平成20年第3回定例会~会議録より



▼平成20年第3回定例会(第2日 9月19日)より、私の一般質問を掲載します。

ぜひご一読願えれば幸いです。

会議名:平成20年第3回定例会(第2日 9月19日)(一般質問・ユビキタス)

○20番(米山真吾議員)

お許しをいただきまして、さきの通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。

現在、日本の社会において、携帯、インターネットを中心とした情報化社会が急速に進んでおります。私も、メールやインターネットを毎日利用していますが、仕事には欠かせないものとなっています。 情報通信白書平成20年度版では、日本のインターネット利用者数は、平成19年末で8,811万人、人口普及率は69.0%と推計され、ブロードバン ド利用の割合は、平成19年末で6歳以上人口全体の40.6%、自宅パソコンからのインターネット利用者の79.6%に上っており、データからもIT技 術を利用した社会環境は、もうなくてはならないものとなっています。 有線から無線、ネットワークから端末、認証やデータ交換等を含めた有機的な連携によって、あらゆる場面で継ぎ目なくネットワークにつながる環境を整備す ることによって、その結果、いつでも、どこでも、何でも、だれでも、ネットワークに簡単につながり、人と人に加え、人と物、物と物が結ばれるユビキタス ネットワーク環境が実現していく可能性があります。 総務省もu‐Japan政策と銘打って、ブロードバンドからユビキタスネットワーク環境に移行するため、e-Japan政策から次のステップへの移行に 取り組んでいます。今後は、有線中心のインフラ整備から、有線、無線の区別のないシームレスなユビキタスネットワーク環境への移行が期待されると考えま す。 このユビキタスという言葉は最近聞かれるようになりましたが、何のことだろうという方が、まだ大半ではないかと思います。 ユビキタスとは、あらゆる物や場所にコンピュータを埋め込み、いつでも、どこでも、だれでもが、最適な情報やサービスを入手できる環境のことで、どこにでも存在するという意味のラテン語由来の英語であります。 このユビキタスネットワークを実現するために、最先端のユビキタスID技術という技術を活用して、現在さまざまな地域で取り組みがなされております。 ユビキタスID技術とはどういうものかといいますと、簡単に説明いたしますと、皆さんよくご存じのICタグやQRコード、無線マーカー、赤外線マー カー、これらは無線LANを想像していただければわかりやすいと思います。これらをまちじゅうにある一定のエリア内の電柱、街灯や樹木、建物の壁、花壇な ど、まちに点在しているさまざまな場所に張りつけたり、設置をいたします。 利用者は、受信機とユビキタスコミュニケータや携帯電話を持ってまちに出かけるわけですが、エリア内にあるICタグや無線マーカーや赤外線マーカーの近 くを通過したり、ICタグに受信機や携帯電話をかざしたりすると、情報が受信され、コミュニケータや携帯電話に、その場所に関する情報がその場で手に入れ ることができます。場所に固有のコードを与えることで、場所に情報を結びつけ、健常者、身体障害者、外国人などすべての人に、さまざまなサービスを実現す るシステムです。 すべての人が持てる力を発揮し、支え合って構築するユニバーサル社会の実現に向けた取り組みの一環として、このシステムを活用することにより、移動経 路、交通手段、目的地などの情報について、いつでも、どこでも、だれでもがアクセスできる環境づくりが可能になります。これにより、多くの人が障害の有無 にかかわらず、行動の自由や社会へ積極的に参画する機会を得られるようになります。さらに避難情報、被災者救済情報の提供といった防災分野への応用や水 道、ガスなどの施設管理への広がりも考えられます。これらは、どれも人々の安心、生活にかかわることであり、ユビキタスID技術を用いることによって、よ り質の高い情報の提供が期待されています。 私は、さまざまな活用が期待されるこのユビキタスID技術を3つの観点から、この葛飾区のまちづくりに生かしてみてはどうかという質問をさせていただきます。 まず1点目は、人に優しいまちづくりにするために活用してみてはどうかという観点から質問いたします。 私が、この技術はすごいなと感じたのは、障害者に対応ができることです。 例えば、視覚障害を持っている方に、つえに受信機をつけまして、無線マーカーや赤外線マーカーの前を通過すると自動受信します。当然目が不自由ですか ら、耳にイヤホンをして情報が伝えられます。例えば、何メートル先は正面に壁がありますから気をつけてくださいですとか、何メートル先を右に曲がってくだ さいとか、情報を随時提供しながら、店舗や他の目的地までの道案内情報を流すことも可能です。 聴覚障害をお持ちの方は、ユビキタスコミュニケータのモニターを通じて、これらの情報を得ることができます。 現在、障害をお持ちの方が、だれの助けも得ず、みずから1人で観光やショッピングなど非常にできにくい環境であることは言うまでもありませんが、その一助になる可能性を秘めていると私は感じております。 板橋区では、国土交通省が進める自律移動支援プロジェクトの自治体サポーターとして参画しており、自律移動支援プロジェクトとして点字ブロックなどに ICタグを張りつけて、左に進むと何々商店街がありますとか、この先工事中ですとか情報が提供され、また、踏切にも設置され、踏切部分には赤外線マーカー が設置されており、近づくと専用端末が自動的に感知して、施設の利用案内や踏切の開閉情報などを受信する仕組みになっていて、情報者にとって安心感を得ら れる環境をつくれるのではないかと感じております。 そこで質問です。 道路の勾配改善工事など、障害者の方が安心して生活できるような施策を当区でも積極的に進めていますが、障害者に優しいまちづくりの一端を担える可能性 があるユビキタスID技術を活用した国土交通省が推進する自律移動支援プロジェクトなど、当区でも活用していく必要があると考えるが、見解を伺いたい。 また、国土交通省が推進する自律移動支援プロジェクトに自治体サポーターとして参画している他の自治体も多いが、当区も積極的に参画してみてはどうかと考えるが、見解を伺いたい。 また、民間企業や障害をお持ちの方々と連携をし、実証実験に取り組んでみてはどうかと考えるが、見解を伺いたい。 次に、2点目は、商業振興、観光振興、防災などのまちづくりにおいて、ユビキタスID技術を活用してみてはどうかという観点から質問させていただきます。 具体的にどういった活用の仕方があるかといいますと、例えば新宿区の例を取り上げますと、民間会社と協定を結んで、区内の約300機の自動販売機にこう いった情報プレートを張りつけて、区民の方や区外からまちに来た人が情報プレートのUコードやQRコードに携帯電話やコミュニケータでピッとかざしてアク セスすると、区のイベント情報、位置情報、観光情報や災害時を想定した避難場所への避難経路などを取得することができます。 この取り組みで注目されるのは、自動販売機を利用した点です。自動販売機は地域の至るところに設置されていますので、非常に利用しやすい点がメリットで す。気軽に情報の提供を得られることと、災害時においては飲料水を求めて自動販売機に被災者が来ることが予想されるので、そこに避難場所、避難経路への情 報が得られることは、被災者にとって非常に有効ではないかと考えます。新宿区の場合は、区内の清涼飲料水の自動販売機に民間会社が情報プレートを設置しま した。設置コスト面でも低額にできたようです。 区政情報課では、区民の方やまちに遊びに来た方が、観光情報や行政情報、避難所の情報をいつでも、どこでも取得することによって、安全、安心で歩きたく なるまちを目指して、こうしたシステムを積極的に活用していきたいという考え方を持っているようです。 また、私も視察してきましたが、東京都は東京ユビキタス計画として、銀座を社会実験の場として、観光振興、商業振興など、まちの魅力や活力をさらに高め るとともに、だれでも安心してまち歩きを楽しむことができるユニバーサルデザインのまちづくりを目指し、現在、実証実験に取り組んでおります。 この東京ユビキタス計画では、銀座の各店舗の店舗情報や銀座の歴史などの情報をユビキタスコミュニケータを用いて情報提供しているわけですが、葛飾に置 きかえますと、例えば、亀有や柴又など、観光資源がある地域については、商店街や地域と連携をして、神社仏閣、地域の歴史などの情報を提供することによっ て、観光振興へ活用したり、店舗情報を提供することによって商店等の売り上げにつなげてみたり、また、利用者の自宅の冷蔵庫などにICタグやQRコードを 張りつけて、きょうはニンジンが安いだとか商店の特売情報などを手軽に情報が提供されることによって、商店街振興にも活用できるのではないかと考えます。 また、新宿六丁目のまちづくりにおいて、新宿六丁目から水元公園へのアプローチを推進するために、区は緑の回廊というコンセプトで両者をリンクさせよう という考えがあるようですが、例えば、緑の回廊の各樹木にICタグやQRコードなどを設置をし、樹木の種類などの自然情報や水元地域の歴史情報などを利用 者に提供しながら、両区間を積極的に誘導しながら地域をつなげていくツールになるのではないかと考えますし、その他のまちづくりに活用できるのではないか と考えます。 そこで質問をいたします。 東京ユビキタス計画や、新宿区を初め他の地方自治体で場所依存型情報システムの実証実験が行われているが、当区でも柴又や亀有などの観光資源への活用 や、災害時での区民への情報提供の一つとして、ユビキタス技術を活用したまちづくりをしていくことは有効ではないかと考えるが、見解を伺いたい。 3点目は、トレーサビリティや品質の情報管理、点検、補修履歴などへの活用という観点から質問をいたします。 このユビキタスID技術は、公共物の管理にも有効に使えることも実証されています。 例えば、建築物の壁などにICタグをつけておいて、現地にコミュニケータとPCを持っていけば、現場で設計図や構造図、設備図などの設計図書や附帯設備 の品番、施工の際の写真などを見ることができ、今までの紙ベースで見ることなくPC画面ですべてチェックすることができ、検査や点検が効率的に運用するこ とができます。 また、昨今、アスベストやシックハウスなど建築資材の品質が注目されています。こういった建築資材データも入れておけば、区民の利用者から問い合わせを されても、素早く対応することができ、公共施設の安全性の情報公開という観点からも有用ではないかと考えます。 そこで質問をいたします。 ユビキタスID技術をベースとした技術規格がITU‐T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)勧告として国際標準の合意がなされ、今後トレーサビリ ティの応用が期待されるが、昨今のアスベスト問題やコンクリート内に溶融スラグを混入したことなど、建築物に対する品質や安全性に不安感を感じる出来事が 続いています。民間企業がユビキタス技術を使って、建築物の設計情報や材料の品質情報、点検、補修履歴等の情報を現地で確認できるトレーサビリティシステ ムを提案しているが、区有施設などトレーサビリティシステムを導入して、情報を効率よく保管、管理する仕組みづくりを検討していく必要があると考えるが、 見解を伺いたい。 最後に、葛飾区は、葛飾区基本計画や葛飾区経営改革大綱でも、電子申請、施設等の予約、生涯学習、あるいは行政の効率化を図るために、区民生活をより快適にする道具としてITを積極的に活用していく必要があるとしております。 そして、平成14年3月に、葛飾区IT推進計画を策定し、わかりやすく、開かれた区政の実現、豊かで利便性の高い区民サービスの提供、高度で効率的な区政運営の実現を基本方針に掲げ、電子自治体の実現に向けて積極的に取り組むとありました。 第2次葛飾区IT推進計画では、情報通信技術の伸展や情報通信機器の普及、利用者層の増加などに伴う新たな課題に適切に対応し、安全なユビキタスネットワーク社会を目指すとあります。 私は、こういった技術を活用することによって,葛飾のまちづくりをしていく上で、新しい発想が生まれてくるのではないかと思います。冒頭でも述べさせて いただきましたが、情報化社会は急速に進んできており、法的な課題、コスト面での課題、コンピュータ上の安全面の課題など、残されている課題もあります が、この流れは今後も進んでいくと思います。 そこで質問をいたします。 第2次IT推進計画の中で、ユビキタスネットワーク社会への進展について述べられているが、今後、ユビキタスネットワーク社会を実現していくためには、 さまざまな活用方法があるユビキタスID技術を活用した施策を今後のIT推進計画に盛り込んでいくことを検討していくべきと考えるが、見解を伺いたい。 以上で私の質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○(青木勇区長)

米山議員の今後のユビキタスネットワーク社会を実現していくために、ユビキタスID技術の活用について、今後のIT推進計画に盛り込んでいくべきであるというご質問にお答えをいたします。

現在の第2次葛飾区IT推進計画の中では、将来のユビキタスネットワーク社会の実現に向けたさまざまなサービスの検討が、国や企業においてなされていると述べております。 ユビキタスID技術とは、お話にございましたとおり、物や場所に固有の番号を付与して、その番号を読み取る端末機等を利用することで、物や場所について の情報提供を行うことができる技術ということでございます。ユビキタスネットワーク社会の実現の手法として、さまざまな活用方法があると考えられます。 例えば、道路にICチップを埋め込んで、障害を持つ方への道案内に活用したり、観光施設において、ICチップを利用した情報提供サービスを行ったりする などの実証実験が、既に行われております。その実用化に向けた取り組みが進められているところでございます。 このような状況の中で、本区といたしまして、まちづくりを進めるに当たって、ユビキタスID技術を活用をしていくということは、ユビキタスネットワーク 社会の実現に向けた一つの手法として大いに検討すべき課題であるととらえておりまして、第3次葛飾区IT推進計画を策定する中で、さらに検討を進めてまい りたいと考えております。 その他のご質問について、所管の部長から答弁をいたさせます。

○(久野清福都市整備部長)

ユビキタスを活用した自律支援プロジェクトなどの活用や自治体サポーターとして参画、民間事業者などを含めた実証実験についてのご質問にお答えいたします。

お話にありますように、国土交通省では、ユビキタスID技術を活用した検討を進めており、自律移動支援プロジェクトや河川散策支援システム実証実験、まちめぐりナビプロジェクトなど、さまざまな取り組みが進められております。 自律移動支援プロジェクトは、移動経路、交通手段、目的地などの情報について、いつでも、どこでも、だれでもアクセスできるユビキタスな環境を構築し、 だれもが持てる力を発揮し、支え合ってつくるユニバーサル社会の実現を目指し検討が進められており、23区においては、板橋区が自治体サポーターとなり、 東武東上線の踏切におけるユビキタス実証実験が行われております。 現状においては、あくまでもまだ実験段階の取り組みで、今後、汎用性、拡張性のあるシステムとして国際標準を目指すため、産学官が連携して検討を行っていく状況にあります。 したがって、現段階ではまだ自治体として一歩踏み出すのは難しく、今後の研究課題とさせていただきます。 また、自治体サポーターとしての参加や実証実験につきましては、次期IT推進計画の検討状況等を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。

○(高橋成彰地域振興部長)

観光資源や災害時の情報提供にユビキタスID技術を活用することが有効ではないかとのご質問にお答えします。

葛飾区においては、平成18年に、荒川流域7区による広域防災訓練で、ICタグを活用した安否確認を実施した例がございます。 お話にありましたように、ユビキタスID技術を活用して、葛飾区に来訪する外国人や観光客など、場所にふなれな方々に対し、観光情報や災害時の情報など を提供することは有効な技術であろうかと思います。今後とも研究してまいりたいと考えております。

○(筧勲総務部長)

区有施設などにトレーサビリティシステムを導入して、情報を効率よく、保管、管理する仕組みづくりを検討する必要があるとのご質問にお答えいたします。

議員のご意見にもありますように、近年、鉄筋コンクリート工事の配筋ミスやアスベスト問題、コンクリートへの溶融スラグの混入など、建築物の設計管理や材料の品質管理等が大きな社会問題となり、建築に対する信頼が損なわれている状況にあります。 こうした問題を解決するためには、建築の設計情報や品質情報、さらには点検、補修の履歴等の情報をデジタル化し即時にとらえ、適切な工事管理や建物の効率的な維持管理を行っていくことが有効と考えます。 現在、国や民間団体などでは、建築部材やコンクリート製品などをICタグにより品質管理を行うトレーサビリティシステムを活用することにより、住宅や建築物のユーザーに対する信頼を高めようとする試みを始めております。 区有建築物は、多くの区民が利用する施設であり、今後こうした仕組みを導入することにより、より適切な情報管理を可能にできると考えております。 しかしながら、トレーサビリティシステムの技術は開発途上にあり、今後の国際標準適用の動向や、国や都のこうした技術開発導入の状況を見ながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。

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