平成18年度第4回葛飾区議会定例会~会議録より



▼ 本年11月30日に行われた平成18年度第4回葛飾区議会定例会より、私の一般質問「教育問題について」を掲載します。 ぜひご一読願えれば幸いです。

平成18年第4回  葛飾区議会定例会会議録 平成18年11月30日 於  葛飾区議会議場

区政一般質問 (1)教育問題について

○20番(米山真吾議員)

 さきの通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  今、教育問題が大きく揺れております。 特に、マスメディアの連日にわたる報道によるいじめの問題など、いじめが原因とされる山形県の高校生の自殺や北海道にて 中学生が自殺をしてしまったという事件が起こっております。非常に残念なことであります。

本区でも今後、教育をどのように取り組んでいかなければならないのかが問われておりますし、区民も注視していることと思います。 特にこれらの問題は、人間の心という人間として一番の根幹に当たるところに焦点が当てられております。

今回は、心の育成という観点から教育振興ビジョンで掲げております豊かな心の育成や新たな学校の取り組みと家庭・地域社会との連携など、教育問題について質問をさせていただきます。

まず初めに、いじめについて教育委員会の学校指導についてお聞きをいたします。

元来、教育は家庭で個人としてのしつけとして、親が社会のルール、人間としての生きていく上に大切な愛情として、心の優しさや人に迷惑をかけない公共心を教えます。学校では、社会に貢献できるための知識や集団生活、社会生活のマナーやルールを教育する場であるはずです。

学校だけでなく、社会生活の集団生活では個々が能力を競い合う中で、人々の中にあつれきが生じ、いさかいが生じるのは当たり前でありますが、集団で個を責 めることに問題があります。いじめは集団で行われることが主でございますが、その際、例えば5人が1人をいじめるという構図があった場合、いじめる側は5 分の1の意識しかありませんが、いじめられた方は5倍に感じるわけでございます。

また、現在ではメールでのいじめが多いと聞いております。むろん学校内で起こるいじめについては、学校と家庭が協力をしていじめの発見、対応のシステムの 構築が求められるところでありますが、学校の現状と今後家庭への教育力への啓発活動をどのように進めるつもりなのかお聞きしたいと思います。

また、いじめの相談件数が現在まで何件寄せられているのか。また、いじめが確認された場合の解決までの対応・対策について具体的に伺いたいと思います。

また、不登校児童・生徒が現在、区内小学校、中学校で何名いるのか。そのうち、いじめが原因とされる不登校児童・生徒は何名いるのかお伺いしたいと思います。

次に、ペア学年についてお聞きをいたします。

現在の社会状況は、少子化や核家族化が進み、兄弟も少なくなり、一人っ子の家族も多くなってきている現状でございます。私の父親や母親の世代では、7人兄弟や8人兄弟などたくさんの兄弟が家族として構成をされておりました。

年齢が近く、あるいは離れている兄弟がいる中で、家族間において多様なコミュニケーションがとれ、社会のルールや勉強、悩みごとの相談など、親の目が届か ないところを補う形で兄弟間でコミュニケーションをとり、こうした方がいい、こうしてはだめだとか、上の子が下の子にアドバイスをしたりし、子供たちの中 だけで解決をすることもできました。家族から社会の集団生活への潤滑油の役割を担っていたことは事実でございます。

しかし、現在の社会状況は核家族化が進行し、兄弟も少なくなり、また共稼ぎの家庭も増え、かぎっ子と言われる子も多くなり、家族間でのコミュニケーションが減ってきていることも事実です。

今、葛飾区の小学校ではペア学年といって1年生と6年生がペアになり、6年生と一緒に1年生が6年生の教室に行ってペアで清掃したり、またペアで遊びをしたりしている取り組みをされております。

例えば、1年生が6年生の工作を見て、すごいとか、お兄ちゃんのようになりたいとかいう手紙を6年生に書いたり渡したりしているようです。そこには、上の子が下の子の面倒を見る親愛の気持ちを、下の子は上の子に対し尊敬する気持ちを持つなどの効果があると見受けられます。

今までは、家族間でできたことが残念ながら今の少子化や核家族化にそれを求めることはなかなかできません。であれば、学校でそういうコミュニケーションをとれる環境をつくってやるべきではないでしょうか。

 私はこの取り組みをもっと拡大をして、全校生徒を対象に高学年と低学年をペアで一緒に学校の活動をさせたり、また遊んだりすることによって子供たちの多様なコミュニケーション形成の場をつくることにより、よりよい人間形成、心の育成が構築できるのではないかと考えます。

そこで質問をいたします。

このペア学年を現在の組み合わせだけではなく、子供たちの多様なコミュニケーション形成の場を構築するため、他学年のペアにも拡大するべきと考えますが、今後の方向性、見解を伺いたいと思います。

次に、教育座談会について質問をいたします。

 教育振興ビジョンでは、心の教育の充実として多くの保護者や地域の方が参加できる心の教育座談会の開催をして、学校・家庭・地域が連携して豊かな心の育 成に取り組んでいくと掲げられていますが、心の育成についての主な学問として心理学がございます。私も心理学を学びましたが、心理学は自己の性格分析だけ ではなく、子供が成長していく過程の中で子供がどのような時期にどのような性格を形成していくかを述べていくわけでございますが、親が子育てをしていく中 で理論的な知識があることによって、よりよい教育ができると考えます。

まさに、先人が述べていた三つ子の魂百までという言葉がありますが、年齢ごとに子供に対する知識としてあることによって、教育する上でのバックボーンにも なると考えます。このような心理学を家庭に伝えることにより、家庭における教育力の向上が図れるものと考えるものでありますが、そこで質問をいたします。

心の教育座談会の実施状況及び効果の自己評価、今後の方向性をお聞きしたい。また、心理学を家庭に伝えることにより、家庭の教育力が向上するものと考えますが、教育座談会を提供の場として家庭教育にも踏み込んでいく必要があると思いますが、ご見解を伺いたい。

次に、スクールカウンセラーについて質問をいたします。

現在、区内小中学校に臨床心理の専門家であるスクールカウンセラーを対人関係、勉強のおくれなど、早期の親身になった相談が極めて重要なことであることか ら、相談機能を強化するため、都の補助や区独自の予算を使って中学校では週に1.5日、小学校では週に1日配置されておりますが、現在の実施日数ではきめ 細かい対応がとりづらく、また相談に来た生徒の担任教師との連携もうまく図れないのではないかと危惧するわけでございますが、実施日数を増やすべきと考え ますが、ご見解を伺いたい。

また、巡回型スクールカウンセラーの今後の配置、具体的な運用状況を伺いたいと思います。

次に、教師の資質・能力の向上についてお聞きいたします。

平成15年6月に小中学校の保護者アンケートを行っておりますが、約70%の保護者が学校の今後の取り組みに対し、研修の充実を通して教員の資質や能力を高めることが一番関心が高いという調査結果が出ております。

11月24日の毎日新聞において、教師が教え子に友達感覚で接するなれ合い型の学級でいじめが生まれやすいことが河村茂雄都留文科大教授の調査でわかりました。こうした学級では、教師が子供に引きずられ、いじめを防ぐどころか加担するおそれもあるといいます。  いじめは、加害者側の資質や教師の指導力不足に直接の原因が求められがちだと、河村教授は主に教師と教え子の関係で決まる学級集団の全体的な特性に注目 すべきだと訴えております。教師の教え子への接し方には、有無を言わさず従わせる指導タイプと子供の言い分を尊重する援助タイプがあるようでございます。 子供の満足度の高い学級の教師は、状況に応じて両方を使い分けますが、指導タイプに偏ると管理型、援助タイプに偏るとなれ合い型になるといいます。  なれ合い型では、当初は教師と子供が良好な関係を保つかに見えますが、最低限のルールを示さないため学級はまとまりを欠き、子供同士の関係は不安定でけ んかやいじめが生じやすい。教師の友達口調の指示をだれも聞かなくなり、放置すれば学級が崩壊するといいます。いじめた子や加担した教師を非難するだけで は解決しない。子供を暴走させ、教師も巻き込まれるなれ合いをどう回避し、いじめのない学級をつくるか、教師たちが議論することが大切だと述べておりま す。  また今後、団塊の世代のベテラン教師が退職をし、新卒採用を採っていかなければならない時期が来ますが、心配されることは教育の質の低下が懸念されるという問題もございます。  そこで質問をいたします。  このようななれ合い型学級でいじめが生まれやすいことが報道されましたが、その対策を教師間で議論する必要があると述べております。区の教育振興ビジョ ンで10年間を見通した研修計画を作成することになっておりますが、教師間で学級について議論、検討するような研修が行われているか伺いたい。また、この ような報道がされたことによる今後の研修方針についてご見解を伺いたいと思います。  また、団塊の世代の退職による影響で新卒の教員が増え、経験不足による教育の質の低下が懸念されますが、低下が起きないよう、どのような組織や体制で臨んでいくのかお伺いしたいと思います。  次に、学校評議員制度についてお聞きをいたします。  保護者や地域社会に対して学校のさまざまな情報を公開し、説明責任を果たすことは開かれた学校の基本であります。教育計画、教育活動の成果や問題点など を保護者や地域社会に積極的に公開し、協力を得るとともに、日常的な問題や意見にも速やかに対応することによって地域社会との信頼関係を深める必要がある ということで、学校評議員制度の活性化を図っていきますと教育振興ビジョンには掲げられております。  現在の学校評議員制度は、各学校間でも評議員の人数も不特定であり、組織構成も地域の方々やPTAの役員の方々などを中心に大人で構成されております。 私は、ここに中学生の高学年などの子供たちも参加をしていく必要があるのではないかと考えます。学校側から積極的に公開される情報は、主に大人の視点から 構成される情報であり、子供の視点からの情報は少ないため完全ではありません。  他区のある教員の方からお聞きしたところ、生徒たちからこういう話がございました。運動会の内容に関することですが、通常は教師がやることを既に決めて いて、自分たちはそれに沿って行っているが、自分たちにも決めさせてほしいと、そういう声もあったそうです。運動会は子供たちと一緒に学校や地域の方々、 PTAの方々も協力して行う行事ですが、子供たちの心の自主性をはぐくむ点において、自分たちで決めたことをやり遂げるということは非常に大事なことで す。  こういった子供の視点から問題点を抽出するには、直接の当事者に聞くことが最も効果的であり、またそれを地域の大人が直接聞くことにより大人の視点から も意見をぶつけ合い、協力を得ながら改善策を探ることができ、地域社会との信頼関係がより深まるのではないかと考えます。  そこで質問をいたします。  学校長の相談機関あるいは諮問機関的な要素も多い本評議員制度ですが、学校評議員制度に子供たちも一部を加えることにより、大人の視点だけでなく子供の 視点からも情報を取り入れることによって、より密度の高いものになると考えますが、今後の学校評議員制度の活性化について具体的な方策を伺いたいと思いま す。  以上で私からの区政一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○(青木 勇区長) 

米山議員のいじめ問題に関するご質問、詳細については教育長以下でお答えをいたしますけれども、私からも一言申し上げさせていただきます。  現在、大きな社会問題となっているいじめ問題は、いじめにかかわったすべての子供の人格形成に少なからず影響を与えるとともに、場合によってはみずから 命を絶つといったことが起こりかねない深刻な問題であり、このいじめ問題を解決することは子供の健全育成にかかわるすべての者にとって大きな課題であると 考えております。  いじめ問題に対する本区の対応につきましては、冒頭のあいさつでも申し述べましたとおり、学校と教育委員会が連携を密にとりながら早期発見・早期解決を 図ることができる体制を築くとともに、各学校の教育活動を通して心の教育を充実させるなど、いじめの防止に向けてさまざまな取り組みを進めているわけでご ざいますが、その中でも子供たちが最も長い時間を過ごし、その基本的な生活習慣や善悪の判断を初めとした、ものの見方や考え方などをはぐくむ家庭教育が極 めて重要な要素であると考えているわけでございます。  葛飾区といたしましては、教育委員会を初めとして各学校や家庭、地域、関係諸機関が連携協力しながら、いじめ問題の根絶に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。  それでは、具体的なご質問につきまして、教育長及び所管の部長から答弁をいたさせます。

○(山崎喜久雄教育長)

 いじめ問題など、心の教育にかかわるご質問にお答えをいたします。  いじめは、自分より弱い者に対して一方的に身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手に深刻な苦痛を感じさせるものという定義がありますが、ひやかし、からかいであっても、子供自身が深刻な苦痛を感じれば、いじめであると認識すべきであります。  いじめ問題の対応についてでございますが、これまでも学校においていじめが発生した場合には速やかに教育委員会に報告し、指導主事が学校を訪問して対応 策について指導を行うなど、学校と指導室が連携を密にとりながら早期解決を図るように体制を築いてまいりました。  また、いじめが起こる要因といたしましては、児童・生徒の学校生活や家庭生活全般に深く根差していることが少なくないため、保護者の理解を得ながら協力を求めていくことが重要であり、さまざまな機会をとらえて保護者への啓発を進めております。  その一つとして、お話にありました心の教育座談会を現在、中学校でモデル的に進めておりますが、教員と生徒だけでなく保護者や地域の方々が討議に参加す ることによって、相互理解がより深まるなどの成果が報告されており、今後さらに充実させる必要があると考えております。  また、本区では他区に先駆けて全小中学校にスクールカウンセラーを配置しておりますが、さらに今年度から巡回型のスクールカウンセラーを1名配置してお ります。今後、校内の教育相談体制をより一層充実するため、この巡回型のスクールカウンセラーの増員を初め、スクールカウンセラーの配置の充実について検 討してまいりたいと考えております。  以上でございます。

○(鹿又幸夫教育振興担当部長)

 本区のいじめ相談の件数でござ いますが、事件が報道されました10月から現在まで総合教育センターに4件、指導室に13件の相談が寄せられております。また、不登校児童・生徒数は、平 成17年度に小学生26名、中学生204名おりますが、そのうちいじめが原因と考えられるものは小学生9名、中学生43名でございます。  いじめの原因としては、子供たちの対人関係が希薄で、人を思いやる気持ちが不足していることが考えられますので、異なる年齢の児童・生徒が交流し、コ ミュニケーションの機会を増やすペア学年による縦割り活動をすることも一つの方策であると考えております。  また、いじめが確認された場合は、いじめの状況について丁寧に聞き取り、いじめは絶対に許されないことであることを指導する必要があります。そして、当 該の保護者との連絡、職員会議等を通じて職員間で情報の共有化を図り、いじめの再発防止について全教職員で対応していくことが大切であります。  さらに、日ごろから教育活動全体を通して、いじめを傍観しない。また、たとえ発生したとしても、それをやめさせる行動がとれるように、子供同士がいじめを許さない学校づくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、教員の資質・能力の向上を図るための研修体制についてのご質問にお答えいたします。  東京都の公立学校教員の現在の年齢構成を見ますと、2007年度から始まるいわゆる団塊の世代が定年退職時期を迎え、東京都全体で小中学校合わせて平成 18年度末には869人、平成19年度末には1,341人の退職者が見込まれております。このような中で、新規採用の教員が多くなり、同時に採用倍率も低 下していることから、若手教員の養成が大きな課題となっております。  教員は採用されますと、1年目に法令に定められた初任者研修として総合教育センター研修や宿泊研修、校内における研修などを受けることになります。ま た、本区独自の取り組みとして、年5回の研究授業を実施し、きめ細かな指導を行っております。1年目の初任者研修が終わりますと、2年・3年次研修や4年 次研修を実施するとともに、今年度から校長から推薦された教職経験2年から5年目の教員を対象にした、主に時間外の自主研修でございます若手教員実力養成 研修を実施し、指導力の向上に努めております。その後の研修についてでございますが、10年経験者研修に続き、20年次、25年次、30年次研修という教 職経験の節目に当たる年次に研修を実施いたします。  さらに、教師間で学級運営についての研究を深めるため、各学校において若手教員を中心とするOJT研修を実施しており、学級指導についての悩みや指導法等、さまざまな教育課題について議論する場を設けております。  教育委員会といたしましては、教員の資質と能力の向上を図ることは大変重要なことと認識しており、今後も教員のライフステージに応じた研修の推進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。

○(小川幸男教育次長)

学校評議員制度についてのご質問にお答えいたします。  学校評議員の制度は、平成12年の学校教育法施行規則の改正に基づいて、地域に開かれた学校づくりを進めるため、学校運営の基本方針や重要な教育活動に 関し、学校長の求めに応じて地域の方々からご意見や助言をいただくために創設されたものでございます。  こうした制度の趣旨を踏まえて、実際にはPTA等の保護者や自治町会、社会教育、社会福祉など、教育に関して理解と識見を有する方をそれぞれの学校における学校評議員として委嘱しているところでございます。  教育委員会では、本年4月に評議員制度の一層の活性化を目指して学校評議員設置要綱を見直し、学校評議員に情報提供すべき事項や意見を求めるべき事項等 を例示として具体的に列挙し、学校評議員と学校長とが活発に意見交換がなされ、この制度が有効に機能するように整備をしたところでございます。  ご質問の学校評議員に児童・生徒を委嘱して意見を聞くということは、学校運営や学校経営に関して地域の方々から意見を聞くという、この制度の目的、趣旨からいってそぐわないものと考えております。