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平成25年第1回定例会~会議録より



▼平成25年第1回定例会(第2日 2月26日)より、私の代表質問を掲載します。 ぜひご一読願えれば幸いです。

会議名:平成25年第1回定例会(第2日 2月26日)(代表質問・医療環境の充実・区内の交通網・不燃化・液状化)

○(米山真吾委員) 

お許しをいただきまして、私は、葛飾区議会民進党議員団を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い、区長並びに関係部長に質問するものであります。 質問に先立ち、3月11日の東日本大震災において、来月で2年を迎えようとしています。本区においても震災の教訓を生かし、また、風化させないようにし なければならないと強く感じております。お亡くなりになった方々に対し、この場をかりて改めて哀悼の意を表すとともに、被害を受けたすべての方々にお見舞 いを申し上げます。

それでは質問に入ります。

内閣府の1月の月例経済報告では、景気は弱い動きとなっているが、一部に下げどまりの兆しも見られるとあり、先行きについては、当面は弱さが残るもの の、輸出環境の改善や経済対策の効果などを背景に、再び景気回復へ向かうことが期待されております。一方で、海外景気の下振れが引き続き我が国の景気を下 押しするリスクや、雇用・所得環境の先行き、デフレの影響等にも注意が必要であるとあり、今後も注視していく必要もあります。

本区においては、平成25年度予算案の歳入面では、特別区交付金が57億円増、前年度9.0%の増となっており、企業側における改善の兆しが見えてきてお ります。歳出面では、新宿六丁目公園の用地取得にかかわる起債の今後の償還に備えての減災基金の基金積み立ての増や生活保護費の増など、将来への対応や対 策が必要な面が散見されます。

葛飾区は、葛飾区基本計画を策定し、平成25年度から実施していきます。それを下支えする前期実施計画を現在(案)として策定中であり、先般議会にも示さ れましたが、確実な財政計画の面から各施策を実施することは重要であります。また、今後の公共施設の更新やあり方をどうしていくのか。また、区民に負担を していただく防災対策をどのようにしていくのか。将来に向けての対応について本区がどのように考えているのか、気になるところです。

そこで質問をいたします。

葛飾区前期実施計画(案)の財政フレームについて、歳入においては、特別区税や特別区交付金等、年々増加していく想定をされております。歳出については、 扶助費や計画事業費、特別会計繰出金等が増加していくことが想定されておりますが、今回示された財政フレームの考え方について区の見解を伺いたいと思いま す。

次に、公共施設建設基金の積み立て及び取り崩し計画において、平成24年度の32.3億円の積み立て以降、平成28年度まで積み立て計画は示されておりま せんが、今後、耐用年数を超えてくる公共施設の改修や改築あるいは新規などを進めていく上で、積み立て及び取り崩し計画の考え方をお伺いしたいと思いま す。

財政調整基金の積み立て及び取り崩し計画の中の緊急防災事業についての緊急防災3カ年プロジェクト事業は、当面、財政調整基金からの振り替えで対応するこ とになっております。特別区税の均等割額引き上げ分が平成26年度から平成35年度までの積み立て計画の想定額からすると、最終的に剰余金が発生すると思 われますが、積み立て・取り崩し計画の考え方と基金をどのようにしていくのか、区の見解をお伺いいたします。

また、区民に負担をしていただく以上、透明性の確保が重要であります。どのように区民に伝えていくのか、区の考えをお伺いしたいと思います。

青木区長は、葛飾区基本計画を新たに策定し、まちの価値を高め、住みやすいまちにしていこう、人々を呼び込もう、定着させていこうと努力されております。 区の政策が人口の増加や減少、流出入においてどういう効果を生み出しているのかを知ることは重要だと考えますし、分析をする必要があると考えますが、転 入・転出の際に政策評価のアンケートをとり、政策効果の分析をし、政策及び方向性の指針となるような調査をすべきと思いますが、どうでしょうか。

次に、医療環境の充実についてお伺いいたします。

青木区長は、葛飾区基本計画を策定して11の重要プロジェクトを打ち出し、その中で医療環境の充実をしていこうという方針を出しております。私は、葛飾 区における医療の課題については、一般質問や委員会を通じ議論をさせていただいておりますが、この課題については区民の生命にかかわる問題でもありますか ら、正面から向き合って対応していく必要があると思っております。

葛飾区を取り巻く医療環境の現状については、高齢人口が増加を続けており、平成24年4月時点で65歳以上の高齢者は人数で9万8,878人、率で22.77%となっております。このため加齢に伴う疾病、いわゆる三大疾病の有病率も比例して高めの傾向にあります。

また、葛飾区民の死亡者数は平成23年では4,288名でありまして、死亡率については東京都平均より上回っており、また年々増加傾向にあります。葛飾区 の現況によると、平成23年の主要死因別死亡者数では、悪性新生物が1,285人、心疾患が679人、脳血管疾患が401人と3つの疾患で全体の6割近く を占めていますが、この3疾患はいずれも人口10万人当たりの死亡者数が東京都全体よりも高い状況です。理由はさまざまあると思いますが、なぜこういう状 況になっているのかを分析をして対処しなければならないと思います。また、今後、高齢化社会が進む中で患者の数もますますふえていくのではないかと危惧い たしますが、区としてどのように対処していくのか、気になるところです。

そこで質問いたします。

区は、今後10年で将来推計人口、将来推計患者数をどのように見込んでいるのか。また、成人病3疾患、がん・脳卒中・心臓病の死亡者数における全国平 均、東京都との比較及び区東北部二次保健医療圏との比較がどのようになっているのか。また、この現況について区はどのような分析をしているのか。また、全 国・東京都・区東北部との比較について区の評価や見解を伺いたいと思います。

次に、医療資源の動向についてですが、一般病院は、平成17年10月の段階で21病院あったものが平成21年には19病院に減少しており、その後横ばいに なっております。この減少に伴って、一般病少数も平成17年には1,873床あったものが平成21年には1,843床に減少し、平成22年に2床ふえたも のの、1,845床にとどまっております。

これは葛飾区単独についてですが、区東北部二次保健医療圏として見てみますと、東京都の医療施設によりますと、平成15年から平成22年にかけて、病床数 については足立区が18.6%、荒川区は22.3%増加していますが、葛飾区だけがマイナス3.8%減少しております。人口10万対病床数を比較しても、 東京都、区東北部医療圏と比較しても低い状況です。

これらのデータはどういうことを示しているかといいますと、区東北部の二次医療圏全体としては病床数は充足されていますが、医療圏の中の各区に置きかえる と格差が生じてきているということであります。荒川区や足立区に比べ、葛飾区は低くなってしまっているということであります。これは看過できません。葛飾 区保健医療計画では、この点について課題が述べられておりますが、ほとんど改善されておりません。しかし、この点については、葛飾区単独では解決できない ことも理解しております。東京都そして医療圏との調整を含めて対処していかないといけない難しい課題です。しかし、病床いわゆるベッドの数というものは、 葛飾区民にとっても大切な医療資源であり、医療環境の充実には欠かせないものであると思います。

そこで質問をいたします。

平成21年改正の葛飾区保健医療計画では、療養・一般病床数において、区東北部二次保健医療圏内として、基準病床数に対する病床数はほぼ満たされている。 しかし、足立区、荒川区と比較して、人口10万人当たりの病床数を比較すると低い状況になっているが、直近の状況を伺いたい。また、この域内で発生してい る各区の病床数格差についての区の見解と今後の病床数の格差是正に向けた取り組みについて伺います。

区民が適切な医療の提供を葛飾区内あるいは医療圏内でふだんから受けているのかどうかも気がかりであります。身近に医療の提供を受けたいというのが率直な 気持ちでもありますし、日常における安心感につながるものと思いますが、現状はどのようになっているのか。区民が区東北部二次医療圏内あるいは葛飾区内で 医療の提供を受けているのか。あるいは他の医療圏、区外に行って医療の提供を受けているのか。また、救急医療についても同様であります。救急隊や医療機関 の方々も日夜懸命に取り組んでいただいているところでありますが、すぐに搬送してくれるのだろうか、あるいは身近なところに行ってくれるのだろうか、気に なるところです。

平成22年度東京都救急搬送実態調査結果の速報では、平均救急搬送時間が51.5分との報告がありました。救命救急は都の役割だと認識した上で、要因はさ まざまありますが、いずれにせよ救急医療というものに関して、本区においては、区民の生命を守るという観点から都と連携しながら改善しなければならない課 題であります。区内あるいは医療圏内で適切な医療サービスの提供を受けられ、救急救命も同様に身近でサービスを受けられるようにしなければなりません。

そこで質問をいたします。

区東北部二次保健医療圏及び葛飾区における患者受療の流出入状況について、直近の状況を伺いたいと思います。

また、葛飾区における救急搬送の状況や区内・区外への救急搬送状況の比較分析及び見解を伺います。

言うまでもなく、医療の充実は、直接区民の命や健康の維持などに直結するものであります。したがって、さまざまな課題がある中でスピード感を持って対応し ていかなくてはなりません。特に、東京都との連携や医療圏内での協議などを含めて葛飾区単独では解決できないことも多くあり、そういう意味では課題解決に 向けて早急に方向性を出していく必要があると考えます。ぜひスピード感を持って取り組んでいただきたいと思っております。

そこで質問をいたします。

平成25年度予算案では、医療環境の充実については1年かけて取り組むべき施策を検討するとあるが、この文面からはスピード感が伝わってこないが、平成 21年改定の葛飾区保健医療計画でも明確に課題が抽出されています。検討するだけでなく、課題解決に向けて明確に方針を示すべきと考えるが、今後の方向 性、スケジュールなどを問いたいと思います。

区民側の意識としては、東京都が実施した平成21年度都民の健康と医療に関する実態と意識調査で見ますと、がん医療対策に望むことで最も多かったのが、高 度ながん医療の提供、患者の症状に合わせ高い水準で適切な治療が受けられるような体制の整備が65.2%、次に、がん患者や家族が治療法や不安・悩みなど を気軽に相談できる窓口の充実が53.1%となっています。また、脳血管・心疾患を中心とした疾病による後遺症に対するリハビリテーションの需要が高く、 維持期の介護サービスに円滑に移行するために、急性期の治療と回復期のリハビリについてもニーズが高い状況です。このことからも、高度医療の提供や実態に 対する意識が高いことと医療体制の充実を望む声が非常に高いことが示されております。

他の自治体、特に練馬区は、東京都二次医療圏である区西北部における病床偏在を解消し、地域医療供給体制の充実を図るために東京都に対して増床の働きかけ を行い、400床規模での大学附属病院の誘致を行ったり、江東区においても、臨海部の人口増加への対応や周産期を中心とした医療体制の充実を図るために、 平成26年3月に開設予定の昭和大学新豊洲病院との連携を図ろうとしています。千葉県では、成田市においても大学医学部を誘致して、地域医療基盤の強化を 目指していると伺っております。

区民の意識やニーズを的確にとらえ、また、課題に対して、ソフト面だけでなくハード面の整備においても手を打っていく必要があると思います。

そこで質問をいたします。

成人病3疾患、がん・脳卒中・心臓病への対応やリハビリテーションの対応は喫緊の課題であると考えております。医療環境の向上を目指して医療機関の誘致を進めていく必要があると考えますが、区の見解を改めて伺いたいと思います。

今までの質問は、現状についての対策の必要性について述べさせていただきました。一方で、疾病を防いでいくには、早期発見・早期治療が重要であることは言うまでもありません。

葛飾区では、生活習慣病でもある糖尿病に注目をして、かつしか糖尿病アクションプランを実施しようとされております。このことは評価いたしますし、積極的 に取り組んでいただきたいとも思っております。しかし、特定健康診査の受診率を見ますと、45%前後でここ数年横ばい状態になっております。受診率が上が れば早期発見・早期治療に結びついていくと考えるが、区の見解をお伺いしたいと思います。

また、早期治療を行えば疾病が重症化しなくなり、結果的に医療費の増加にも歯どめがかかるため、財政的にも効果があると考えますがどうでしょうか。今後も受診率の向上に向けた取り組みをすべきと考えますが、区の見解と具体的な方策を伺いたいと思います。

環境問題について伺います。

現在、中国のPM2.5による環境問題が指摘されております。中国における急速な工業化への環境対策が不十分なことが原因だと思われますが、PM2.5は ディーゼル車や工場の排ガスに含まれるすす成分が代表格で、硫黄酸化物や窒素酸化物など多様な物質を含むとのことであり、肺の毛細血管に入り込むと、呼吸 器だけでなく循環器系に悪影響を及ぼす可能性があるようで、日本では大気1立方メートル当たり1日平均35マイクログラム以下、年平均15マイクログラム 以下の環境基準が定められております。

10年以上前から飛来しているもので冷静な対応をすべきとの声や健康に直ちに影響がないとの意見もありますが、一方で、影響がないのはあくまで健康な人 で、呼吸器や循環器に疾患がある人は濃度が高い日の外出を控えるなどの注意が必要との指摘もありまして、区民側からすればどう判断していいのかわかりませ ん。区民に安心していただくには、やはり正確なデータの提示や知識の提供をすることが必要だと思います。

現在、東京都の方で、葛飾区においては鎌倉局と環七亀有局で測定され、公表されておりますが、ホームページ上では、東京都のホームページに一旦飛んで情 報を確認する必要があります。区民サービスの向上という観点からすると、リンクするのではなく、葛飾区の数値を文面でホームページ上に掲載すべきだと思い ます。また、こういった情報はホームページ上だけでなく、フェイスブックやツイッター、安全・安心情報メール、紙媒体など、さまざまな場面で区民の方々に 伝えていくことも重要であることは言うまでもありません。

そこで質問をいたします。

葛飾区におけるPM2.5の状況及びデータの提示や知識の提供をさまざまな広報媒体を通じて行うべきと考えるがどうか。

東京都が測定結果を公表しているが、葛飾区としても検査機器の設置をして独自に公表していくべきと考えるがどうか。

次に、葛飾区内の交通網についてお伺いいたします。

葛飾の交通機関や交通網については、本会議や各委員会でも、私たちの会派だけでなくさまざまな方々が発言をし、議論をさせていただいておりますが、やはり 葛飾区のまちづくりとしての大きな課題の一つとして、現状の交通網が必ずしも満足できるものではないということであります。

平成24年の政策マーケティング調査によりますと、葛飾区内の交通の便はよいと思いますかという問いに対し、はいが53.9%、いいえが45%という結果 が出てきております。全体的に評価が出ているように見えますが、地域別に見ますと、水元地域で66.2%、新小岩・奥戸地域で51.9%、南綾瀬・お花茶 屋・堀切地域で48%がいいえと答えており、地域別に満足度が低いところも出てきております。

年代別に見ると、20歳代から50歳代までは46.2%から53.2%がいいえと答えていて平均を上回っており、満足度が低い傾向が出ております。

葛飾区は、都市計画マスタープランを策定して公共交通体系の整備方針図として示されておりますが、概略過ぎるので、整備方針がわかりづらい部分も散見され ます。広域複合拠点間の交通結節機能も必ずしも満足できるものではありませんし、やはりもう少しきめ細かく分析をして課題点を精査し、中長期的な方針を打 ち出していく必要があるのではないかと思います。

そこで質問をいたします。

平成24年の政策マーケティング調査の公共交通についての結果について、区の評価と見解を伺いたいと思います。

公共交通体系の整備方針について、広域複合拠点間の交通結節機能を強化し、また、区内全域の利便性を向上させるよう課題を分析・抽出し、特にバス路線について包括的かつきめ細かく取り組む必要があると思うがどうでしょうか。

最後に、防災対策及び減災協働プロジェクトについてお伺いいたします。

新基本計画の減災協働プロジェクトとして、緊急耐震プロジェクト、液状化対策プロジェクト、水害対策強化プロジェクトの3つを掲げておりますが、その中でまず緊急耐震プロジェクトに関して伺いたいと思います。

区は、耐震化について積極的に取り組んでおり、過去の補正予算の中で大幅な制度拡充を行い、城東5区でも一番充実した助成制度になっており、大変評価をし ております。災害対策として建築物の倒壊を防ぐことは重要であり、今後も区民の生命・財産を守っていくという見地からも、継続して取り組むべき課題だと思 います。

そこで質問をいたします。

葛飾区耐震改修促進計画の最終年度が平成27年度ということもあり、平成27年度までに掲げている目標を達成するために、耐震設計、耐震診断などの補助率や限度額のアップなど事業の拡充を図るとあるが、今後どのような施策を考えていくのか伺いたい。

次に、液状化対策プロジェクトについて伺います。

東日本大震災が発生した際に、千葉県の浦安市を初め各自治体、葛飾区においても東金町地域の一部で、液状化によって建物の傾斜や道路の損傷などの被害が発 生しました。このような状況を事前に予測することは難しいとは思いますが、被害が出た以上、対策は必要であります。また、液状化マップができた際には、区 民への報道のあり方や既存建築物への対応をどのようにしていくのかという課題もあると思います。

そこで質問をいたします。

新基本計画で新たに盛り込まれた地盤の液状化対策ですが、前期実施計画(案)では、液状化マップの検討・作成で平成25年度、平成26年度の2年間をかけ た後、液状化対策の助成制度を創設する計画となっています。しかし、被害を拡大させないためにも、液状化マップの検討・作成と並行して地盤のボーリング調 査結果によって助成制度を創設していくことが必要ではないかと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。

また、液状化マップを作成した後、その上に建っている既存の建築物への対策についてはどのように考えているのか、区の見解を伺いたいと思います。

次に、水害対策強化プロジェクトについて伺います。

葛飾区は、ハザードマップにも示されているように、河川に囲まれており地盤も低いことから、水害に対しても対策を打ち出し、そして推進していく必要があり ます。前期実施計画(案)では、一時避難施設との協定の締結や非常用発電機等を設けた浸水対応型建築物の整備推進、一時避難施設への備蓄品配備などが述べ られていますが、具体的な内容について伺いたいと思います。こういった一時避難施設に対して、災害対策を行った際に整備費助成などを考えているのか伺いた いと思います。

最後に、不燃化について伺います。 東京都が実施する木密地域不燃化10年プロジェクトについてですが、昨年の代表質問でも公募に参加して不燃化を推進していただきたいとの提案をさせていた だき、その後、関係部局の方々の努力によりまして、四つ木一丁目・二丁目が不燃化促進特定整備地区、いわゆる不燃化特区地域に選定をされました。

その当時においてはプロジェクトの骨子がどのようになっていくのか決まっていない状況でありましたが、平成25年の1月に東京都から特区制度の案が示され ました。その中の一番目の不燃化特区の要件では、区域とコア事業の要件が示されております。特に、区民に影響がある区域の要件では、新たな防火規制以上の 規制誘導、そしてコア事業の要件では、平成32年度までに、不燃化領域率を70%となる整備プログラムを策定する中で、都市計画事業または土地収用法第3 条に規定する事業、不燃化領域率を3から5ポイント向上させることなどが要件となっております。このことは区民の土地や建物などの資産運用にも影響を及ぼ すことになりますので、密接に区民とコミュニケーションをとり、合意形成を図りながら取り組んでいかなければなりません。また、2020年までに達成する ということですから、早急にスケジュールを含め整備プログラムを策定する必要があります。

そこで質問をいたします。

まず初めに、不燃化特区内の直近の不燃化領域率を伺いたいと思います。

次に、不燃化10年プロジェクトにおける不燃化特区の要件で、新たな防火規制以上の規制誘導や2020年度までに不燃化領域率70%となる整備プログラム を策定することになっていますが、70%を達成するための整備プログラム策定状況、具体的な中身、スケジュールなどを伺いたいと思います。

 次に、これらを支える支援策についてですが、東京都は、種地の確保や建てかえの推進、専門家の派遣など、基本的な考え方を示しておりますが、東京都の具 体的な支援メニューを見ますと、建物の除却費の全額助成、建物の設計費の助成、固定資産税等の5年間全額減免措置、弁護士などの専門家を利用した際の費用 助成などがありますが、家屋を木造から鉄骨造に建てかえる際のモデルケースを見てみますと、通常総額1,600万円かかるものが支援を受けると1,390 万円になり、約210万円の負担軽減になるとなっております。固定資産税の5年間全額減免措置もあり、将来的な経済的負担軽減も大事でありますが、やはり 建てかえ時においての経済的負担を考慮すると、もう少し助成制度を拡充していかないと区民にとっては厳しいのではないかと思います。正直な感想を述べます と、東京都の支援メニューは必ずしも十分なものとは言えないと思います。また、2020年度までに不燃化領域率を70%まで達成していくというプロジェク トの目的がありますから、期間的なことや事業の大きさからすると、人や財源をさらに投入して強力に推進していく必要があると考えます。

そこで質問をいたします。

建築物の建てかえ時においての経済的負担を軽減するために、東京都の支援メニューに上乗せする助成の拡充や区独自の助成制度の創設を検討すべきではないかと考えますがいかがでしょうか。

今回、不燃化特区に選定されていない木造密集地域があります。他の木造密集地域の不燃化対策をどのようにしていくのか伺いたいと思います。

2020年度まで不燃化領域率70%の実現は、時間的にもタイトなものと思われます。マンパワーにも限界もあると感じます。人材や財源を投入して区の執行 体制を強化していく必要があると考えますが、区の見解を伺いたいと思います。また、都に対してもさらなる支援体制の充実を要請する必要があると考えます が、お考えを伺いたいと思います。

以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○(青木克徳区長)

米山議員のご質問にお答えをいたします。

初めに、財政フレームの考え方についてのご質問にお答えいたします。

今回お示しした前期実施計画(案)におきましては、各部が計画した4年間の計画事業費を前提に、全庁挙げた経営改革の取り組みや起債・基金等の財政対応能力、さらには都区財政調整制度を最大限活用して、平成25年度から28年度までの4年間の財政フレームを作成したところでございます。

具体的な積算につきましては、平成25年度当初予算を発射台としておりまして、新年度の補正予算で都市計画道路整備や密集事業の用地取得費などを計上していく予定ですので、25年度の金額は当初予算1,717億円より30億円ほど多い1,747億円ほどになっております。

まず、歳入でございますが、特別区税の特別区民税は、基本計画でもお示しした本区の将来人口推計や国が示している今後の経済成長率などをもとに見込むとともに、26年度からの均等割引き上げ分も反映させております。

特別区交付金につきましては、現行制度の存続を前提にいたしまして、まちづくり事業を中心に実額算定分を歳出連動で加減させ、見込んでおります。

基金繰入金及び特別区債につきましては、対象となるまちづくり事業や施設整備等計画事業に対して最大限充当をしております。

次に、歳出でございます。

人件費につきましては、総人件費抑制の観点から、経営改革の取り組みにより4年間の職員数を2,900人にすることを見込み、毎年20人ほどの減で積算をしております。

扶助費及び特別会計繰出金につきましては、現行制度を前提といたしまして、過去の伸び率を用いて見込んでおり、公債費につきましては、23年度までの発行した起債に係る確定償還費に、今年度分も含めまして28年度までに新たに発行します起債に係る償還費を加えて見込んでおります。

計画事業費につきましては、事業のおくれを想定することなく計画どおりの進捗により見込んでおり、計画の後半には、立石駅周辺地区再開発事業を初めとするまちづくり事業が本格化するため、大幅な増となっております。

こうして見込んだ今後4年間の財政フレームは、歳入・歳出とも総額7,257億4,300万円と積算したところでございます。

しかしながら、今回の財政フレームは現行制度が存続することを前提に積算しておりますので、今後、区財政に影響を及ぼす財調制度の改変や税制改正などには十分注視をしてまいりたいと考えております。

次に、公共施設建設基金の積み立て及び取り崩し計画の考え方についてのご質問にお答えをいたします。

公共施設建設基金につきましては、公共施設の建設や建てかえ、耐震補強工事や省エネ改修工事の財源、さらには今年度の第4次補正で32億円ほど積み増しをさせていただきまして、今後の施設の長寿命化のための改修工事の財源としても活用する基金でございます。

この基金の前期実施計画の財政フレームでの活用につきましては、水元体育館の改築を初めとするフィットネスパーク整備事業や空調・照明設備などの省エネ改修工事、耐震補強工事などの財源として、4年間で56億円ほどの取り崩しを予定してございます。

また、財政フレームでは新たな積み立てを行ってございませんが、今後の400を超える公共施設の長寿命化や建てかえなどのため、毎年度の財政状況を勘案しながら、決算余剰金を活用しまして積み増しを行っていきたいと考えております。

次に、転入・転出の際に政策評価のアンケート等をとり、政策効果の分析をし、政策及び方向性の指針となるような調査をすべきと思うがどうかとのご質問にお答えをいたします。

葛飾区が生き生きと活気ある地域であり続けるためには、既に区内に暮らしている区民の皆様に政策を評価していただき、住み続けていただくことはもとより、区外の方に、葛飾区に住んでみたいと思っていただくことも重要であります。

そのためには、区外の方にとって葛飾区がどのように評価され、どのような政策が魅力的であるのか、また、転出される方がどのような理由で転出を選択されたのかなどについての把握も、今後より一層重要になってくるものと考えております。

ご提言も踏まえ、既に実施しているさまざまな調査に加えて、住民の流出入と区政との関係についての分析を行うための調査として、転入・転出者など、どのような方を対象に、どのような方法、内容で実施するのが必要なのか、今後十分検討してまいりたいと思います。

次に、成人病3疾患の死亡者数についてのご質問にお答えいたします。

本区において死亡者数の多い死因は、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の順となっており、この3疾患で56.2%を占めております。3疾患合計の人口10万人対死亡者数については、すべての資料がそろいます平成22年で比較いたしますと、葛飾区の527.0人に対し全国は527.2人と、ほぼ同水準となっております。

一方、東京都や区東北部保健医療圏と比較いたしますと、東京都は449.1人、区東北部保健医療圏では517.1人となっており、本区は都内で3疾患による死亡者数が多い状況にあります。特に、悪性新生物と脳血管疾患については全国平均も上回っており、食生活や運動習慣、喫煙などの生活習慣を改善することが重要であると考えております。

引き続き、区民の皆様に生活習慣に関する正しい知識や予防知識を持っていただけるよう普及啓発に努めるとともに、健診の機会を確保し、その受診率の向上を図ることで、みずから健康管理ができ、疾患の早期発見につながるよう努めてまいります。

次に、人口10万人当たりの病床数の比較、区の見解及び格差是正に向けた取り組みについてのご質問にお答えいたします。

病院等における一般病床数につきましては、基準病床数として、東京都が設定している二次保健医療圏ごとに上限が定められております。本区が属する区東北部二次保健医療圏においては、この基準病床数に対し、ほぼ充足している状況にあります。

しかしながら、お話にもありましたとおり、本区の人口10万人当たりの一般病床数は、平成24年6月1日現在で407床となっており、同一医療圏の属する足立区の585床及び荒川区の538床と比較して少ない状況にあります。

この基準病床の制度については、全国一律の基準に基づくため、高齢化率の急激な上昇など大都市部の実態を反映していくのは難しいものと認識しております。私といたしましては、このような課題に対し、東京都等とともに連携・協力しながら取り組んでいきたいと考えているところでございます。

また、区内の一般病床数をふやしていくためには、具体的な医療機関整備の計画を持って東京都と協議する必要があります。そのためには、区だけでなく、区議会を初め区民の皆様、区内医療関係者とも協働して取り組むことが必要であります。区としての効果的な施策の方向性をお示しするとともに、区を挙げての協力関係を築いていくことが何よりも大切であると考えているところでございます。

次に、医療環境の充実についての今後の方向性及びスケジュールについてのご質問にお答えいたします。

区内医療環境のさらなる充実を図るためには、その基礎となる医療環境の現状について的確に把握し、10年、20年先を見越して取り組むことが重要でございます。そこで、平成24年度におきましては、本区が属する区東北部二次保健医療圏及び隣接自治体を含めた医療環境の現状を把握するため、各種公表資料や統計資料に基づく医療受給調査、区民・医療機関・救急隊・介護保険事業者へのアンケート調査などを行ってまいりました。さらに、これらの調査結果を総体的に分析した上で、区内医療環境の充実に向けた課題を明らかにすべく検討を進めているところでございます。平成24年度末には調査結果を報告書としてまとめ、平成25年度の早い段階で所管委員会にご報告してまいりたいと考えております。

また、課題につきましては、医療機能の充実や医療機関の運営に関することなどに分類整理するとともに、課題の解決に向けては、ソフト面・ハード面及び短期的・中長期的といったさまざまな観点から検討を行っており、参考となる事例についても検証を重ねております。平成25年度には、これを踏まえ、課題解決に向け区として実施できる施策の基本的な方向性を検討してまいりたいと考えております。

次に、医療環境の向上を目指した医療機関の誘致についてのご質問にお答えをいたします。

ご質問にもありますように、加齢に伴い発症率が高まるがんや心疾患、脳血管疾患の3疾患への対応につきましては、今後10年間において、65歳以上の高齢者人口がふえると見込まれる中では、重要な課題の一つであると認識をしております。

また、今回行いました区民アンケートの中でも、高度医療を提供できる医療機関の設置に関する多くのご要望があることに加え、中級医療機関の充実、日常的な受診がしやすい地域医療の充実、福祉や介護と連携した在宅療養の支援や回復期・維持期のリハビリテーション医療の充実など、さまざまなご意見をいただいているところでございます。

これらの要素を客観的なデータに基づき課題として分類整理し、さまざまな視点から多角的に検討を進めながら、区としてできることに積極的に取り組むため、来年度には解決に向けた施策の基本的な方向性をまとめていきたいと考えております。取りまとめに当たっては、ハード整備やソフト事業の充実など、あらゆる面から効果的な施策を検討してまいります。

次に、平成24年の政策マーケティング調査についてのご質問にお答えをいたします。

平成24年度の調査におきまして、あなたは葛飾区内の交通の便はよいと思いますかの問いに対し、交通の便はよいとお答えいただいた方は、およそ半分強の53.9%、交通の便はよくないとお答えをいただいた方は45.0%といった結果になっております。

おおむね半数以上の方が交通の便はよいと感じられており、一定程度の評価はいただいているところでございますが、さらに多くの区民の方々に区内の交通の便はよいとの評価をいただけるよう、今後も取り組んでまいりたいと考えております。

次に、公共交通体系の整備方針についてのご質問にお答えいたします。

区では、都市計画マスタープランに拠点として位置づけられている駅周辺のまちづくりを進め、葛飾区全体ににぎわいや活気を創出していくためには、拠点間の連携を強化していくことが不可欠であると考えております。

また、今後、高齢者人口の増加に伴い、高齢者の社会参加を促進していく上でも公共交通網、とりわけ身近な足としてのバス路線の重要性は、ますます増加していくものと考えております。

こうした状況を踏まえ、区といたしましても、拠点間を結ぶバス路線など、バスを中心とした区内全域を俯瞰した交通のあり方について、地域特性に応じた課題を分析・抽出し、今後、公共交通に係る具体的な計画の策定を検討してまいりたいと考えております。

次に、不燃化特区に選定されていない木造密集地域の不燃化対策についてのご質問にお答えいたします。

木造密集地域では、道路などの都市基盤が未整備なまま市街化されたために、細街路が多く、老朽化した木造建築物が密集しており、防災面や居住環境の問題を抱えております。大震災が発生すれば大変危険な状況にあるため、建築物の不燃化対策が急務であり、さらに道路や公園などの都市基盤整備をすることで、地域の防災性向上を図っていく必要があります。

そこで区では、不燃化特区に選定されていない木造密集地域の中でも、特に防災まちづくりが急がれる東立石四丁目地区、東四つ木三・四丁目地区において、都市計画法の防災街区整備地区計画を策定し、建築物の建てかえ時に、燃えにくい構造とするなどのルールを将来にわたって守っていく制度を活用して防災まちづくりを進めています。

一方で、首都直下地震の発生が切迫する中で、防災機能の迅速な改善が急務であることから、区では、この防災街区整備地区計画とあわせて、密集事業などの手法を活用し、地域の防災性の向上についてスピードアップを図ってまいります。

今後、不燃化特区に認定されていない木造密集地域につきましても、防災性を向上させていく必要があることから、不燃化特区の導入に向けて東京都と検討を進めてまいります。

次に、不燃領域率70%の実現のために区の執行体制を強化していく必要性、さらに都に対してもさらなる支援体制の充実を要請すべきとのご質問にお答えいたします。

地区内の不燃領域率を向上させていくためには、密集事業で計画している主要生活道路の整備を通じて燃え広がらないまちをつくるとともに、用地買収を通じた建物の不燃化を進めていくことが肝要と考えております。

しかし、用地買収を進めるに当たっては、権利者の生活再建を第一に進めていく必要があるため、道路整備を行うまでに長い時間を要します。阪神・淡路大震災の教訓や首都直下地震の切迫性を踏まえ、密集事業の主要生活道路の早急な整備と地区内の不燃領域率の向上を目指していく必要があります。

このため、本区は、東京都が立ち上げた不燃化10年プロジェクト制度において、職員が行っている用地買収の一部を民間に委託する整備プログラムを提案し、不燃化特区に認定されたところでございます。

今後も、区の執行体制を見据え、この不燃化特区制度の用地折衝委託を活用するとともに、地区内の不燃化を加速するための支援を東京都へ要請してまいりたいと考えております。

なお、その他のご質問につきましては、所管部長より答弁いたさせます。

○(筧 晃一政策経営部長)

次に、緊急防災事業に係る財政調整基金の積み立て、取り崩し計画の考え方及び区民への周知についてのご質問にお答えいたします。

平成27年度までの間に緊急に実施する防災のための施策に要する費用に充てるため、26年度から特別区民税均等割額の引き上げを行うこととなっております。

財政スキームとしては、27年度までの対象事業に対して前倒しで財政調整基金の取り崩しで対応し、26年度から35年度の間の均等割額引き上げ分を財政調整基金に積み戻すこととしております。

この具体的な事業といたしましては、学校へのマンホールトイレ設置や非構造部材の落下防止対策などの学校避難所の機能強化、公共施設への非常用発電設備の設置や非構造部材の落下防止対策など公共施設の防災機能の強化、防災番組の制作放映や啓発用DVDの作成などの防災の意識啓発を予定しております。

前期実施計画(案)の財政フレームでは、これらの事業費は4年間で総額約18億円ほどを予定しており、これに対して11億円ほどを財政調整基金から取り崩すこととしている一方で、均等割額が引き上がる26年度から、毎年度1億800万円を積み立てることとしております。均等割額の引き上げ分は35年度までで総額10億8,000万円に達しまして、先行して財政調整基金から取り崩す額は約11億円でございますので、余剰が発生することはないと考えております。

また、この特別区民税の均等割額引き上げ分を活用した緊急防災対策事業につきましては、毎年度の予算公表に合わせまして、予算概要、ホームページ、広報等で、わかりやすく区民の方に周知してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○(白木 昇特命担当部長)

次に、将来推計人口及び将来推計患者数についてのご質問にお答えいたします。

本区における将来推計人口につきましては、新基本計画にも記載しておりますとおり、平成28年の45万3,946人をピークに、その後は緩やかな減少が見込まれ、10年後の平成34年は45万722人と推計しております。また、将来推計患者数につきましては、10年、20年先を見越して医療環境の充実に取り組む必要があることから、今年度実施した医療環境に関する調査において公表されている将来推計人口を参考に、平成44年までの将来患者数を推計しております。この調査における本区の1日当たりの将来推計患者数は、入院患者数が平成39年の4,376人、外来患者数が平成34年の3万704人をピークに、その後は減少に転じると見込んでおります。

次に、区東北部二次保健医療圏及び葛飾区における患者受療の流出入状況についてのご質問にお答えいたします。

区東北部二次保健医療圏における入院患者の流出入動向につきましては、厚生労働省が公表している平成23年患者調査のデータをもとに算出しますと、流入率30.1%に対し流出率46.3%と流出超過の状況となっております。また、本区の流出入動向につきましては、公表資料から算出できないため把握が難しい状況にありますが、参考となるデータといたしまして、区民全体をとらえているものではありませんけれども、国民健康保険及び後期高齢者医療制度加入者のレセプトデータを分析いたしますと、入院患者の流出割合が63.8%となっております。

次に、本区における救急搬送状況についてのご質問にお答えいたします。

本区における平成23年度の緊急搬送の状況でございますが、区内で発生した全事案のうち、区外へ搬送した割合が半数近くに及ぶと把握しております。本区が属する区東北部二次保健医療圏は、隣接する区東部二次保健医療圏に次いで医療機関の受け入れ調整に時間を要し、地域救急医療センターが調整を行う、いわゆる東京ルールが適用される割合が多い地域となっております。今回の医療環境に関する調査結果に基づき救急医療に関する課題が明らかにされましたら、それを踏まえて区としてできる取り組みを多角的に検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○(丹 保福祉部長)

医療環境の充実に関する質問のうち、特定健康診査の受診率の向上により早期発見、早期治療に結びつき、重症化防止により財政的な効果があるのではないかとのご質問にお答えいたします。

お話のとおり、特定健康診査の受診率を向上させることで、より多くの生活習慣病患者の早期発見、早期治療に結びつくものと考えております。

また、被保険者の方々が、特定健康診査を受診することで、潜在的な生活習慣病を発見することにつながり、早期に治療を受けることで、生活習慣病の重症化を抑制することができます。

これらのことから、早期治療による一時的な医療費の増加があっても、長期的に見れば、お話のとおり医療費の抑制につながり、財政的に効果があると考えております。

このため、平成25年度から29年度の5カ年間を計画期間とする第2期葛飾区特定健康診査等実施計画では、平成29年度の特定健康診査受診率の目標値を60%と定め、今年度47%にとどまっている受診率を13ポイント向上させることを目指しております。

次に、受診率の向上に向けた取り組みをすべきとのご質問にお答えいたします。

第2期葛飾区特定健康診査等実施計画の中では、受診率向上に向けた取り組みとして、事業周知の充実を図ることとしております。

具体的な方策といたしましては、これまで実施してきております特定健康診査の受診勧奨などの取り組みに加えて、来年度から、自治町会を通じて特定健康診査の周知用チラシを回覧するとともに、健康プラザで開催される健康フェアにおいて、特定保健指導のPRを行うことにしております。

また、平成26年度以降は、子どもまつりなどのイベントでのPRや小・中学校PTAなどを通しての周知など、受診率の低い四、五十歳代の子育て世代に対するPRにも努めてまいります。

以上でございます。

○(深井祐子環境部長)

葛飾区におけるPM2.5の状況及びデータの提示や知識の提供をさまざまな広報媒体を通じて行うとともに、区としても検査機器の設置をして独自に公表していくべきとのご質問にお答えをいたします。

PM2.5は、大気に浮遊する粒子の大きさが2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質であり、髪の毛の太さの30分の1程度と非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、ぜんそくなど呼吸器系のほか、循環器系への影響が懸念されております。中国で大気汚染が深刻化した本年1月以降、国内でも西日本を中心に健康不安が広がったことから、環境省や東京都では、PM2.5に関するホームページ専用サイトを開設しております。

区といたしましても、こうした動きを受け、2月13日には区ホームページ内にPM2.5に関する専用サイトを開設し、基礎的知識を掲出したほか、環境省の専用サイトや東京都が観測している区内2カ所を含む都内の観測値が確認できる専用サイトへリンクを張るなどの情報提供に努めているところでございます。

ご質問にあります区ホームページの工夫・改善については、区民が短時間でアクセスできるよう早急に対応するとともに、広報紙などのほかの媒体の活用につきましても検討をしてまいりたいと考えております。

次に、区独自の測定をすべきとのご質問でございます。

PM2.5については、大気汚染防止法上、平成22年3月から都道府県及び政令市で常時監視が義務化され、現在、全国556地点で測定が行われております。東京都の56地点のうち、葛飾区内では環七通りの亀有と鎌倉で測定を行っており、4月からは水元公園でも開始される予定と伺っているところでございます。

現在の測定値は、平成21年に国が定めた環境基準を下回って推移しておりますが、区では、東京都の測定を補完し、区内のPM2.5の浮遊状況を区民にお知らせするため、平成25年度から、新宿の水戸街道沿道と西新小岩の蔵前橋通り沿道の2カ所において、1回当たり1週間、年4回の調査を独自に行う予定でございます。

PM2.5につきましては、国において、観測網を拡大し、健康へのリスクの情報を収集して注意喚起するための指針をあすまでにまとめるというふうに聞いております。

区におきましても、こうした国の動向を注視しながら、今後とも的確に対応してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○(澤永一都市整備部長)

葛飾区耐震改修促進計画を達成するため、耐震設計、耐震診断などの事業の拡充を図るための施策についてのご質問にお答えいたします。

本区では、東日本大震災を教訓に、耐震化の促進を図るため助成制度を実施してまいりました。平成23年度には、防災都市づくり推進計画の整備地域、高齢者や災害弱者の方々を対象とした耐震診断費用の全額負担や耐震改修に対する助成金の限度額を拡充してまいりました。

さらに、耐震化の促進を進めるため、今年度より区全域で木造住宅の耐震診断にかかる費用を区が全額負担するとともに、改修工事や建てかえに対しても助成金の限度額を160万円に拡充しております。また、改修や建てかえができない住宅の除却を進めるため、耐震上問題のある建築物の除却についても助成金制度を新設しました。

こうした制度の拡充により、耐震診断、耐震改修等の件数は、震災前の22年度の79件に比べて、23年度が277件、24年度は1月現在で既に460件となり、大幅な伸びとなっております。

しかしながら、耐震性の不足している建築物は依然として少なくありません。このため、耐震改修促進計画の目標の達成に向けて、これまで拡充した助成制度のより一層の活用が望まれているところです。

そこで、こうした助成制度を多くの区民が利用されるよう、積極的に区の広報紙やホームページによる案内を行っています。また、地域団体や建築士、工務店などとの連携を図り、説明会や戸別訪問などきめ細かな対応を実施し、建築物の耐震化促進を図るよう努めてまいりたいと考えております。

次に、地盤の液状化対策についての助成制度の創設に関するご質問にお答えいたします。

首都直下地震の被害想定では、23区の中で本区の液状化被害が最も大きいとの想定がなされ、特に木造住宅の液状化対策は早急に進めていくべき課題であると認識しております。

木造住宅の液状化対策については、東京都において専門家から成る検討委員会を設け、平成23、24年度の2カ年間をかけて検討を進めてまいりました。その結果がこの2月に報告されたところでございます。

具体的には、木造住宅など小規模な建物の敷地で液状化の被害を防ぐためには、地盤の状況を調査した上で液状化の判定を行う必要があること。東日本大震災では臨海部の埋立地や水田、湿地などで液状化が起こっており、こうした土地の履歴を把握することが重要であること。住民向けに液状化対策の方法や被災した建築物の修復方法なども提示をすること。さらに、液状化対策については専門的な知識を要することから、専門家によるアドバイスや相談を受けられる環境を整備することなどが提言されております。この提言を踏まえ、東京都では、区・市と協力をして液状化対策を進めていくと聞いております。

本区といたしましては、東京都と連携をして、液状化対策の支援となる液状化マップの作成や土地の履歴の情報提供、さらに地盤調査や液状化対策の方法などについての指導や情報提供を行ってまいりたいと考えております。

こうした支援策を進めていく中で、建築主や建物所有者に対する助成策についても今後検討を進めてまいります。

また、敷地が狭小なことや居住していることなどから、早急に施策を施すことが難しい既存の木造住宅等については、耐震改修や修繕の機会をとらえ液状化対策を行うことができるよう、指導や支援策について検討してまいりたいと考えております。

次に、不燃化特区に関する直近の不燃領域率のご質問についてお答えいたします。

木造地域不燃化10年プロジェクトは、東京都が、今般の東日本大震災や首都直下型地震の切迫性を踏まえ、震災発生時に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の不燃化の取り組みを加速させるために立ち上げたものでございます。その中で、東京都が不燃化のための特別な支援を行う不燃化特区を構築し、区と連携をして事業を推進していくこととなっております。

本区では、平成15年度から密集事業を実施している四つ木一・二丁目地区が、東京都から特区認定されたところでございます。不燃化特区の要件である不燃領域率は、市街地の焼失の危険性を示す指標となっております。燃えにくさを判断する準耐火以上の建築物の割合、燃え広がりを判断する幅6メートル以上の道路や公園等の空地の割合、この2つの要素から算出し、不燃領域率が70%を超えると、市街地の焼失率はほぼゼロになると言われているものです。四つ木一・二丁目地区の不燃領域率は、平成23年度末現在55%となっており、これを70%にするための整備プログラムを東京都に提案してございます。

次に、不燃化10年プロジェクトにおける整備プログラム策定状況、具体的な中身、スケジュールなどについてお答えいたします。

整備プログラムの策定状況としましては、東京都と最終的な調整を行っており、調整次第速やかに公表し、平成25年からさらなる事業推進を図りたいと考えております。

具体的内容としては、密集事業の推進でございます。幅6メートルの主要生活道路拡幅の用地買収を着実にこれまで進めてまいりました。

そこで、特別な支援策である専門家派遣支援制度を活用し、土地及び建物権利者との用地取得折衝の一部を民間委託することや、権利者の生活再建のために弁護士や税理士、まちづくりコンサルタントを派遣することで道路拡幅の用地取得のスピードアップを図り、道路や公園等の空地の割合を高めてまいります。

また、規制誘導策といたしましては、平成24年8月1日に都市計画決定をいたしました四ツ木駅周辺地区防災街区整備地区計画でございます。地区内にお住まいの皆様が地区計画で定めたルールに基づいて建てかえをすることで、木造の建物が準耐火以上の建築物に更新される等、地区の防災性が向上していくものです。

今後、説明会や戸別訪問などを重ね、地区の皆様のご意見を反映しながら、四つ木一・二丁目の具体的な建てかえのルールを定めることで、地区内の準耐火以上の建築物の割合をふやしてまいります。

今後も、東京都と連携し、地元の理解と協力をいただきながら、四つ木一・二丁目地区の不燃領域率を高めていきたいと考えております。

次に、建築物の建てかえ時において東京都の支援のメニューに上乗せする助成制度を検討すべきとのご質問にお答えいたします。

本区では、防災都市づくり推進計画の整備地域を対象に、木造建築物全体を耐火建築物または準耐火建築物に建てかえる工事に対しまして、助成制度を活用し、防災対策を推進してまいりました。

平成24年度からは助成対象を区全域に広げ、さらに建てかえ、改修の助成限度額を120万円から160万円に引き上げてまいりました。これにより、前年度に比較し1.5倍に助成件数が増加しております。

こうした助成制度を多くの区民が利用されるよう、職員や建築士による戸別訪問、区の広報紙やホームページによる周知はもとより、地域団体や建築士などと連携を図り、説明会を開催してまいります。

今後も、耐震助成制度を活用し建築物の建てかえ推進を図ってまいりたいと考えております。

以上でございます。

○(前田正憲地域振興部長)

次に、前期実施計画(案)における一時避難施設との協定の締結や非常用発電機等を設けた浸水対応型建築物の整備推進、一時避難施設への備蓄品配備などについての具体的内容、また、このような取り組みを行った際に整備費助成などを考えているのかとのご質問にお答えいたします。

本区は、前期実施計画(案)でお示ししているとおり、今後、水害対策の強化として、水害時一時避難施設との協定締結や同施設への備蓄品配備、浸水対応型建築物の整備推進などに取り組んでまいります。

水害一時避難施設は、広域避難する時間がなく逃げおくれてしまった区民が、水害から緊急的、一時的に避難することのできる中高層建築物のことですが、区では、このような施設を少しでも多く確保していくため、昨年9月に、UR賃貸住宅について都市再生機構と一時避難協定を締結いたしました。

現在は、自治町会と民間マンションとの一時避難協定の締結を促進しているところですが、このように協定を結んだ一時避難施設に対しましては、保管方法等を考慮した上で、簡易トイレやブランケットを区から備蓄品として支援するとともに、ステッカー等を表示して地域住民に一時避難施設であることを周知していく予定でございます。

次に、浸水対応型建築物の整備の推進についてでございますが、現在、東京大学生産技術研究所に委託し調査・検討を進めており、具体的には、公営・民間の集合住宅などの建築物を浸水に強い建物とするためのガイドラインの作成を進めております。

集合住宅につきましては、東京都や都市再生機構などの公共・公的事業者や民間事業者にヒアリングを行い、現状の集合住宅の浸水に対する脆弱性の把握と改善点を住宅別に詳細に検討しているところです。また、住宅に設置している電力設備が水に対して非常に脆弱であり、水害時の電力供給の停止に備え、施設に太陽光パネルを設置し避難時の電源として活用するなど、浸水時においても建物機能を保持し、水害に強い建物づくりを進めるためのさまざまな方法を検討しております。

また、ご質問にもあります、このような施設をふやしていくための助成等の方策につきましても、今後研究してまいりたいと考えております。

以上でございます。

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