お許しをいただきまして、私はかつしか区民連合を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い、区長並びに関係部長に質問するものであります。 質問に先立ちまして、地元や議会で私も大変お世話になりました倉沢よう次議員がご逝去されましたことに対しまして、心より哀悼の誠をささげます。 そして、西日本豪雨、台風21号、そして北海道地震、土砂災害や水害・地震などの自然災害が続いています。この間、災害により亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の皆様へ心よりお見舞いを申し上げます。一刻も早く復旧・復興されることをお祈り申し上げます。 それでは質問に入ります。 まず初めに、熱中症対策について伺います。 ことしの夏は、酷暑と言っても過言ではないほど暑い日々が続きました。8月10日の気象庁の発表では、東日本の月平均気温は7月として1946年の統計開始以来、第1位となりましたとの発表がなされました。命にかかわる危険な暑さという報道も多くされ、過去に例を見ないような状況が続きました。8月22日の総務省消防庁の7月の熱中症による救急搬送状況の発表では、全国における7月の救急搬送人員数は5万4,220人で、これは昨年の7月の救急搬送人員数と比べると2万7,518人多くなっており、約2倍になっております。東京都も、救急搬送人員数は4,430人で、昨年と比べると約2.5倍になっています。年齢区分も、高齢者が2,189人、成人1,800人、少年388人、乳幼児53人となっています。 熱中症を発症している場所はどうかというと、一番多かったのは住居で1,944人、2番目は飲食店や百貨店、劇場などの屋内で721人、3番目は道路で677人、4番目は競技場や駅などの屋外で456人、そして教育機関が300人となっています。先日、千代田区の子どもの遊び場事業を視察してきましたが、千代田区でも、熱中症の対応について環境省が出している暑さ指数をもとに対策を講じておりました。暑さ指数とは、人体の熱収支に与える影響の大きい湿度、日射・輻射などの周辺の熱環境、気温の3つを取り入れた指標のことですが、気温35度、暑さ指数31度以上で運動を原則中止し、メール配信して通知する仕組みを実施しています。ただ、この指数だけで判断するのではなく、現地の確認をした上で中止の是非の判断を行っているそうです。本区においても一定の基準をつくり、現地確認を行った上で指導者や登録者などに的確に指示をしていく仕組みをつくるべきではないかと思います。 また、公共施設の状況を見ると、例えば河川敷の運動場などは日よけがなく逃げ場がない環境にありますし、温度計も設置されていないので注意喚起が不十分な面もあるのではないかと思います。道路上も非常に高温になっており、遮熱塗装などの対策も必要になるのではないかと思います。教育機関の体育館についてもエアコンが設置されていない箇所が多くあります。財源の課題や改築計画などの関連もありなかなか難しい面があるのも承知しておりますが、避難所の位置づけもあることから、今後もこのような気象状況が続くとするならば、遮熱塗装やエアコン設置などの具体的な対策をしていく必要性があるのではないかと考えます。 そして、熱中症の問題は、行政サービスを支えている職員や民間事業者への対応も必要だと考えます。例えば、主に屋外で清掃業務を行っている職員や民間事業者、あるいは公共工事を担っている方の作業を見かけますが、過酷な環境だと感じます。行政サービスを担っている人材が倒れてしまうと区民サービスが低下することに直結しますので、対応が必要だと考えます。 現状を見ると、対策には3つの視点があるのではないかと考えます。1点目は、区民全体に熱中症対策の情報提供や啓発を行っていくこと。2点目は、命にかかわる危険な暑さになった場合、運動場や体育館など公共施設で運動をしている利用者や子供に対して的確な指示を伝える仕組みをつくり命を守っていくこと。3点目は、財源や改築計画などの課題はありますが、ハード面の整備をしてリスクを軽減していくことだと思います。 そこで質問をいたします。 1、葛飾区において熱中症における救急搬送人員数、また、年齢区分及び発生場所などの内訳について伺いたい。 2、区民全体への啓発や注意喚起を行うとともに、特に運動を実施している施設や教育機関へ暑さ指数や気温などを指標にして運動の中止などを指導者や登録者に事前通知を行う仕組みなどをつくる必要があると考えるが、どうか。 3、熱中症対策としての観点から、屋外の運動場などの施設状況や屋内の運動施設、小中学校の体育館のエアコン設置状況について区の見解を伺いたい。 4、道路を含めた屋内外の公共施設や小中学校といった教育機関などのハード面における熱中症対策は、財源の課題や改築計画などの関連があるが、行政として具体的に検討していく必要があるのではないかと考えるが、どうか。 5、行政サービスを支える側の職員や民間業者などの熱中症対策も必要だと考えます。例えば清掃業務や公共工事など、主に屋外で従事する職員や民間業者への対策として、作業の効率化、工期の取り方、休憩のとり方なども検討する必要があるのではないかと考えるが、どうか。 これで、1番目の質問を終わります。
青木区長 米山議員のご質問にお答えいたします。 熱中症対策について、まず区民全体への啓発及び暑さ指数や気温などを指標にした運動の中止などの事前通知を行う仕組みづくりについてのご質問にお答えいたします。 区民全体への啓発や注意喚起といたしましては、チラシ・ポスターの各町会・学校・保育園などへの配布や広報かつしかへの掲載、防災行政無線による注意喚起などを行っています。また、リスクの高い乳児や高齢者へは、健診や健康講座開催時などにチラシ配布とあわせて、水分補給の方法や緊急時の症状などの保健指導を行っており、次年度以降もこれらの取り組みを引き続き実施してまいります。 小中学校での熱中症予防としては、教育委員会から学校へ、繰り返し通知を発し、指導の徹底をしております。その中で、屋外や体育館等の空調設備の整っていない場所における教育活動について、設置した熱中症指数測定器の指数に基づき健康・安全を最優先に考慮した上で、実施について慎重に判断するよう指導をしています。特に、運動部活動については、熱中症予防運動指針に基づき、天候・気温、活動内容・場所等の状況を把握し、無理に活動せず、自粛する等の適切な判断をするよう管理職が教職員に徹底するよう指導しているところです。 また、奥戸総合スポーツセンターや水元総合スポーツセンターなど区内17カ所のスポーツ施設においても熱中症指数計測器を設置し、指数に基づき、注意、警戒、運動中止などの看板を掲出して利用者へ注意喚起を促すとともに、一般社団法人葛飾区体育協会には熱中症事故の防止について文書において依頼し、体育協会を通じて各連盟、協会への周知を図っているところです。 このように、現在は施設の状況や対象に応じて個別に注意喚起を行っておりますが、暑さ指数や気温などを指標にして事前通知することで、今後どのような仕組みづくりができるか、さらに検討を進めてまいります。 次に、屋外の運動場や小中学校の体育館などの施設状況及び道路などのハード面における熱中症対策についての質問にお答えいたします。 屋外運動場の設備面での熱中症対策といたしましては、奥戸総合スポーツセンター陸上競技場や小菅西フットサル場、葛飾にいじゅくみらい公園運動場などにミストシャワーを設置いたしました。エアコンの設置状況につきましては、区内の全ての屋内スポーツ施設に設置をいたしました。小中学校の体育館については、現在のところ、小学校2校、中学校の武道場に1校、エアコンを設置しております。また、小中学校の体育館等に熱中症指数計測器を設置するとともに、中学校に冷水器を設置いたしました。体育館のエアコン設置につきましては、その必要性は十分認識しておりまして、学校改築の際には必ず設置するよう計画をしているところです。改築計画のない学校につきましては、エネルギー効率や財政負担などの観点を初め、さまざまな条件を考慮しながら引き続き検討を進めてまいります。 道路の暑さ対策につきましては、これまでも緑地帯や街路樹の整備を進めてまいりました。こうした樹木には、木陰の形成や葉から蒸発する水の気化熱によって周辺の温度を下げるなど副次的な効果が期待されることから、引き続き緑化を推進してまいります。 その他の対策といたしましては、車道の遮熱化・保水化、歩道の緑化・保水化により地表面への蓄熱を抑制するなど、さまざまな技術が考えられますが、ご指摘の遮熱塗装につきましては、反射光対策や耐久性など課題もあるため、今後さらなる研究が必要かと考えております。 ハード面の熱中症対策については、多くの経費がかかりますが、財源の確保を含め、今後、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 清古愛弓健康部長 次に、熱中症対策のうち、救急搬送人員数、年齢区分及び発生場所についての質問にお答えいたします。 東京消防庁の速報値によりますと、平成30年4月から8月末日までの葛飾区内の熱中症における救急搬送人員数は284人で、年齢区分別の内訳は、0歳から19歳が29人、20歳から59歳が86人、60歳以上が169人となっております。発生場所については、今年度の状況はまだ把握ができておりませんが、昨年度の東京消防庁管内全体の状況といたしましては、住宅等居住場所が全体の37.5%と最も多く、次いで道路・交通施設が25.7%となっています。また、年齢区分別では、乳幼児・高齢者では住宅等居住場所が多く、小・中・高校生では学校・児童施設や公園・遊園地・運動場が多くなっております。 次に、行政サービスを支える側の職員や民間業者などの熱中症対策についての質問にお答えいたします。 お話のとおり、屋外で従事をする職員は多数おりまして、例えば清掃業務では、朝礼や講習会等で注意喚起を実施しているほか、経口補水液の用意や適切な休憩時間の確保などの熱中症予防対策を行っております。 今後も、有効な熱中症予防対策を行うとともに、引き続き区民への正しい資源・ごみの分別の周知を図り、安全で効率的な収集作業を行えるようにしてまいります。 また、公共工事の受注業者への対策としては、現在、工事受注者や現場管理者への注意喚起を行うとともに、空調の効いた休憩場所やミスト扇風機の設置などを要請しております。今後は、よりゆとりのある工期の設定や、特に熱中症となる可能性が高い工事では、緊急対応が可能な専用の休憩場所を確保するように努めてまいります。 以上でございます。 米山真吾 次に、AI等を活用した行政サービスの向上について質問いたします。 AIやRPAといった行政サービスの向上や業務の効率化などに資するツールが注目されていますが、これらを活用して行政サービスの向上に先進的に取り組んでいる自治体が幾つかあります。先日、渋谷区を視察してきましたが、渋谷区は子育て支援サービスとしてLINEとAIによる問い合わせ自動応答システムの展開を2017年からスタートしています。例えば、妊娠しました、と入力した場合に、AIがこの質問は、子供が生まれたらどんな手続が必要なのか、ということを相手は聞いているのではないかと予測して回答するチャットによる対話形式になっています。登録者数も運用開始から4カ月ほどで約7,800人に達していて、主に子育て世代の女性が多く登録されているようです。一方で、子育て世代の悩みというのは産後うつとか発達障害などさまざまあり、このシステムだけでは解決しませんが、いろいろな相談が来るようになったと言っておりました。今後は、こういった悩みに対するフォローや潜在的な悩みをどう拾っていけるか検討していきたいとのことでした。 また、住民向けサービスだけでなく業務の効率化という観点から、大阪市は戸籍業務に関して経験が浅い職員に対し、関係する法令や事例などさまざまな事情や条件が複雑に関係する場合に、この場合はどうしたらいいのか、という質問をした場合、AIが回答するなどして職員への業務支援をしています。また、千葉市は道路管理システムに活用していて、これまで職員が行っていた道路損傷の発見、判定・補修の優先順位づけの作業をAIが行うことを目指し、効率的な道路管理や職員の業務量の削減を模索しています。 そのほかに、ソフトウエアロボットによる業務プロセスの自動化ツール、いわゆるRPAの活用についても自治体において進んでいます。例えば、つくば市では民間企業との共同研究によりRPAの実証実験を行いました。個人住民税などに係るデータ入力業務において自動化を行い、実証実験の結果、作業時間の削減効果が見込まれ、今後の本格導入を目指していくとのことです。 これらの取り組みを見ますと、AIの活用については、住民側は必要な情報にアクセスしやすくなることと相談もしやすくなり、また24時間いつでも使えるメリットがあると思います。行政側は簡単な問い合わせが減り、業務の効率化が図られるのではないかと考えます。また、RPAの活用についても同じく業務の効率化につながるものと考えます。既に本区においても一部導入をし始めていると聞いておりますが、住民サービスの向上や行政改革の視点からこれらの活用を推進してみてはどうかと考えます。 そこで質問をいたします。 1、行政改革の取り組みとして、AIやRPA等のICTを活用している地方自治体があります。住民サービスの向上、業務の効率化などが図られると考えるが、行政改革にAI等を活用する試みについて本区の見解を伺いたい。 2、本区もAI等の活用を進めていると思うが、現在の検討状況と今後の取り組みについて伺いたい。 以上で2番目の質問を終わります。 青木克德区長 AI等を活用した行政サービスの向上について、まず行政改革にAI等を活用する試みについてのご質問にお答えいたします。 近年、多くの自治体や民間企業において、RPAと呼ばれるパソコン入力業務の自動化技術や、AIと呼ばれる人工知能技術といったICTを活用した取り組みが注目を集めております。こうした技術の活用により、職員を反復する定型業務から解放し、区民と直接触れ合う相談業務などの職員にしかできない業務に特化させることができ、区民サービスの質的・量的向上につなげることができると考えております。本区におきましても、AI等のICTの活用を図るため、昨年度から税務署に提出するための源泉徴収データの入力業務において自動化の実証実験を実施したり、保健センターの乳児健康診査等のデータ入力業務などでOCRと呼ばれる紙帳票のデジタルデータ化技術を活用し、これまで紙からシステムに手入力していた作業を自動化するなど一部の業務において取り入れを始めているところであります。また、AIについても、区民サービスの向上に向け、区民からの問い合わせの場面などにおいて活用できないか検討を進めてまいりました。 今後も、AIやRPAといったICTを活用しながら業務改善を進めつつ、利便性の高い区民サービスの提供につなげてまいりたいと考えております。 次に、AI等の活用の現在の検討状況と今後の取り組みについてのご質問にお答えいたします。 OCRやRPAの活用につきましては、今年度対象業務を広げ、保育園等入園申込業務などにおいても活用し、紙の申請書からデジタルデータ化、そしてシステムの入力までを自動化し、業務の効率化などにつなげてまいります。来年度以降につきましても、これらの技術について庁内各課にヒアリングを行い活用可能業務を精査した上で、引き続き対象業務の拡大を図っていく予定でございます。また、AIを使った取り組みとしては、AIが自動で対話形式により質問に回答する機能、いわゆるチャットボットについて、今年度庁内向けパソコンヘルプデスク業務において実証実験を行う予定です。まずは庁内において課題を洗い出し、来年度以降は区民の利便性向上に向け、区民向けの問い合わせ業務などに展開していければと考えております。 また、特別区長会に今年度設置され、来年度から調査研究を進める特別区長会調査研究機構において、葛飾区が提案した基礎自治体におけるAIを活用した業務効率化について、来年度、本区などが中心となり研究を進める予定となっております。 今後も積極的にAIやRPA等のICTの活用を進め、区民サービスの一層の向上に努めてまいります。 以上です。 米山真吾 次に、新小岩駅周辺のまちづくりについて質問いたします。 南北自由通路も暫定開通し、ホームドアも来月供用開始ということで、基盤整備が着々と進んでいます。この間、区長を初め、理事者、職員の皆さんのこれまでの取り組みを評価いたします。一方で、駅周辺にはさまざまなハード面の課題が存在しています。 南口は自由通路出口付近の滞留空間が足りるのかどうか。また広場内に安全な歩道が少ないなどの課題があり、さらに南口に接続する末広通りは片側に歩道がなく、バスが大幅に反対車線をはみ出して通行しており危険な状況にもあります。 北口を見ますと、自転車駐車場の老朽化や西井堀第一自転車駐車場の利用率が低いことなどの課題があることや、たつみ橋交差点は都内でも自転車通行量が最も多く、車や歩行者との交錯が危険な面があります。今後、施設更新の検討の際に自転車の動線をどうさばいていくかが課題ではないかと思います。 また、東北広場についてはタクシープールの利用がされておらず平和橋通りからタクシー乗車されている状況で、当初の目的には達していない状況です。そして、防災の観点から都が進める緩傾斜型堤防事業が計画されていますが、蔵前橋通りと都道450号が平面交差化すると伺っております。この平面交差化によって側道が廃止されるため、蔵前橋通りのガード下でUターンができなくなり、車両の回遊性が悪くなります。歩行者も同様です。今までより利便性が低下するのではないか、また、平面交差化によって高速道路の出口付近に信号機が新たにできるため渋滞するのではないかと危惧をしております。 駅周辺においてはさまざまな課題があることから、住民サービス向上の観点から基盤改善を図る必要があります。一方で、都市基盤の整備だけではまちづくりはできません。駅前においては再開発事業や共同化などの手法を検討しながら高度利用・土地の有効活用を図るべきであると考えますし、必要とされる施設用途も取り入れるようにしていく必要があります。都市基盤整備と同時並行で議論を進めていかなければなりません。 現在、都の都市計画審議会で、老朽化したマンションの連続した建てかえを促す制度が議論されています。これは、老朽マンションを不動産会社が買い取った場合、別の場所に建てるマンションにも容積率を上乗せできることと、買い取りした物件の跡地に建設する場合にも別の老朽マンションを買えば容積率を積み増すという制度で、企業側も容積率を上乗せできるので、その分、分譲戸数がふやせますし、それにより収益がふえ、参入しやすくなります。そうすることで、玉突きのような形で老朽マンションの建てかえを進める狙いがあります。こういった制度が活用できるのか、まちづくりを検討する上で必要ではないかと思います。 そこで質問をいたします。 1、新小岩地域の各地区には現状の都市基盤や施設の課題があると考えるが、それぞれ区の課題認識を伺いたい。また、都市基盤整備方針の策定に取り組んでいるが、各課題の解決に向けて、現在、区が検討している対策を伺いたい。 2、北口駅前広場の整備が計画されているが、まちづくりを進めるためには、都市基盤の整備だけではなく再開発事業や共同化などの事業手法を検討しながら高度利用を図り、行政サービスや住民サービスの向上につながる施設を検討しながら進めるべきと考えるが、勉強会の資料からは広場に隣接する土地利用が見えない。現在の進捗状況と区の考えを伺いたい。 3、都の都市計画審議会が連鎖的なマンションの再生の推進を議論しているが、このような制度の活用ができるのかどうか検討してみてはどうか。 以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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