堤防のくいの先端まで液状化が起こり、 かみそり堤防が沈下崩壊する可能性があるとの報告がされております。沈下崩壊すると、堤防を支えていたくいがずれたり、折れたりしてしまいます。そうしま すと、堤防が傾き出します。そうしますと、岸辺を固めていた一部の堤防の異変により、周辺の地盤が川に吸いよせられていき、街並みごと動く、いわゆる側方 流動という現象が起こります。その際に起こる最大沈下量は2.9メートルに及ぶと想定されております。多くの建物が重さで沈んでしまうことになります。
沈みながら、川に引き寄せられる地盤の最大の移動量は4.3メートルに達すると言われ、これにより、背後の地盤の圧力によって堤防が転倒する危険性があ り、護岸破壊のケースも考えられ、1カ所でも切れると、人の背丈くらいの水深で洪水のように水が流れ込んできて、その際には、奥戸、新小岩地域が浸水する ことになると想定しております。
そこで質問いたします。
中川七曲堤防が万が一地震での液状化による沈下崩壊が起こった際、堤防の機能が損なわれ、地域に浸水した場合、堤防復旧など東京都との連携やどのような体制やマニュアルをもって対応されるのかお聞きしたい。
次に、スーパー堤防化などの堤防の形態を変えるような働きかけを東京都にしていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。お聞かせ願いたい。
復旧までの間、街の中にある集合住宅や商業施設などと防災協定などを結ぶことによって、万が一の際の避難空間として活用することを積極的に行っていくことと、区民に避難計画等認知をしてもらうことが重要になると思いますが、この点についてお考えをお聞かせいただきたい。
都市基盤や公園整備、災害対策など、まちづくりの質を向上していくことこそが新小岩、奥戸地域発展につながり、ひいては葛飾区全体も向上していくものと確 信しております。どうか行政におかれましては、まちづくりを推進していただきますようお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴あ りがとうございました。(拍手)
○(青木 勇区長)
米山議員のご質問にお答えをいたします。
初めに、きれいで清潔なまちをつくる条例の今後の対策などについてでございます。
区では条例制定後、自治町会等のご協力も得ながら、新小岩駅周辺も含めて区内全駅でポイ捨て防止のキャンペーン活動を行うなど、さまざまな形で条例の周 知活動を行ってまいりました。特に新小岩駅北口では、従前から自治町会が継続的に行っていただいている清掃活動にあわせる形でキャンペーンを行うなどの工 夫もしながら、周知活動を展開してまいったものでございます。
これらの取り組みの効果をはかるために、JR3駅等で行っているポイ捨てと歩行喫煙の実態調査の結果について、条例の施行前と最近の状況とで比較をいたし ますと、区全体ではポイ捨てあるいは歩行喫煙、いずれも約43%減少をしておるわけでございますが、新小岩駅周辺では、ポイ捨ては約7%の減少、歩きたば こは約29%の減少ということで、他の駅周辺に比べますと、改善の効果が低いという結果になっているわけでございます。
そこで、新小岩駅周辺での今後の対策についてでございますが、従前の自治町会や区の取り組みだけではなくて、総合的に取り組みを進めるために、地域美化連絡会といった組織を立ち上げまして、相互に連携協力しながら重点的に取り組みを強化してまいりたいと考えております。
過料というお話が出ました。これらの取り組みの効果を今後十分に見きわめてまいっていく必要がございます。現在、直ちに適用する考えはございません。
次に、新小岩駅北口広場の整備に関する将来像、整備方針、計画等についてのご質問にお答えをいたします。
新小岩北口駅前広場、たばこのポイ捨てや放置自転車が多いことなどから、これまでも地元の議員の皆さん、また地域の方々、広場の改善についてのご要望をい ただいているところでございます。このため、これまで区では広場用地の大半がJR東日本の所有地であるということも踏まえまして、可能な限り北口駅前広場 の放置自転車対策をはじめ、広場の暫定整備などの対応を図ってまいったつもりでございます。
現在、葛飾区では新小岩駅周辺の交通結節点機能の向上を目指して、東新小岩一丁目に新たな交通広場を整備し、またこの広場と駅北口を結ぶ北口連絡通路の整 備を進めておりますが、さらに駅南北の回遊性の確保等を目指して、長年の課題でもございます南北自由通路の整備等の計画を進めているところでございます。
なお、これらの都市基盤施設は新小岩北口駅前広場に接するものでありますので、北口連絡通路の整備あるいはまた南北自由通路の計画を契機として、JR東日本に理解を求めて現状の用地の範囲内で可能な整備をできる限り早期に行ってまいりたいと考えております。
次に、西井堀の景観整備等についてのご質問にお答えをいたします。
西井堀の整備につきましては、都市計画マスタープランにおいて、水と緑のネットワークとして位置づけまして、たつみ橋から奥戸街道までの区間については、 ヤマモモなどの高木を230本ほどとツツジ類の低木の植栽をしてきたものでございます。また、現在整備中のたつみ橋交差点から新小岩公園までの区間につい ては、平成17年度にたつみ橋交差点から約200メートルの水路を埋め立てて、今年度はJR総武線までの約300メートルの水路の埋め立てと下水道管の敷 設を行う予定となっております。さらに19年度には巽橋交差点から駐輪・駐車場予定地までの緑道の整備工事、20年度には新小岩公園までの緑道整備工事を 計画しております。
今後とも可能な限り緑を配置した道路づくりに取り組んで、緑の景観軸の形成を進めてまいりたいと考えております。
次に、中川堤防のスーパー堤防への変更に向けて、積極的に都と協議をしていくべきであるというご質問でございます。
スーパー堤防の整備は、治水だけではなくて、地震対策、土地の有効利用、河川環境の向上等々大変有効でございます。ただし、用地買収を行わずにまちづく り事業とあわせて実施をしていくために、必然的に長期間を要する事業となります。本区におきましても、江戸川の土手では国との共同事業によりまして、柴又 公園や寅さん記念館の部分を整備をいたしました。また、都立水元公園の東金町八丁目地区で、現在国と都が共同して事業中でございます。そしてまた中川にお きましても、東立石四丁目地区の工場跡地を区が買収をして、東京都のスーパー堤防事業と共同で仮称中川河岸緑地公園の整備を進めているわけでございます。
スーパー堤防の実現には、沿線で計画をされる大規模開発やまちづくり事業と一体的に整備をされる必要がございますので、引き続いて河川管理者である東京都との協議や情報交換を積極的に行ってまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、所管の部長から答弁をいたさせます。
○(秋田貞夫都市施設担当部長)
新聞報道による放置自転車が新小岩においてワースト6位になっている現状と、放置自転車対策における今後の方針及び整備計画についてお答えいたします。
先日の新聞報道にもありました平成17年度の東京都内鉄道駅周辺の放置自転車調査の結果、新小岩駅周辺の放置自転車数は約1,400台で、ワースト10の 6番目にランクされたところであります。以前から、区内12の鉄道駅周辺と比較いたしまして特に放置がひどい新小岩駅につきましては、自転車駐車場の設置 とともに、自転車利用者への指導・誘導や放置自転車の撤去、街頭キャンペーンなど、さまざまな対策を実施してまいりました。しかしながら、放置自転車数は 前年度の同調査結果に比べまして110台ほどの増加となり、ワースト6位というランクになりました。
新小岩駅周辺全体では、自転車駐車場等の収容施設がいまだ不足しており、自転車の放置が著しい状況であります。このようなことから、今年度は旧新小岩出張 所跡地に自転車駐車場を新設するとともに、新小岩一丁目の歩行者用通路についても、その一部を活用した自転車駐車場を整備する予定でございます。
また、今年度からは新小岩駅周辺につきまして、指導・誘導を4月から、撤去につきましては6月から、平日に加えまして、日曜、祭日にも実施し、さらに指導・誘導の時間帯を午後6時まで延長したところでございます。
今後とも北口地域に取得した用地に自転車駐車場の整備を行うなど、放置自転車の解消に向けたさまざまな取り組みを実施してまいります。
次に、西井堀から新小岩公園まで続く水と緑のネットワークの創出に関するご質問にお答えいたします。
初めに、西井堀せせらぎパークについてでございますが、現在、この公園の下には駐輪場や機械設備等が整備されており、構造上の問題などから、緑陰が得られ るような高木の植栽は困難な状況にあります。しかしながら、日照りを避ける緑陰場所が少ないとのご指摘につきましては、これまでも地域の方々のご要望に応 えて設置いたしましたパーゴラ等の増設を検討してまいりたいと考えております。
次に、せせらぎパークを除くたつみ橋から奥戸街道までの区間についてでありますが、整備後15年ほどが経過したことにより、緑も生長し、地元になじみ、親 しまれていることから、今後とも現状の形態で維持管理を行ってまいりたいと考えておりますが、樹木が枯れた場合など、植え替えが必要なときには、地域の皆 様のご意見を踏まえ、桜等の植栽も検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(高橋成彰地域振興部長)
中川七曲堤防が万が一地震での液状化による沈下崩壊が起こった際の対応等に関するご質問にお答えをいたします。
河川管理者である東京都は、七曲堤防補強対策として、昨年度から2カ年で袋詰め根固工事を実施しており、今後はテラス構造とし、河床の地盤改良を行い、 地震に伴う液状化による堤防の崩壊を防ぐとともに、堤防全体をコンクリート被覆して浸食による崩壊を防ぐといった本格的な耐震護岸工事を実施する予定とし ております。
また、大震災等で万が一堤防崩壊が起こった際の堤防復旧などの体制につきましては、葛飾区地域防災計画に基づく本区の体制と同様に、河川管理者である東京 都においても災害対策本部を置き、本区や消防署、消防団、また規模によっては自衛隊等とも連携を密に、避難・誘導や排水作業、堤防復旧などに対応してまい ります。
次に、集合住宅や商業施設などと防災協定などを締結してはとのご質問にお答えをいたします。
万が一の際の避難空間として、集合住宅や商業施設を活用することは本区といたしましても有効な方法と認識しており、例えば、青戸団地と高砂団地一帯を避 難場所に指定しております。高台に乏しい本区の地形からしても、大規模な集合住宅や商業施設の活用は、浸水時の避難場所としても適応するものであり、今 後、これらの施設管理者との防災協定の締結についても検討したいと考えております。
以上です
◆ 平成18年度第4回葛飾区議会定例会~会議録より
▼ 本年11月30日に行われた平成18年度第4回葛飾区議会定例会より、私の一般質問「教育問題について」を掲載します。
ぜひご一読願えれば幸いです。
平成18年第4回 葛飾区議会定例会会議録
平成18年11月30日 於 葛飾区議会議場
区政一般質問
(1)教育問題について
○20番(米山真吾議員)
さきの通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
今、教育問題が大きく揺れております。
特に、マスメディアの連日にわたる報道によるいじめの問題など、いじめが原因とされる山形県の高校生の自殺や北海道にて
中学生が自殺をしてしまったという事件が起こっております。非常に残念なことであります。
本区でも今後、教育をどのように取り組んでいかなければならないのかが問われておりますし、区民も注視していることと思います。
特にこれらの問題は、人間の心という人間として一番の根幹に当たるところに焦点が当てられております。
今回は、心の育成という観点から教育振興ビジョンで掲げております豊かな心の育成や新たな学校の取り組みと家庭・地域社会との連携など、教育問題について質問をさせていただきます。
まず初めに、いじめについて教育委員会の学校指導についてお聞きをいたします。
元来、教育は家庭で個人としてのしつけとして、親が社会のルール、人間としての生きていく上に大切な愛情として、心の優しさや人に迷惑をかけない公共心を教えます。学校では、社会に貢献できるための知識や集団生活、社会生活のマナーやルールを教育する場であるはずです。
学校だけでなく、社会生活の集団生活では個々が能力を競い合う中で、人々の中にあつれきが生じ、いさかいが生じるのは当たり前でありますが、集団で個を責 めることに問題があります。いじめは集団で行われることが主でございますが、その際、例えば5人が1人をいじめるという構図があった場合、いじめる側は5 分の1の意識しかありませんが、いじめられた方は5倍に感じるわけでございます。
また、現在ではメールでのいじめが多いと聞いております。むろん学校内で起こるいじめについては、学校と家庭が協力をしていじめの発見、対応のシステムの 構築が求められるところでありますが、学校の現状と今後家庭への教育力への啓発活動をどのように進めるつもりなのかお聞きしたいと思います。
また、いじめの相談件数が現在まで何件寄せられているのか。また、いじめが確認された場合の解決までの対応・対策について具体的に伺いたいと思います。
また、不登校児童・生徒が現在、区内小学校、中学校で何名いるのか。そのうち、いじめが原因とされる不登校児童・生徒は何名いるのかお伺いしたいと思います。
次に、ペア学年についてお聞きをいたします。
現在の社会状況は、少子化や核家族化が進み、兄弟も少なくなり、一人っ子の家族も多くなってきている現状でございます。私の父親や母親の世代では、7人兄弟や8人兄弟などたくさんの兄弟が家族として構成をされておりました。
年齢が近く、あるいは離れている兄弟がいる中で、家族間において多様なコミュニケーションがとれ、社会のルールや勉強、悩みごとの相談など、親の目が届か ないところを補う形で兄弟間でコミュニケーションをとり、こうした方がいい、こうしてはだめだとか、上の子が下の子にアドバイスをしたりし、子供たちの中 だけで解決をすることもできました。家族から社会の集団生活への潤滑油の役割を担っていたことは事実でございます。
しかし、現在の社会状況は核家族化が進行し、兄弟も少なくなり、また共稼ぎの家庭も増え、かぎっ子と言われる子も多くなり、家族間でのコミュニケーションが減ってきていることも事実です。
今、葛飾区の小学校ではペア学年といって1年生と6年生がペアになり、6年生と一緒に1年生が6年生の教室に行ってペアで清掃したり、またペアで遊びをしたりしている取り組みをされております。
例えば、1年生が6年生の工作を見て、すごいとか、お兄ちゃんのようになりたいとかいう手紙を6年生に書いたり渡したりしているようです。そこには、上の子が下の子の面倒を見る親愛の気持ちを、下の子は上の子に対し尊敬する気持ちを持つなどの効果があると見受けられます。
今までは、家族間でできたことが残念ながら今の少子化や核家族化にそれを求めることはなかなかできません。であれば、学校でそういうコミュニケーションをとれる環境をつくってやるべきではないでしょうか。
私はこの取り組みをもっと拡大をして、全校生徒を対象に高学年と低学年をペアで一緒に学校の活動をさせたり、また遊んだりすることによって子供たちの多様なコミュニケーション形成の場をつくることにより、よりよい人間形成、心の育成が構築できるのではないかと考えます。
そこで質問をいたします。
このペア学年を現在の組み合わせだけではなく、子供たちの多様なコミュニケーション形成の場を構築するため、他学年のペアにも拡大するべきと考えますが、今後の方向性、見解を伺いたいと思います。
次に、教育座談会について質問をいたします。
教育振興ビジョンでは、心の教育の充実として多くの保護者や地域の方が参加できる心の教育座談会の開催をして、学校・家庭・地域が連携して豊かな心の育 成に取り組んでいくと掲げられていますが、心の育成についての主な学問として心理学がございます。私も心理学を学びましたが、心理学は自己の性格分析だけ ではなく、子供が成長していく過程の中で子供がどのような時期にどのような性格を形成していくかを述べていくわけでございますが、親が子育てをしていく中 で理論的な知識があることによって、よりよい教育ができると考えます。
まさに、先人が述べていた三つ子の魂百までという言葉がありますが、年齢ごとに子供に対する知識としてあることによって、教育する上でのバックボーンにも なると考えます。このような心理学を家庭に伝えることにより、家庭における教育力の向上が図れるものと考えるものでありますが、そこで質問をいたします。
心の教育座談会の実施状況及び効果の自己評価、今後の方向性をお聞きしたい。また、心理学を家庭に伝えることにより、家庭の教育力が向上するものと考えますが、教育座談会を提供の場として家庭教育にも踏み込んでいく必要があると思いますが、ご見解を伺いたい。
次に、スクールカウンセラーについて質問をいたします。
現在、区内小中学校に臨床心理の専門家であるスクールカウンセラーを対人関係、勉強のおくれなど、早期の親身になった相談が極めて重要なことであることか ら、相談機能を強化するため、都の補助や区独自の予算を使って中学校では週に1.5日、小学校では週に1日配置されておりますが、現在の実施日数ではきめ 細かい対応がとりづらく、また相談に来た生徒の担任教師との連携もうまく図れないのではないかと危惧するわけでございますが、実施日数を増やすべきと考え ますが、ご見解を伺いたい。
また、巡回型スクールカウンセラーの今後の配置、具体的な運用状況を伺いたいと思います。
次に、教師の資質・能力の向上についてお聞きいたします。
平成15年6月に小中学校の保護者アンケートを行っておりますが、約70%の保護者が学校の今後の取り組みに対し、研修の充実を通して教員の資質や能力を高めることが一番関心が高いという調査結果が出ております。
11月24日の毎日新聞において、教師が教え子に友達感覚で接するなれ合い型の学級でいじめが生まれやすいことが河村茂雄都留文科大教授の調査でわかりました。こうした学級では、教師が子供に引きずられ、いじめを防ぐどころか加担するおそれもあるといいます。
いじめは、加害者側の資質や教師の指導力不足に直接の原因が求められがちだと、河村教授は主に教師と教え子の関係で決まる学級集団の全体的な特性に注目 すべきだと訴えております。教師の教え子への接し方には、有無を言わさず従わせる指導タイプと子供の言い分を尊重する援助タイプがあるようでございます。 子供の満足度の高い学級の教師は、状況に応じて両方を使い分けますが、指導タイプに偏ると管理型、援助タイプに偏るとなれ合い型になるといいます。
なれ合い型では、当初は教師と子供が良好な関係を保つかに見えますが、最低限のルールを示さないため学級はまとまりを欠き、子供同士の関係は不安定でけ んかやいじめが生じやすい。教師の友達口調の指示をだれも聞かなくなり、放置すれば学級が崩壊するといいます。いじめた子や加担した教師を非難するだけで は解決しない。子供を暴走させ、教師も巻き込まれるなれ合いをどう回避し、いじめのない学級をつくるか、教師たちが議論することが大切だと述べておりま す。
また今後、団塊の世代のベテラン教師が退職をし、新卒採用を採っていかなければならない時期が来ますが、心配されることは教育の質の低下が懸念されるという問題もございます。
そこで質問をいたします。
このようななれ合い型学級でいじめが生まれやすいことが報道されましたが、その対策を教師間で議論する必要があると述べております。区の教育振興ビジョ ンで10年間を見通した研修計画を作成することになっておりますが、教師間で学級について議論、検討するような研修が行われているか伺いたい。また、この ような報道がされたことによる今後の研修方針についてご見解を伺いたいと思います。
また、団塊の世代の退職による影響で新卒の教員が増え、経験不足による教育の質の低下が懸念されますが、低下が起きないよう、どのような組織や体制で臨んでいくのかお伺いしたいと思います。
次に、学校評議員制度についてお聞きをいたします。
保護者や地域社会に対して学校のさまざまな情報を公開し、説明責任を果たすことは開かれた学校の基本であります。教育計画、教育活動の成果や問題点など を保護者や地域社会に積極的に公開し、協力を得るとともに、日常的な問題や意見にも速やかに対応することによって地域社会との信頼関係を深める必要がある ということで、学校評議員制度の活性化を図っていきますと教育振興ビジョンには掲げられております。
現在の学校評議員制度は、各学校間でも評議員の人数も不特定であり、組織構成も地域の方々やPTAの役員の方々などを中心に大人で構成されております。 私は、ここに中学生の高学年などの子供たちも参加をしていく必要があるのではないかと考えます。学校側から積極的に公開される情報は、主に大人の視点から 構成される情報であり、子供の視点からの情報は少ないため完全ではありません。
他区のある教員の方からお聞きしたところ、生徒たちからこういう話がございました。運動会の内容に関することですが、通常は教師がやることを既に決めて いて、自分たちはそれに沿って行っているが、自分たちにも決めさせてほしいと、そういう声もあったそうです。運動会は子供たちと一緒に学校や地域の方々、 PTAの方々も協力して行う行事ですが、子供たちの心の自主性をはぐくむ点において、自分たちで決めたことをやり遂げるということは非常に大事なことで す。
こういった子供の視点から問題点を抽出するには、直接の当事者に聞くことが最も効果的であり、またそれを地域の大人が直接聞くことにより大人の視点から も意見をぶつけ合い、協力を得ながら改善策を探ることができ、地域社会との信頼関係がより深まるのではないかと考えます。
そこで質問をいたします。
学校長の相談機関あるいは諮問機関的な要素も多い本評議員制度ですが、学校評議員制度に子供たちも一部を加えることにより、大人の視点だけでなく子供の 視点からも情報を取り入れることによって、より密度の高いものになると考えますが、今後の学校評議員制度の活性化について具体的な方策を伺いたいと思いま す。
以上で私からの区政一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(青木 勇区長)
米山議員のいじめ問題に関するご質問、詳細については教育長以下でお答えをいたしますけれども、私からも一言申し上げさせていただきます。
現在、大きな社会問題となっているいじめ問題は、いじめにかかわったすべての子供の人格形成に少なからず影響を与えるとともに、場合によってはみずから 命を絶つといったことが起こりかねない深刻な問題であり、このいじめ問題を解決することは子供の健全育成にかかわるすべての者にとって大きな課題であると 考えております。
いじめ問題に対する本区の対応につきましては、冒頭のあいさつでも申し述べましたとおり、学校と教育委員会が連携を密にとりながら早期発見・早期解決を 図ることができる体制を築くとともに、各学校の教育活動を通して心の教育を充実させるなど、いじめの防止に向けてさまざまな取り組みを進めているわけでご ざいますが、その中でも子供たちが最も長い時間を過ごし、その基本的な生活習慣や善悪の判断を初めとした、ものの見方や考え方などをはぐくむ家庭教育が極 めて重要な要素であると考えているわけでございます。
葛飾区といたしましては、教育委員会を初めとして各学校や家庭、地域、関係諸機関が連携協力しながら、いじめ問題の根絶に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
それでは、具体的なご質問につきまして、教育長及び所管の部長から答弁をいたさせます。
○(山崎喜久雄教育長)
いじめ問題など、心の教育にかかわるご質問にお答えをいたします。
いじめは、自分より弱い者に対して一方的に身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手に深刻な苦痛を感じさせるものという定義がありますが、ひやかし、からかいであっても、子供自身が深刻な苦痛を感じれば、いじめであると認識すべきであります。
いじめ問題の対応についてでございますが、これまでも学校においていじめが発生した場合には速やかに教育委員会に報告し、指導主事が学校を訪問して対応 策について指導を行うなど、学校と指導室が連携を密にとりながら早期解決を図るように体制を築いてまいりました。
また、いじめが起こる要因といたしましては、児童・生徒の学校生活や家庭生活全般に深く根差していることが少なくないため、保護者の理解を得ながら協力を求めていくことが重要であり、さまざまな機会をとらえて保護者への啓発を進めております。
その一つとして、お話にありました心の教育座談会を現在、中学校でモデル的に進めておりますが、教員と生徒だけでなく保護者や地域の方々が討議に参加す ることによって、相互理解がより深まるなどの成果が報告されており、今後さらに充実させる必要があると考えております。
また、本区では他区に先駆けて全小中学校にスクールカウンセラーを配置しておりますが、さらに今年度から巡回型のスクールカウンセラーを1名配置してお ります。今後、校内の教育相談体制をより一層充実するため、この巡回型のスクールカウンセラーの増員を初め、スクールカウンセラーの配置の充実について検 討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(鹿又幸夫教育振興担当部長)
本区のいじめ相談の件数でござ いますが、事件が報道されました10月から現在まで総合教育センターに4件、指導室に13件の相談が寄せられております。また、不登校児童・生徒数は、平 成17年度に小学生26名、中学生204名おりますが、そのうちいじめが原因と考えられるものは小学生9名、中学生43名でございます。
いじめの原因としては、子供たちの対人関係が希薄で、人を思いやる気持ちが不足していることが考えられますので、異なる年齢の児童・生徒が交流し、コ ミュニケーションの機会を増やすペア学年による縦割り活動をすることも一つの方策であると考えております。
また、いじめが確認された場合は、いじめの状況について丁寧に聞き取り、いじめは絶対に許されないことであることを指導する必要があります。そして、当 該の保護者との連絡、職員会議等を通じて職員間で情報の共有化を図り、いじめの再発防止について全教職員で対応していくことが大切であります。
さらに、日ごろから教育活動全体を通して、いじめを傍観しない。また、たとえ発生したとしても、それをやめさせる行動がとれるように、子供同士がいじめを許さない学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、教員の資質・能力の向上を図るための研修体制についてのご質問にお答えいたします。
東京都の公立学校教員の現在の年齢構成を見ますと、2007年度から始まるいわゆる団塊の世代が定年退職時期を迎え、東京都全体で小中学校合わせて平成 18年度末には869人、平成19年度末には1,341人の退職者が見込まれております。このような中で、新規採用の教員が多くなり、同時に採用倍率も低 下していることから、若手教員の養成が大きな課題となっております。
教員は採用されますと、1年目に法令に定められた初任者研修として総合教育センター研修や宿泊研修、校内における研修などを受けることになります。ま た、本区独自の取り組みとして、年5回の研究授業を実施し、きめ細かな指導を行っております。1年目の初任者研修が終わりますと、2年・3年次研修や4年 次研修を実施するとともに、今年度から校長から推薦された教職経験2年から5年目の教員を対象にした、主に時間外の自主研修でございます若手教員実力養成 研修を実施し、指導力の向上に努めております。その後の研修についてでございますが、10年経験者研修に続き、20年次、25年次、30年次研修という教 職経験の節目に当たる年次に研修を実施いたします。
さらに、教師間で学級運営についての研究を深めるため、各学校において若手教員を中心とするOJT研修を実施しており、学級指導についての悩みや指導法等、さまざまな教育課題について議論する場を設けております。
教育委員会といたしましては、教員の資質と能力の向上を図ることは大変重要なことと認識しており、今後も教員のライフステージに応じた研修の推進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(小川幸男教育次長)
学校評議員制度についてのご質問にお答えいたします。
学校評議員の制度は、平成12年の学校教育法施行規則の改正に基づいて、地域に開かれた学校づくりを進めるため、学校運営の基本方針や重要な教育活動に 関し、学校長の求めに応じて地域の方々からご意見や助言をいただくために創設されたものでございます。
こうした制度の趣旨を踏まえて、実際にはPTA等の保護者や自治町会、社会教育、社会福祉など、教育に関して理解と識見を有する方をそれぞれの学校における学校評議員として委嘱しているところでございます。
教育委員会では、本年4月に評議員制度の一層の活性化を目指して学校評議員設置要綱を見直し、学校評議員に情報提供すべき事項や意見を求めるべき事項等 を例示として具体的に列挙し、学校評議員と学校長とが活発に意見交換がなされ、この制度が有効に機能するように整備をしたところでございます。
ご質問の学校評議員に児童・生徒を委嘱して意見を聞くということは、学校運営や学校経営に関して地域の方々から意見を聞くという、この制度の目的、趣旨からいってそぐわないものと考えております。