葛飾区議会議員・一級建築士
米山 真吾 公式オフィシャルサイト
◆ 平成27年第1回定例会~会議録より
▼平成27年第1回定例会(第2日 2月26日)より、私の発言を掲載します。
ぜひご一読願えれば幸いです。
会議名:平成27年第1回定例会(第2日 2月26日)(代表質問・人工誘導政策・基本土地重要プロジェクト・医療環境の充実・地域活性化)
米山真吾
お許しをいただきまして、私は葛飾区議会民進党議員団を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い、区長並びに関係部長に質問するものであります。
初めに、国の税制改正及び人口誘導政策に伴う本区の影響について伺います。
平成27年度一般会計予算は過去最大規模の1,754億6,000万円となり、伸び率も前年度比1.6%増となっています。内訳を見ますと、地方消費税交 付金が29億3,800万円増で、これは消費税3%引き上げに伴う増であります。一方、特別区交付金は8億円の減で、国による法人住民税税率引き下げ相当 分について、地方法人税を国税として創設し、地方交付税の原資化を決定したことなどによる影響でありまして、この法人住民税の一部国税化はまさしく大都市 部狙い撃ちで、財調原資となる法人住民税が減少することは本区にとって影響が大きい問題であります。昨年の時点で平成27年度以降影響が出てくる可能性が あることに言及しましたが、やはり影響が出てきたものと認識をしております。
法人住民税のあり方については、本来、地方の財源で当該地域の区民に対しての行政サービスに使えるものであります。中央集権型のやり方で地方固有の財源を 吸い上げるという国のやり方には、疑問を感じざるを得ません。国は東京都、特別区に対しては、財調原資である法人住民税が減っても、地方消費税分がふえる だろうからトータルで見ればいいのではないかと考えているように思えて仕方がないのですが、消費税引き上げ分は社会保障財源に充てることになっていますか ら、本区を含めた特別区にとっては、財政の自由度からすれば縛られてくるのではないかと危惧しますし、財調の歳入部分については100%算定されるとのこ とですから、財調そのものが減少するのではないか、そういった危惧もするものであります。
また、地方消費税の引き上げ分については、全額人口により案分されるため、今後本区においても財源の確保という観点から、人口をいかに増加させていくかが問われる税の仕組みにもなっています。
一方で国は、地方創生のもと、東京一極集中の是正を掲げ、まち・ひと・しごと創生総合戦略では、基本目標の中に地方への新しい人の流れをつくるというこ とで、現在年間47万人いる地方から東京圏への転入者を年間6万人減少させ、一方で、年間37万人いる東京圏から地方への転出者を4万人増加させ、東京一 極集中の流れをとめると明確に記述がなされています。企業の地方移転も同様であります。東京から地方にオフィスを移転した場合、税の優遇措置など検討して います。企業側に対しても東京一極集中是正を掲げています。
今後の財政上の懸念を申し上げますと、本区を含む特別区は財調制度の枠組みの中で、法人住民税の一部国税化によって財調原資が減りました。今後も影響を受 けるのではないか。また、地方消費税の引き上げ分は財調制度の歳入の算定に影響しますから、本区の地方消費税がふえれば、特別区交付金が減る懸念があるの ではないか。特別区交付金が減れば、地方消費税の引き上げ分は一般財源でありますが、社会保障財源に充てることになっていますから、投資的な予算が減るの ではないかと懸念をいたしております。なおかつこの地方消費税の引き上げ分については全額人口により案分しますから、人口数の動向が非常に重要になります が、国は東京一極集中是正のため地方に人口を移す政策を行いますから、今後、本区においても、こういった国の税の仕組みや人口誘導政策に対して対応してい かなければならない状況が生まれてくるのではないかと感じております。
さらに国は現在、国際競争力を高めるために、企業への法人税を減税する方向で議論が進んでおりますが、ご承知のとおり、財調原資である法人住民税は法人税 額を計算の基礎とするので、法人税額が減れば法人住民税も減り、結果特別区交付金にも影響が出るものと思われます。景気浮揚策の一環としての政策でしょう から、企業が成長し景気が上がり、従前の税収より上がってくれればいいのですが、短期的には特別区交付金が減収するのではないかと危惧をしています。試算 では法人税率が1%下がった場合、特別区全体で約90億円減る試算が出ているとも伺っております。
そこで質問をいたします。
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平成27年度税制改正大綱では、法人税率を25.5%から23.9%に引き下げることになっていますが、法人税額を計算の基礎とする法人住民税も影 響を受け、結果的に財調原資が減り、本区の特別区交付金も減る可能性があると考えるが、法人税減税に伴う本区の財政への影響額を伺いたいと思います。また、5年以内に実効税率を20%台にしていくと国の方針が示されておりますが、これはまだ不透明な部分がありますが、その場合の本区の財政対応について伺いたいと思います。
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法人住民税の一部国税化、法人税減税など、財政調整交付金制度に影響を与える税制改正が今後推移する中で、本区にとって中期的に影響が出てくるものと考え ますが、区の現状認識と今後の全体の財政運営や見通しを伺いたいと思います。また、機会を捉えて、代替財源の確保に向けて取り組みも行っていただきたいと 考えますが、どうでしょうか。
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平成27年度一般会計予算では、法人住民税の一部国税化が進む中で、財調原資が減り、一般財源である特別区交付金が減り、かわりに一般財源であるけれども 社会保障財源に充てることが決まっている地方消費税の引き上げ分がふえると、今後予算編成の自由度の観点から影響を受けると考えるが、区の見解を伺いたい と思います。
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地方消費税の引き上げ分は、全額人口により案分される仕組みになっています。税制の仕組みからも、今後人口増加への取り組みを進めていかなければならない と考えます。ただ単に人口をふやすのではなく、世代間のバランスや担税力など考慮しながら進めていく必要があると考えますが、区の見解と方向性を伺いたい と思います。
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本区における現在の人口動向について伺いたいと思います。
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本区は、各世代間におけるさまざまな政策を打ち出していますが、その政策の効果が人口誘導にどう影響しているか評価できていません。転入・転出の際に施策 の評価をアンケート調査で評価する必要があると考えますが、区の見解を伺いたいと思います。同時に人口数の目標値を決めていくのはどうか、見解を伺いたい と思います。
次に、葛飾区基本計画の重要プロジェクトについて、幾つか伺います。 まず初めに、協働を推し進める環境づくりについてです。
平成25年度に策定した基本計画ですが、2年が経過しようとしていて、3年目に入ろうとしています。その中で、この基本針画の施策の中に協働という視点を青木区長が取り入れていくという考えのもと、重要プロジェクトの1番目に協働を推し進める環境づくりが位置づけられているものと認識しています。
この間、地域活動団体への助成制度の見直しや広報での区民や地域団体、市民団体などの紹介、あるいは表彰等さまざまな場面で推進しているものと感じていま すが、平成25年の葛飾区世論調査では、社会活動へ参加したことがない方が全体の73.6%と占めており、このうちの社会活動経験がない理由として、きっ かけがないからという回答が43.1%になっています。
私は以前にも質問しましたが、ここにどう行政側がアプローチをしていくかが重要でありますし、これだけ多くの方が仮に社会活動へ参加ができるとなれば、本 区のさまざまな場面で大きな力にもなりますし、エネルギーにもなると思います。意識啓発を同時に行っていくこともしていかなければなりませんが、多くの方 を巻き込むには、やはり大きな仕組みや枠組みをつくり、社会活動へのきっかけをつくる必要があります。そして参加していただくことによって、その中で意識 が醸成されていくようにしていくことが、協働をより早く推進していくことにつながるものと考えます。
区の基本計画では、地域活動や市民活動に対してポイントを付与する(仮称)葛飾区地域ポイント制度や、区民税優遇措置などさまざまなアイデアが盛り込まれ ていますが、残念ながらいまだその過程は見えず、実現には至っておりません。基本計画の背骨である協働を推し進めるには、多くの区民が誰でも参加できる仕 組みや枠組みを早く構築し、取り組む必要があります。
そこで質問いたします。
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平成25年発行の第14回葛飾区世論調査の社会参加活動の結果について、区の評価について伺いたいと思います。
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葛飾区基本計画の背骨である協働を推し進めるには、社会参加活動を活発にする必要があり、大きな仕組みや枠組みを期限を決めて導入することが必須だと考えます。重要プロジェクトの取り組み状況、今後の考え方や方針を伺いたいと思います。
次に、重要プロジクトの中の区内医療環境の充実について伺います。
葛飾区は、旧松上小学校跡地に病院を誘致し、地域偏在が見られる救急医療の対応や高度医療への対応など取り組みを行ったことについては高く評価しておりま す。ただ、ベッド数の確保においては、残念ながら不十分でありました。今後引き続き都に対して機会を捉えながら、ベッド数の確保に向けて取り組んでいただ きたいと思っております。
本区においては、出産前後に母子の生命にかかわる事態が発生した場合に、産科、小児科双方で一貫した医療を提供する地域周産期母子医療センターに認定され ている葛飾赤十字産院があります。昭和28年に開院されてから60年以上、本区において母子保健衛生向上のために取り組まれている病院で、平成24年の データではありますが、年間延べ3万2,000人以上の入院患者の受け入れや1,900件以上の分娩件数など、地域の周産期医療の中核として機能しており ます。分娩数においては、このうちの51.2%が葛飾区民でありまして、過去3年間の統計からも、葛飾区全体の4人に1人以上は葛飾赤十字産院で出生して いることから、葛飾区民にとっても非常に身近な病院であることが伺えます。全国赤十字病院全体でも、葛飾赤十字産院は年間分娩数実績が全国でも2番目であ り、病院規模からすると実績値が高いこともわかります。葛飾区は、重要プロジェクトの中で葛飾赤十字産院について施設設備の更新に当たり、周産期医療の充 実について述べられております。子育てに対して充実をうたう本区において、まず子どもを産み育てる過程において、スタートラインである産前・産後、いわゆ る周産期の部分の充実は欠かせないものでありますし、区民も安心して子どもを産める環境づくりにもつながるものと思います。
先ほど述べましたが、葛飾赤十字産院は地域周産期母子医療センターに認定されております。地域周産期母子医療センターとは、産科、小児科(新生児)を備 え、周産期にかかわる比較的高度な医療行為を常時担う医療機関でありまして、さらに充実したセンターとして総合周産期母子医療センターがあります。母体・ 胎児集中治療管理室を含む産科病棟及び新生児集中治療管理室を備えた医療機関です。常時、母体、新生児搬送受入体制を有し、母体の救命救急への対応、ハイ リスク妊娠に対する医療、高度な新生児医療等を担うものでありますが、相手方の意向や事情も当然あるのは重々承知しておりますし、一医療機関ではあります が、施設の更新に当っては、センターの格上げなど、周産期医療の充実に本区も取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。当院で過去3年間の 統計からも、葛飾区民の4人に1人以上が出生されている中で、周産期医療の充実は子どもを産み育てようとしている中では安心感も生まれますし、区民ニーズ にも応えるものではないかと思います。
そこで質問をいたします。
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今回、組織編成においても、特命担当から医療環境推進担当と名称変更され、医療環境の充実に特化して取り組む姿勢を打ち出しています。この組織改正を踏まえ、今後医療環境の充実に向けてどのような取り組みを行っていくのか、伺いたいと思います。
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地域周産期医療母子医療センターに認定されている葛飾赤十字産院は、周産期医療の担い手として重要であります。施設更新に当たっては、一医療機関ではあり ますが、センターの格上げなどさらなる周産期医療の充実に取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、そのことが区民に対して安心して子供 が産める環境が充実することにつながると考えるが、伺いたいと思います。
次に、重要プロジェクトの減災協働プロジェクトについて伺いたいと思います。
東日本大震災から4年が経過しようとする中で、昨年、地震調査委員会が公表した全国地震動予測地図の改訂がなされましたが、日本の各地域が30年以内に震 度6弱以上に見舞われる確率が首都圏を中心に大幅に上昇するという発表がなされまして、大規模な地震が発生する確率が高まっているということが、専門家の 間で議論されているところであります。
平成24年に公表された首都直下地震等による東京の被害想定報告書では、本区では揺れによる建物全壊が7,230棟、液状化による建物全壊棟数が216 棟、同じく液状化による建物半壊棟数は1万2,000棟で、液状化による被害は東京で最も被害を受ける想定となっております。焼失する棟数も1万 1,000棟以上にも延焼火災の被害想定も高く出ております。
この間、本区は建築物の耐震助成制度の披充や不燃化特区への取り組み、そして液状化マップの作成や助成制度の創設など、取り組みを積極的に行ってきました。このことは高く評価するものであり、今後も継続して取り組む必要があります。
一方で本区においては、建物被害、人的被害の被害想定は出ているのですが、経済被害については特に記述がなく、東京全体では直接被害が67兆円という巨 額な想定がなされております。いずれにしましても、災害発生後の復興には多額のお金がかかるわけで、事前対策を可能な限り進めることが重要だと考えます。
そこで質問をいたします。
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東京湾北部地震による直接被害、間接被害などの経済被害は、本区においてどの程度になるのか伺いたいと思います。
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災害後の被害想定を考慮すると、事前対策をより推進していくことが重要であります。緊急耐震プロジェクト、緊急防災3か年プロジェクトの期限は平成27年 度までとなっていることと、葛飾区耐震改修計画も同じく最終年度を迎えます。この間の取り組み状況と目標値を実現するための方策を伺うとともに、今後の計 画策定の有無や必要性を伺いたいと思います。
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被害想定では、液状化による建物被害が東京でも最も高い状況になります。液状化マップの作成や地盤調査費の助成制度などの創設は評価いたしますが、今後の本区の液状化対策の具体的な方策や計画など伺いたいと思います。
次に、重要プロジェクトの魅力ある観光まちづくりについて伺います。
本区は、キャラクターを生かした施策やフードフェスタなどの食のイベントの開催など、さまざまな施策を展開中であります。PRも積極的に行うことにより、観光客の誘客に結びつける事業も行っているところであります。
一方で、観光客による消費活動をより活発にし、経済効果を高めるには、やはり観光客の滞在時間を延ばすことと、区内各所にある観光資源間の回遊性の向上が ポイントになるのではないかと考えますし、基本計画の中でも記述されております。滞在時間を延ばすには、やはり宿泊していただくことがいいですし、回遊性 の向上を図るには、交通基盤の整備はもちろんのこと、交通機能に観光の要素を取り入れることも行ってみたらどうかと考えます。
区ではラッピング広告を行っておりますが、過去総務委員会で視察しました境港市の鬼太郎列車のように、外装だけなく内装にも観光資源のキャラクターを生か すことによって、交通機関そのものが観光資源となり、観光客がそれを目当てに集まってきます。さらに観光地へ観光客を運ぶことによって、回遊性の向上が図 られるのではないかと思います。
そこで質問いたします。
観光客の滞在時間をふやすことは、消費活動をよりふやすことにつながると考えます。現在の本区における観光客の平均滞在時間を伺うとともに、まちづくりの中でホテルなど宿泊施設の誘致なども検討していく必要があるのではないかと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。
区内観光の回遊性の向上を図るには、交通機関に観光の要素を取り入れ、単なる交通機能だけではなく、観光のために交通機関を利用するという取り組みが必要 ではないかと考えます。総務委員会でも視察した境港市の鬼太郎列車のように、外装だけなく内装にも観光資源のキャラクターを生かしております。こういった 取り組みを参考に、交通機能と観光を合わせたバス路線など検討し、回遊性の向上を図る必要があると考えますが、どうでしょうか。
最後に、地域包括ケアシステムについて伺います。
地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、重度な要介護状態となっても、住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最 後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されることを実現するための仕組みを構築するものでありますが、区内の 高齢化率が25%となる2025年を見据え、高齢者が地域で生き生きと暮らせるまちを目指していくことは異論がないところであります。
そのための施策の推進については、我が会派としても、さまざまな提案をしながら支援をしていきたいと考えております。しかしここであえて触れたいのは、人 間としての最後の時期をいかに過ごすか、みとりという大きな課題についてであります。区が平成24年度に行った区内医療環境充実のための調査の中の区民ア ンケートでは、余命が1カ月から2カ月に限られているようになったら自宅で過ごしたいと思うかという設問があります。これには実に67.0%の区民が、自 宅で過ごしたいと回答しております。しかし、そのうち3分の1の方は、実現が難しいのではないかと考えている結果が出ています。
超高齢化社会においては、このみとり、終末期医療の問題は避けて通れないものです。ピーク時には全国で年間170万人以上の方が亡くなると予測される中、 これを全て病院のベッドで受け入れていくことは困難ではないでしょうか。高齢者やご家族の希望も踏まえつつも、自宅や住みなれた地域の介護保険施設でのみ とりを行えるよう、体制を整えていくことが必要だと考えます。また、今回の診療報酬や介護保険報酬の改定の中でも、在宅や施設でのみとりについて加算をす る方向が示されております。区が進める地域包括ケアシステムの検討については、このような視点も含めていく必要があるものと考えております。
そこで質問をいたします。
地域包括ケアシステムの必要性については、以前から指摘されておりましたが、区として今回、平成27年度予算概要に、地域包括ケアシステムの推進を重点施策として取り上げた理由は何か。
今後の高齢社会では、人生の最後をいかに過ごすかというみとりが大きな課題です。これに対する区長のお考えをお示しいただきたいと思います。
以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(青木克德区長)
米山議員のご質問にお答えいたします。
初めに、法人税減税に伴う本区の財政への影響額、法人実効税率を20%台にしていく国の方針に係る財政対応についてお答えいたします。
国の平成27年度税制改正大綱によりますと、平成27年4月1日以後に開始する事業年度から、法人税率を現行の25.5%から23.9%に1.6ポイント 下げるとしております。また、地方税を含めた法人実効税率を段階的に20%台まで引き下げることを目指して改革を継続するとしています。これは成長志向に 重点を置いた法人税改革の一環で、稼ぐ力のある企業や企業所得の計上に前向きな企業の税負担を減らすことで、企業の収益力の改善に向けた投資や新たな技術 開発などへの挑戦がより積極的になり、それが成長につながるよう、法人課税の見直しを行うというものであります。もちろん日本経済全体におけるデフレ脱却 や経済再生という観点からは、方向性としては望ましいものと考えておりますが、ご質問にありますように、法人税率の引き下げは、財政調整交付金の原資であ ります市町村民税法人分に影響を与えるものであります。
平成27年度につきましては、法人税率引き下げの影響はないと見込んでおりますが、平成28年度以降法人税率を1.6%分引き下げた場合の特別区全体への 影響額は、試算によりますと145億円とも言われております。単純に財政調整交付金における本区のシェア率を参考に計算いたしますと、区財政にはおよそ 10億円程度の影響があると思われます。しかしながら、法人税の代替財源であります欠損金の繰越控除制度の見直しの影響額が不明なことや、法人税改革の基 本的な考え方となるはずの課税ベースの拡大について十分な議論が行われていないなど、法人税改革が本区の財政に及ぼす影響額全体は不透明な状況でありま す。
このような財政環境下ではありますが、行財政改革を全庁挙げて推し進めるとともに、これまで培ってきた基金や起債発行余力など財政対応能力を最大限生かすことで、区民生活を支える施策や事業を積極的に展開し、夢と誇りあるふるさと葛飾の実現を目指してまいります。
次に、世代間のバランスや担税力を考慮しながら、人口誘導を進めるべきとのご質問にお答えいたします。
少子高齢化の進展による人口の減少は、地域社会の活力が損なわれることや地域経済の低迷、税収の減収に加え、またお話にありますとおり、地方消費税交付金の額などにも影響をいたします。また、一定の高齢化率の中での社会保障の住民負担の増大などが懸念をされます。
このようなことからも、魅力と活力あるまちづくりを進め、本区を世代間のバランスのとれた人口構成の地域としていくことが重要であると考えており、これま で都市基盤整備の充実を推進することはもちろん、子育て応援区としての子育て支援の充実を初め、大学誘致や病院誘致、キャプテン翼などの本区ゆかりのキャ ラクターを生かした観光施策など、下町の魅力を生かしたまちづくりを進めてまいりました。これらの施策の成果が、例えば新宿六丁目地区周辺における子育て 世代などの人口の大幅な増として、数値にあらわれているものと考えております。
今後とも、都市基盤の整備や良好な住環境の確保を図るとともに、公共交通網の充実に取り組んでまいります。
また、防災・減災などの安全・安心なまちづくりや、地域活性化対策なども充実をさせてまいります。さらに、待機児童の解消や経済的負担の軽減など、子育て世代の方々が本区を選んで居住し、住み続けていただけるための支援策を一層充実させてまいります。
このように、ハード・ソフト両面からの総合的なまちづくりにより、誰もが住みやすく、住んでみたいと思われるまちを実現し、担税力のある区民も含めた世代間のバランスのとれた人口構成につなげてまいりたいと考えております。
以上です。
○(深井祐子政策経営部長)
法人住民税の一部国税化や法人税減税などが財政調整交付金制度に与える影響についての現状認識と、今後の財政運営及び代替財源の確保に向けた取り組みについてのご質問にお答えいたします。
財政調整交付金の原資でございます市町村民税法人分の一部国税化につきましては、平成26年度税制改正によりまして、税率を2.6ポイント引き下げ、それ と同額を国税化し、地方交付税の財源とすることが既に実施されているところでございます。この改正の影響などによりまして、本区の平成27年度一般会計歳 入予算では、財政調整交付金が8億円の減となったところでございます。また、市町村民税法人分の一部国税化の影響が平年度化する平成28年度以降は、約 43億円の影響があると試算しております。加えて、先ほどご答弁いたしました法人税減税につきましても、影響額については未知数ではございますが、少なか らず影響があるものと認識しております。
一方で、社会保障と税の一体改革に伴う消費税率引き上げによりまして、地方消費税交付金については、消費税率8%へ引き上げ前に比べまして、約40億円の 増となっており、差し引きでは3億円程度のマイナスとなると見込んでいるところでございます。消費税率引き上げによる地方消費税交付金の増収分でございま すが、これは社会保障財源に充当する趣旨のものでございまして、本来地方法人税収入の偏在是正議論と合わせて議論するものではないものと考えております。 今後、消費税率10%引き上げ時に合わせたさらなる国税化や、法人実効税率のさらなる引き下げが検討されることになっております。
そのため、区民にとって必要な施策を実施していくために、今後の財政需要を見据えまして、計画的に基金を積み立てるとともに、経営改革の一層の推進など、 財政基盤の強化を図ってまいりたいと考えております。あわせて、東京都や他の特別区と連携しながら、引き続き大都市特有の行政需要の必要性を主張し、代替 財源の確保にもしっかりと努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、一般財源である財政調整交付金が減り、社会保障財源である地方消費税交付金がふえることに係る、予算編成の自由度への影響についてお答えいたします。
法人住民税は、地方自治体が課税主体である地方税であり、その地域での法人の活動や、そこで働く人々の生活を支えるためのさまざまな行政施策の財源として 負担を求めているものであります。仮に同額程度が地方消費税交付金として措置されたとしても、増収となる地方消費税交付金は全額社会保障に充当すべき財源 でございます。一般的に、行政需要に柔軟に対応していくためには、使途の制約がない一般財源の比率が大きいことが望ましいということを考えますと、財政構 造上好ましいことではないと考えているところでございます。
また、法人住民税を地方自治体間の調整財源として用いることは、そもそも地方税の根本原則をゆがめるとともに、課税自主権の観点から到底認められない税制 改正であるとも考えているところでございます。ただし、平成27年度一般会計当初予算におきましては、社会保障施策に要する一般財源は450億円を超えて いるところでございまして、社会保障経費に充当すべき地方消費税交付金の増が、投資的経費など他の施策に影響する状況には、現時点ではないと考えていると ころでございます。
いずれにいたしましても、地方がその責任と権限に応じた役割を果たせるような地方税体系と地方税財源の確保に向け、あらゆる機会を捉えまして、東京都や他の特別区と連携しながら、国に対して主張してまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、本区における現在の人口動向についてのご質問にお答えをいたします。
自治体における人口の変動につきましては、これまでも法改正を初めとする国の政策の動きに大きく影響を受けてきており、今後も地方創生などの動向によりましては影響を受けていくものというふうに認識しているところでございます。
ご質問の現在の本区の人口動向につきましては、年齢3区分別人口で見ますと、15歳未満人口と65歳以上の高齢者人口は、基本計画で推計いたしました人口 とほぼ同数で推移してございますけれども、15歳から64歳までの生産年齢人口につきましては、基本計画の人口推計を若干下回っているところでございま す。本区の人口は、平成23年から24年にかけて減少した後、2年連続で増加をしており、今後もこの傾向が続くよう人口誘導につながる各施策に力を入れて いるところでございます。
次に、政策の効果が人口誘導にどう影響しているか、転入・転出の際にアンケート調査で評価すべきとのご質問にお答えいたします。
本区では、これまで都市基盤の整備による良質な住宅の確保や待機児童の解消、多子世帯に対する経済的負担軽減などの子育て支援策の充実、さらにはバス路 線の充実やユニバーサルデザインの推進など、各世代間におけるさまざまな施策を実施してきたところでございます。平成27年度は、これらの施策が人口誘導 策として効果的であるかを検証し、さらなる誘導策に反映していくため、転入・転出者を対象に施策の評価を調査し、分析するための予算を計上したところでご ざいます。
中期実施計画の策定に合わせまして、転入・転出から1年ほどたった方を対象としてアンケートを実施し、本区を選んだ理由、本区が住みやすいと思う点、また 住みにくいと思う点などを調査いたしまして、性別、年代別に分析するなどして、本区の施策が転入・転出の際にどのように影響しているか検討してまいりたい というふうに考えております。
また、人口数の目標値の設定につきましては、今後、将来の人口ビジョンを含めて策定をいたします、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
○(青木克德区長)
次に、平成25年度葛飾区世論調査の社会参加活動の結果についての区の評価及び協働を推し進める基本計画の重要プロジェクトの取り組み状況、今後の考え方や方針についてのご質問にお答えいたします。
区民や事業者と区が、それぞれの特性をお互いに理解、尊重し活動することによって、区をよりよいまちとしていくためには、全ての区民や事業者の方々に地域 に関心を持っていただき、協働による活動に参加するための環境整備が重要な課題であります。そのため、基本計画においても協働を推し進める環境づくりを重 要プロジェクトの一つに位置づけ、さまざまな取り組みを進めてまいりましたが、社会活動に参加したことがない区民が7割以上を占め、その理由の4割がきっ かけがないためという平成25年度の世論調査の調査結果については、環境整備のための取り組みを一層進めていく必要性を改めて認識をしたところでありま す。
これまでの取り組みとしては、本年度から、区民や事業者の皆さんのご希望に応じたテーマで区の職員が区の現状や取り組みなどをお話しし、区政や地域への関 心を持っていただくために職員出前講座を実施し、現在までに26回、延べ670人の方々の参加をいただいております。また、協働事例集の作成や新たに創設 した協働まちづくり表彰も、既に地域の中で活躍している地域人材や団体等の日ごろの活動を内外に紹介し、また顕彰することで、協働の基礎をより強固なもの にするだけでなく、新たな活動の担い手の掘り起しのきっかけになるものと考えております。さらに、平成27年度には、活動実績の少ない団体や、これから活 動を始めようとする団体にも支援を行えるよう、助成制度を拡充してまいります。加えて、協働ホームページを開設し、新たに地域活動に参加したいと考えてい る区民の方々へのきっかけとなるよう、情報の内容や発信の方法などについて工夫をしてまいります。
ご質問にあります重要プロジェクトにおける地域ポイント制度などにつきましては、対象となる活動の選定やポイント付与の仕組みづくりなど課題も多くあることから、いましばらく検討の時間をいただきたいと考えております。
協働を進める上で重要なことは、区民や事業者の皆さんが負担感を持つことなく主体的に参加し、やりがいや生きがいを持って継続的に活動に携わっていただく ことであります。今後も全ての職員が、地域の課題を区民や事業者の皆さんとのパートナーシップで解決していくという意識をしっかりと持って、地域に出向 き、お話を伺いながら、新たな活動の担い手を掘り起し、協働の取り組みにつなげていくことが必要と考えております。さまざまな機会を捉えて、職員への指 導・育成にも引き続き力を入れ、協働の意識の醸成に努めてまいります。
次に、組織改正を踏まえ、今後医療環境の充実に向けてどのような取り組みを行っていくかとのご質問にお答えいたします。
救急医療や高齢者医療など、今後求められる医療を充実するために取り組んでまいりました旧松上小学校跡地を活用した病院誘致につきましては、昨年3月、医 療法人社団明芳会と基本協定を締結いたしました。これを踏まえ、今年度は旧校舎の解体工事を進めてきたところであり、現在解体工事は順調に進んでおり、今 年5月竣工の予定でございます。平成27年度は、法人との土地賃貸借契約を締結し、新たな病院の建設に向けて協議を進めてまいります。また、まだまだ不足 している病床の確保についても取り組んでいく必要があり、東京都との調整などを積極的に行ってまいります。
一方、基本計画における重要プロジェクトの一つである区内医療環境の充実には、葛飾赤十字産院の建てかえ、機能強化についても課題として挙げております。 加えて、地域医療連携の構築も重要な課題として挙げましたが、これをさらに発展させ、葛飾区の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築にも取り組む必要が あると考えております。
これらのさまざまな課題に適切に対処するため、平成27年度は政策経営部に医療環境推進担当課長を置き、区としての体制を強化したところでございます。
次に、葛飾赤十字産院についてのご質問にお答えをいたします。
区内で60年を超える歴史を持つ葛飾赤十字産院は、周産期医療の拠点として、葛飾区民にとって重要な医療機関となっております。
区といたしましては、区内医療環境を充実させるためにも、葛飾赤十字産院との協働は欠かせないものと認識しております。しかし、現状の建物は築後31年 が経過し、24時間365日稼働する病院としては、建てかえを検討する時期に来ており、葛飾赤十字産院としても建てかえに向けさまざまな検討を開始してい ると聞いております。今後、具体的な取り組みが進む中で、区として周産期医療の拠点病院としての機能強化や災害時の医療機能の強化などについても要望をし てまいりたいと考えております。
今後も周産期医療の拠点として、葛飾赤十字産院が葛飾区にあることを区の強みとして生かしながら、子供を安心して産み、育てられる環境の充実に取り組んでまいります。
以上でございます。
○(玉川俊晴危機管理・防災担当部長)
東京湾北部地震における経済被害の想定についてのご質問にお答えいたします。
東京湾北部地震の経済被害の想定額につきましては、中央防災会議首都直下地震専門調査会報告として、平成17年7月に公表されております。それによります と、経済被害全体で約112兆円。内訳としましては、建物などへの直接被害が約67兆円、生産やサービス低下といった間接被害が約45兆円と想定されてお ります。これは全体の経済被害想定であり、地域ごとの詳細については公表されておりません。
そこで、平成24年4月に東京都が公表した建物などの被害想定をもとに、先ほどの想定額を案分して本区の経済被害を試算いたしますと、経済被害全体で約4 兆6,000億円。内訳として、直接被害が約2兆7,000億円、間接被害が約1兆9,000億円と莫大な金額となります。この数字は、首都中枢などの被 害想定を含めたものを案分していることから、被害額が大きくなっているとも考えられますが、被害想定の算出自体、使用するパラメーターを少し変更するだけ で数字が大きく変わることから、この金額も被害想定の一つとして認識してよいのではないかと考えております。
区といたしましては、基本計画において災害協働プロジェクトを位置づけ、民間建築物の耐震化を推進するとともに、壊れにくく燃えにくいまちづくりの推進に 向け、新小岩駅や立石駅周辺のまちづくり、木造密集地域の改善などを鋭意進めているところでございますが、この経済被害の想定額を目にいたしますと、改め て事前復興とも言えるまちづくりの重要性を認識するところでございます。
以上でございます。
○(栁澤永一都市整備部長)
次に、葛飾区耐震改修促進計画等の取り組み状況と今後の計画策定などについてのご質問にお答えいたします。
耐震改修促進計画に掲げる本区の耐震助成制度は、阪神・淡路大震災を教訓として、平成7年12月から耐震診断の助成を始め、改修工事費の助成は平成17 年9月から行っております。その後も必要に応じて制度の見直しを行い、平成26年4月には不燃化特区内の建てかえ助成の限度額の見直しや除却等の助成要件 の緩和を行いました。また、平成23年度から東京都建築事務所協会葛飾支部のご協力をいただいて、耐震助成の説明会や相談会を地区センターなどで年20回 開催いたしました。
こうした取り組みの結果、平成22年度に79件であった木造住宅の耐震助成実績が、平成25年度には650件と約8倍以上に増大いたしました。特に改修実 績は、建てかえ・除却を含め、平成22年度の15件から平成25年度は226件と約15倍に伸びております。しかしながら、現在の木造住宅の耐震化率は7 割強であるため、葛飾区耐震改修促進計画に定めた耐震化目標90%を平成27年度末に達成するのは難しい状況にあると考えております。
今後は、葛飾区耐震改修促進計画の見直しを行い、密集事業や再開発事業などのまちづくり事業と連携を図り、さらなる耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、今後の本区の液状化対策の具体的な方策や計画などについてのご質問にお答えいたします。
お話にもありましたように、都の被害想定によると、本区の被害は23区の中でも最も大きくなるとのことから、平成25年度に学識経験者を交えた液状化対策 検討委員会を設置し、検討を重ねてきました。その結果、区民に対して液状化に関する情報をわかりやすく伝えることが重要であるとの意見から、区民向けの地 盤の液状化に関するパンフレットを作成いたしました。このパンフレットは、窓口相談や耐震助成の説明とあわせた地盤の液状化説明会で活用をしております。 区民の関心は大変に高く、説明会の参加者は昨年の2倍以上に上っております。このほかにも、区のホームページや広報紙、FMかつしかなどにより、地盤調査 や液状化対策の必要性を周知しております。また、区民がご自分の土地の地盤状況について関心を持ち、液状化の可能性を調査するために、地盤調査費の助成制 度を始めました。
今後は、本区の地盤状況を踏まえ、地盤調査や液状化対策の必要性を多くの方々に知っていただくために説明会を継続的に実施するとともに、指定確認検査機関やハウスメーカーなどに対しても、葛飾区の地盤状況や助成制度について周知を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(田口浩信産業経済担当部長)
観光客の滞在時間と宿泊施設の誘致に関するご質問にお答えいたします。
観光客の滞在時間につきましては、今年度実施している葛飾区観光経済調査の中で調査を行いました。その速報値によりますと、葛飾区への来訪時に観光客が区 内に滞在した時間で最も多かった回答は半日で26.7%。次に多かった回答は1日で22.6%、さらに2~3時間が20.3%と続いております。一方、2 日以上と回答した方の割合は6.8%と少ない割合にとどまっております。
こうした滞在時間が少ない要因の一つとして、区内に立地する宿泊施設が少ないことが考えられます。そうした中でも、綾瀬や新小岩にある宿泊施設では、区内 観光ガイドブックの各部屋への備えつけや、観光パンフレット類の配布などによる宿泊客に対する区内観光地への直接的誘客にご協力をいただいております。
そのため、観光客の滞在時間延長に向けた取り組みといたしましては、魅力ある観光資源の創出や周遊ルートの開発などの取り組みを進めることはもとより、今後のまちづくりの中で、観光客のニーズを把握しながら、宿泊施設の必要性につきましても、関係機関とともに検討してまいります。
次に、区内観光の回遊性向上のために、交通機関を利用する取り組みに関するご質問にお答えいたします。
本区におきましても、観光のためにバス路線を利用する取り組みは、京成バスや都営バス路線などへのこち亀やキャプテン翼のキャラクターラッピングバスのほ か、菖蒲まつり期間中における菖蒲めぐりバスへの区内観光地のラッピング広告などを行ってきております。また、こうした外装だけでなく、サッカーワールド カップ期間中にはキャプテン翼のラッピング広告を施した京成タウンバス車内全面にキャプテン翼のポスターを掲出するなど、内装による取り組みも行ってまい りました。キャプテン翼のラッピングバスの事例は、外装と内装を同時に行うことにより、葛飾区ゆかりのキャラクターのイメージをより強烈に乗客にアピール できたものと認識しております。
このように、葛飾区では、これまで観光PRの媒体として交通機関の活用を積極的に図ってまいりました。こうした実績を踏まえ、交通機関の観光資源化として のさらなる取り組みについて、先進事例などの調査研究や交通機関との意見交換を行い、回遊性向上が図れるよう検討を進めてまいります。
以上でございます。
○(青木克德区長)
地域包括ケアシステムの中での、みとりについてのご質問にお答えいたします。
これからの高齢社会への対応を考える上で、人生を最後まで元気に暮らせるように、健康寿命を延ばしていくことが区の大きな政策目標であると考えております。
このため、平成27年度は健康部の創設や地域包括ケアシステムの推進など、健康施策や高齢者施策の実施に当たっては、区民の健康寿命を延ばすことに重点を置いてまいります。
また、人生の最後をいかに過ごすか、いわゆるみとりにつきましても、重要な課題であると考えております。高齢者本人や家族の希望に沿ったみとりを行うため には、今以上に在宅医療を充実することや、在宅医療と介護の連携を強化することが課題となってくると認識をしております。
区といたしましては、区内の医療関係者や介護の関係者とともに十分に協議をしながら、人間の尊厳にもかかわるこの大きな問題にも取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○(丹保福祉部長)
地域包括ケアシステムの必要性については以前から指摘されてきたが、区として今回、平成27年度予算概要に地域包括ケアシステムの推進を重点施策として取り上げた理由は何かとのご質問にお答えいたします。
国は昨年の介護保険法の改正を受けて、介護保険法第116条第1項に基づき定める介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針を 改めることとしており、区市町村が定める第6期介護保険事業計画では、医療・介護・介護予防・住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体 制、いわゆる地域包括ケアシステムの構築に努めることとするとしております。
区は、この国の基本的な指針の改正を受けて、現在策定中の第6期介護保険事業計画では、地域包括ケアシステムの推進を計画の基本目標の一つに掲げるととも に、平成27年度の予算概要では、高齢者総合相談センターの機能強化を初め、認知症対策の強化や地域包括ケアシステムの構築に向けた実態調査及びモデル事 業の実施を、いずれも重点事業として取り上げることにしたものでございます。
地域包括ケアシステムは、介護と在宅医療の連携を中心に、高齢者に係るさまざまな取り組みを密接に連携させる地域社会全体の仕組みづくりであると考えてお ります。そのため、福祉部、政策経営部を中心に、区を挙げての取り組みとしていくために、地域包括ケアシステムの推進を重点事業としたものでございます。
以上でございます