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◆平成26年第1回定例会~会議録より

▼平成26年第1回定例会(第2日2月26日)より、私の代表質問を掲載します。
ぜひご一読願えれば幸いです。

会議名:平成26年第1回定例会(第2日2月26日)(代表質問・財政フレーム・公共施設の更新・都市計画のマスタープラン・耐震化・液状化対策・学校選択制)

○米山真吾

お許しをいただきまして、私は、葛飾区議会民進党議員団を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い区長並びに関係部局に質問するものであります。

まず初めに、財政フレーム及び税制改正に伴う影響について伺います。

平成26年度予算案の一般会計では、1,721億1,000万円で前年度比0.6%増の伸びが示されました。歳入面を見ますと、特別区税が2億6,800万円増で、景気状況の好転が理由による増と均等割の増分が主な要因であります。地方消費税交付金が12億3,500万円で、4月から始まる消費税増税によることが増の要因であり、特別区交付金も7億円ほどふえることになっており、企業収益の改善が見受けられます。しかし、中小零細企業の多い本区においてはまだまだ厳しい状況であり、景気回復を実感することが乏しい状況にあると思います。特に、4月から消費税が5%から8%に上がることから、企業・個人等の消費動向を注視していく必要があります。

一方で、この消費税を上げる目的は、社会保障財源の確保や充実に使っていくということであります。この消費税の内訳については区民の方々もなかなか知らない部分もあると思いますが、地方消費税分として地方で使える財源も入っております。4月から始まる消費税3%増税で、地方においても地方消費税分については地方消費税収の0.7%分がふえるようになります。国の消費税の使い道については、社会保障の4経費として目的化しておりますが、現行の地方消費税1%分は一般財源のため目的化されていません。0.7%分の増収分については社会保障財源化の記述がありますが、消費税に対する認識が区民側からすると全て社会保障の充実に使われるのではないかと思っている方々も多いと思われます。一般財源であることは認識しておりますが、葛飾区として今回の予算編成の過程で地方消費税分の歳入増の部分について、社会保障への対応についてはどのような認識を持ちながら取り組まれたのか、見解を伺いたいと思います。

国は、法人住民税税率引き下げ相当分について、地方法人税を国税として創設し、地方交付税の原資化を決定いたしました。このことについては、昨年の第4回定例会で葛飾区議会としても「法人住民税の一部国税化に反対し、地方税財源拡充への取り組みを求める意見書」を提出し、全会一致で国に対し意見書を提出したところであります。この法人住民税の一部国税化については、大都市部狙い撃ちで、東京都は地方交付税の不交付団体のため、葛飾区においても財調原資となる法人住民税が減少することによっての特別区交付金減少は避けられないものと思います。26年度は影響がないとしても、27年度以降、影響が出てくることは必然であります。本来地方の財源で区民に対しての行政サービスに使えるものが、中央集権型のやり方で水平分配するというやり方には、いささか疑問を感じざるを得ません。また、これらの税制の改正によって、葛飾区における前期実施計画の財政フレームにも影響が出ることによって計画事業に影響が出てしまうのかどうか、不安な側面もございます。

そこで質問をいたします。

  1. 今後、法人住民税の一部国税化によって財調にも影響が出るものと思われます。どの程度の影響額になっていくのか、区の見解を伺いたいと思います。

  2. 葛飾区前期実施計画の財政フレームにおいて、平成26年度は1,811億円ほどを見込んでいたが、当初予算では1,727億円となっております。84億円ほど乖離がありますが、差異について伺うとともに、実施計画への影響の有無などを伺いたいと思います。

また、法人住民税の一部国税化や地方税収等、財源の見通しが難しい中、今後、前期実施計画の財政フレームの上に成り立っている計画事業を組み立てていくことができるのかどうか、区の見解を伺いたいと思います。

次に、今後の公共施設の更新について伺います。

平成23年に策定された施設白書では、建てかえ時期を建設後一律60年とし、60年間で総額2,507億円、年平均で42億円の経費がかかると推計しております。単純な推計ですから詳細を詰めていく必要があることは言うまでもありませんが、いずれにせよ多額の費用がかかることは明白であります。施設の総量抑制や長寿命化を進めながら、施設の複合化を含めて財政負担の平準化を図ることが現段階の考え方では最善だと思いますが、これだけ多額の経費がかかると想定されている以上、財源の担保をしていかなければなりませんし、建物の長寿命化をしていく以上は、長期修繕計画を策定した上で財源の平準化の基礎となる資金計画もつくり、対応していかなければなりません。また、行政サービスのあり方も議論しなければならないでしょう。特に、平成34年から43年の間には1,061億円が推計されており、対応策は待ったなしでありますから、複合的な観点から公共施設の更新計画を策定していく必要があります。

そこで質問をいたします。

昨年の12月に社会資本整備審議会・交通政策審議会の今後の社会資本の維持管理・更新のあり方についての答申が出され、地方自治体における維持管理・更新の実施状況に関する現状と課題が示されました。戦略的メンテナンス思想の導入や長期計画の策定、予算確保、入札制度の改善、技術者・技能者の育成などが必要になってくるわけでありますが、区の基本計画では施設の総量抑制・長寿命化とありますが、財源の平準化の基本になる長期修繕計画の有無及び建物単体ごとに作成しているのかどうか、伺いたいと思います。

また、来年度区は公共施設に関しての組織改正を行いますが、今後の施設更新への取り組みについて具体的に区の見解を伺いたいと思います。また、今後の公共施設の建てかえや修繕等については、民間マンション等のように計画的に積み立て修繕していくことが肝要だと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。

消費税がさらに10%に上がった場合の国の消費税の使途のフレームによりますと、現行の地方消費税収1%を除く地方消費税1.2%プラス地方交付税分1.52%については社会保障財源化するとあります。一方で、東京都は地方交付税の不交付団体であることと法人住民税の一部国税化による財調原資が減少する中で、公共施設の更新等への投資的な取り組みが財政的に可能なのかどうか、区の見解を伺いたいと思います。

総合庁舎整備基金については、将来世代への負担や現役世代の負担割合を考慮しながら基金の積み立てを行っていく必要がありますが、どのような考えを持って基金の積み立てを行い、どの程度の規模まで積み立てていくのか、見解を伺いたいと思います。

次に、葛飾区都市計画マスタープランについて伺います。

平成23年に策定された葛飾区都市計画マスタープランは、目標年次を20年後の平成42年(2030年)としておりまして、策定時から時間的な経過を経て目標年次まで16年という段階であります。街づくりにおいて十五、六年という期間は決して長いものではなく、現段階からさまざまな取り組みを行っていかなければ目標を達成していくことはできなくなってしまう可能性があります。都市計画マスタープランでは、将来の都市構造を分節型・多核連携型の都市構造としております。これにまちづくり基本理念に基づき、これらの課題に対する方針を編み込む形で全体構想・地域別構想が示され、安心して住み、憩い、働き続けられる川の手・人情都市かつしかに向かうとされています。分節型・多核連携型の都市構造とは、並立する各拠点とそれらをネットワークで結び、有機的に連携させるというものでありますが、都市機能集積拠点として広域複合拠点、広域生活拠点、広域行政拠点、地域生活拠点を設定しておりますが、その中で土地利用の方針においては、広域複合拠点と広域生活拠点、広域行政拠点についての駅周辺は、土地の有効・高度利用を図りながら広域的な商業・業務機能の集積を誘導するとともに、それらと調和した都市型居住住宅の形成を図るとあります。

では、駅周辺において土地の有効利用がなされているのかどうか。容積率の状況を見ると、必ずしも有効利用されているようには思われません。また、商業・業務機能を誘導するとありますが、これもまだまだ機能しているようには思われません。土地の有効利用や機能の集積などの施策の有無が土地の価格変動などにも影響を及ぼしているのではないかと考えられます。平成25年の公示価格では、区内のほとんどの地点で価格が下落しましたが、東京理科大学を誘致、都市計画公園を整備した新宿六丁目と金町駅の間に位置する東金町二丁目は平米30万円で、前年比0.017%と微増ではありますが、上昇しました。亀有駅前の亀有三丁目も平米48万で、前年比0.013%でありますが、上昇いたしました。これらの土地価格の動きを見ると、その地域における土地をどのようにして有効な活用をするか。また、どのような機能を集積するかによってそこで生産活動や経済活動への期待が高まり、住んでみよう、働いてみようとする動きが出てくるのではないかと思います。さらに人が集まってくることによって街が輝いてくるのだと思います。

そこで質問をいたします。

地価公示価格の動向は、景気状況にも左右されるわけでありますが、下落傾向の中でも上昇している地域があります。このことについて区としての見解を伺いたいと思います。

都市計画マスタープランでは、広域複合拠点等については広域的な商業・業務機能の集積をしていくとあり、さらに土地の有効・高度利用を図るとありますが、駅周辺の商業系用途地域における現在の容積率の充足率を伺うとともに、区の見解と課題認識を伺いたいと思います。また、機能の集積誘導と土地の有効・高度利用の今後の展開を伺いたいと思います。

東日本大震災以降、震災への対応が求められていることや防災に対する意識も高くなってきております。マスタープランでは、密集市街地の改善を図り、燃えない壊れない都市を目指し、建築物の不燃化や耐震化を促進するとあります。葛飾区は、東京都が主導する木密地域不燃化10年プロジェクトに参画し、四つ木一・二丁目、東四つ木三・四丁目が不燃化特区に選定され、現在東立石四丁目等を追加申請をしております。木密地域不燃化10年プロジェクトには、2020年度までに不燃領域率を70%にしていく目標がありますし、耐震化については葛飾区耐震改修促進計画において平成27年度までに民間の木造住宅を90%耐震化していくという目標があります。災害に弱い地域を面的に積極的に災害対策を進めていくことが必要であります。

そこで、質問をいたします。

木密地域不燃化10年プロジェクトにおいて不燃化特区に選定された四つ木一・二丁目、東四つ木三・四丁目、さらに追加申請している東立石四丁目等を含めた地域についての現状の不燃領域率を伺いたいと思います。また、建築物の建てかえだけでは不燃領域率70%を達成していくことは難しいと思われますが、道路や空き地などの取得など、さまざまな組み合わせが必要だと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。

不燃化・耐震化の促進策として建物の共同化の推進を掲げていますが、共同化の事例がどの程度あるか、伺いたいと思います。また、課題があるとすれば、促進するための区の施策があるのかどうか、伺いたいと思います。

3番目に、民間建築物耐震診断・改修助成に関して、木造住宅における過去3年間の実績値を示していただきたい。また、葛飾区耐震改修促進計画の民間木造住宅の耐震化目標の達成は厳しい状況でありますが、目標達成に向けて努力をしていかなければなりません。区の計画目標達成への見解を伺いたいと思います。

4番目に、木造密集地域においては、囲繞地あるいは建築物が前面道路に接道していない再建築不可の建築物や、権利関係も借地権で建てかえによって地主に更新料等建てかえ以外の費用が発生し、建てかえをためらう場合もあるのではないかと考えられます。こういった事例に対しても何らかの対応を行っていかなければならないと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。また、建てかえや改修工事に際しては費用が多くかかり、借り入れを起こすケースもあると考えられます。金融機関と連携して助成制度がより活用されるようにすべきと思いますが、どうでしょうか。

次に、液状化について伺いたいと思います。

東京都が昨年液状化予測を発表いたしました。この液状化予測を見ると、葛飾区は全ての地域で液状化の可能性がある地域及び液状化の可能性が高い地域となっております。特に、この液状化予測図を見ると、防災上避難所になっている学校施設や公共施設も含まれており、対策の是非を見きわめる必要があります。また、不燃化特区に選定された地域も入っており、耐震化、不燃化、液状化対策など複合的に対策を打っていかなければならない地域もあります。

そこで質問をいたします。

1番、葛飾区は、液状化マップの作成を来年度行うと聞いていますが、現在の状況を伺いたいと思います。また、前期実施計画では対策工事に対しての助成制度も検討することになっておりますが、あわせて伺いたいと思います。液状化については、地盤調査の専門家の知見も必要であります。耐震化や街づくりの説明会等においても連携していく必要があると思いますが、区の見解を伺いたいと思います。

また、災害は地震だけではありません。葛飾区は川に囲まれ、ゼロメートル地域も多く存在する地域であり、水害に対する備えもしていく必要があります。また、昨今ゲリラ豪雨などによる都市型水害にも対応していく必要があります。区は、人工的な高台の確保などを標榜し、新宿六丁目地区においてモデル的な取り組みとして人工的な高台を整備し、高砂駅周辺のまちづくりにおいても公園の高台化について検討を進めるなどしておりますが、いずれもこれからの街づくりの中で行うものであり、既存の避難場所等への対応については余り言及しておりません。都市計画マスタープランでは面的な街づくりや個別建築時において基盤の盛土や建物の高床化を促す制度の検討を進めますとありますが、現在どの程度の検討が進んでいるのか、わかりません。

そこで質問をいたします。

  1. 水害における人工的な高台の確保の中で、面的な街づくりや個別建築時において基盤の盛り土や建物の高床化を促す制度の検討を進めますとありますが、区の水害に対する基本的な考え方や制度の検討状況について伺いたいと思います。また、立体都市公園制度などを活用していく必要があると考えますが、区の見解を伺いたいと思います。

  2. ゲリラ豪雨による都市型水害に対する雨水排除能力の向上に向けた働きかけによって、葛飾区における下水道の状況はどのようになっているのか、具体的に伺いたいと思います。

次に、学校選択制について伺います。

中学校においては平成15年度から、小学校においては平成16年度から学校選択制度を実施しており、ことしで10年が経過したところであります。この学校選択制度は、児童・生徒が区立学校に入学する際に自分に適した学校を選び、意欲を持って学習や学校行事に取り組み、みずからの能力を伸ばせるようにするために実施し、そして子供や保護者が学校を選択する過程を通じて学校に対する理解や関心を高めるとともに、みずからが選んだ学校への積極的な協力を期待するという目的でスタートしたわけであります。学校側は、選ばれる学校になるために特色ある学校づくりを推進し、学校の取り組みをアピールしていくことが期待されていたわけであります。

学校選択制については、導入してから10年が経過し、定着してきたわけでありますが、メリット・デメリットもあることも事実であります。保護者の方からすると、学校を選べるということで選択肢がふえ、いろいろな観点から行かせたい学校に子供を行かせられる。子供も、例えば友達と一緒に同じ学校に行くことができるなどの利点があります。また、希望する部活の有無などもあります。一方で、地域に参加する子どもたちが少なくなってしまうとか、教育現場では教室の差配の課題、風評によって年によって入学する子供たちの数の変動が激しく動くなどあります。先ほども述べましたが、導入して10年が経過した中でよいところ、課題があるところなどある中で一度検証し、よりよい仕組みにする必要があるのではないかと思います。

そこで質問をいたします。

  1. 子供の地域活動への参加率について、導入後の変遷を伺いたいと思います。

  2. アンケート調査において学校選択制における保護者の評価を伺うとともに、区として制度によって起きている課題があるかどうか、具体的な見解を伺いたいと思います。制度導入後10年が経過した中で検証し、より仕組みにする必要があると考えるが、どうか。

次に、地域防災計画及び人材育成について伺います。

阪神淡路大震災や東日本大震災などでは、地震発生から短時間のうちに多くの命が奪われました。発生から72時間以内が人命を救う上でのタイムリミットと言われておりますが、この限られた時間の中でいかにして一人でも多くの命を救うことができるか、行政を初めとする各防災関係機関の初動のあり方が問われています。区では、現在地域防災計画の見直しに伴って災害対策本部マニュアルの見直しも行っていると聞いております。災害対策本部を機能させ区としての初動態勢を確立するためには、応急活動を行う職員の行動能力が鍵を握ります。マニュアルをつくって手順を頭で覚えておけばいいということではなくて、実際の訓練を通して体で覚えることが重要であります。マニュアルに記載されていない事項についても臨機応変に対応できるだけの柔軟な発想と行動力を持ち、防災に関する豊富な知識がある災害時に強い職員の存在が求められるわけであります。近い将来首都直下型地震の発生が想定されていることからも、この災害時に強い職員の育成は喫緊の課題であると思います。

そこで質問をいたします。

  1. 初動態勢の確立に向け、災害対策本部の設置・運営に関する訓練をどのように考えているのか、伺いたいと思います。

  2. 今後、災害時に強い職員を育成していくために、区としてどのような方針を打ち立てていくのか、伺いたいと思います。

また、災害時は行政の力だけでは解決できません。共助が必要です。その役割の一つを担っている消防団については、東日本大震災では250名を超える消防団員の尊い命が失われました。その一方、避難誘導や水門閉鎖、救助活動などその活躍が大きく報告もされ、地域社会にとって重要な存在であることを改めて認識されたと思います。一方、社会環境の変化に伴っての団員数の減少、サラリーマン化や高齢化等さまざまな課題に直面しております。消防庁は入団促進に向けた取り組みや早期の待遇改善を市町村に働きかけるよう都道府県に要請しているようですが、東京都と連携し消防団確保の取り組む必要があります。消防団は区の所管ではありませんが、災害時における重要な役割を担う消防団員の確保や防災への関心を持つ中学生や高校生など、次世代の人材の育成も区として積極的に関与する必要があると考えます。災害が起きた際に、最終的には人の力が必要で、助けられる側から助ける側へのシフトをいかにふやしていくか、この助けられる側から助ける側へ人材をシフト・育成していくことが重要だと考えます。

そこで質問をいたします。

世論調査からも、きっかけがないことで社会的活動に参加しないという方が4割以上に上っています。きっかけづくりをいかにつくっていき、社会的活動に参加する人材の発掘をいかに進めていくかが重要であります。消防団を含めた防災組織への人員確保や次世代の地域を担う人材育成などに区も積極的に関与していく必要があると考えますが、今後の取り組みを含めて具体的に区の見解を伺いたいと思います。

以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○(青木克德区長)

米山議員のご質問にお答えをいたします。

初めに、地方消費税の歳入増の部分に係る社会保障への対応についてどのように認識を持ちながら予算編成を行ったのかとのご質問にお答えをいたします。

今回の消費税率引き上げは、今後も増大が見込まれる社会保障制度の安定財源確保と財政健全化を同時に達成することを目指す観点から行われたものであり、引き上げ分は全額を社会保障の経費に充てるとされております。

私といたしましては、4月からの消費税率引き上げを控えた新年度の予算編成において、子育て支援や高齢者施策の充実などを初めとする社会保障施策の充実を強く意識して予算編成に当たりました。そこで、子育て支援や高齢者支援など本区の社会保障施策に充当している一般財源は400億円を超えており、地方消費税交付金における税率引き上げによる増収分である11億円は、全額社会保障施策の維持・充実のため、その一部として活用をさせていただきました。

ご質問にありますように、地方消費税交付金は一般財源であり、予算書の表記に当たっては特定財源として扱われないことから、どの社会保障経費に使われたかが明示されません。しかしながら、一方で区民に対する説明責任を果たす必要があります。そのため、予算関係資料において、増税分の11億円の使途を国の書式にのっとりお示しをしたところでございます。今後も、消費税率引き上げの趣旨を踏まえ、社会保障施策の維持・充実に努めてまいる所存であります。

次に、法人住民税の一部国税化の影響についてのご質問にお答えをいたします。

平成26年度の税制改正大綱では、社会保障と税の一体改革として、消費税率の引き上げとともに法人住民税の一部国税化が行われました。地方税である市町村民税法人分の税率を2.6ポイント引き下げ、それと同率を国税化し、地方交付税の財源とするとされています。市町村民税法人分は財調交付金の原資でもあることから、本区財政にも大きな影響を与えるものであります。平成26年度の当初予算フレームでこの影響を試算しますと、税制改正の影響が平年度化された後の財調交付金は43億円程度減少すると見込んでいます。また、消費税が10%に引き上げられる際には、さらなる地方法人課税の見直しが行われる予定でありますが、その影響については先行きが見通せない状況でございます。

一方、社会保障と税の一体改革という面からは、消費税率の引き上げによりまして、消費税率8%の平年ベースで計算しますと、地方消費税交付金が40億円程度増加すると見込んでおりますが、差引きでは3億円程度の減収となります。法人税率は、地方自治体が課税主体である地方税であり、仮に同額程度が地方消費税交付金で措置されたとしても、増収となる地方消費税交付金は社会保障充当財源でもあります。財政自主権の観点からは到底認めることのできない税制改正であり、引き続き他の特別区や東京都と連携をしながら、この地方自治の根幹を揺るがしかねない問題に取り組んでまいりたいと考えております。

次に、今後の公共施設の更新に関するご質問にお答えをいたします。

初めに、長期的修繕計画の有無に関するご質問にお答えします。

これまで、公共施設につきましては、施設維持管理の手引や建物の仕組みと保全といったマニュアルにより、施設を管理する各部各課が維持保全や修繕を行ってまいりました。しかし、技術的・専門的な知識を必要とされることもあり、建物単体ごとの長期修繕計画の策定にまで至っていないのが現状でございます。

次に、今後の施設更新への取り組みに関する質問にお答えします。

平成26年度は政策経営部に施設計画担当課長、総務部に施設管理担当部長、施設改修計画担当課長、施設維持課長を新設し、施設の更新を含め公共施設活用の全庁調整及び計画的・予防的修繕等の長寿命化に向けた取り組みを行ってまいります。まず、サービスを所管する各部各課が将来に向けてサービスのあり方を十分見きわめた上で、そのサービスを効率的に実現できる施設について、施設計画担当課長が公共施設の総合調整を行います。一方で、公共施設の活用を検討するには、建築上の制限や建物の寿命を見きわめ、将来にわたる修繕費用など技術的な視点による検討も必要です。そのため、施設維持課が横断的に施設の点検や状況把握を行い、施設改修計画担当課長が技術的な視点で検討調整を行います。これらの組織が十分連携して、実現可能な具体的施設活用計画を作成してまいります。

改築すべき施設は、周辺施設と複合化を行うなど、より利便性・効率性が確保できる施設として改築計画を作成し、実施をしてまいります。

また、長寿命化を図っていく施設は、中期的・長期的修繕計画や必要に応じて建物の機能を変更する改修計画を作成します。修繕費用や更新費用の平準化を図りつつ、的確な修繕や改修を実施し、その施設の寿命を最大に生かしてまいります。さらに、施設維持課が日常の維持管理という各部各課と連携しながら、施設内の破損等の素早い補修を行い、より快適にお使いいただける施設にしてまいります。これらの取り組みを着実に実施することにより、公共施設の効果的・効率的な活用、そして区民サービスの向上が図れるものと考えております。

次に、今後の公共施設の建てかえや修繕等についての計画的積み立てに関するご質問にお答えいたします。

公共施設の更新や大規模修繕に関しましては、公共施設建設基金に積み立てを行っているところでございます。しかし、決して十分と言えない状況にございます。将来世代に負担を残さないよう、ライフサイクルコストに応じた公共施設建設基金への積み立てを検討してまいりたいと考えております。

次に、地方交付税不交付団体である区が法人住民税の一部国税化により財調財源が減少する中で、公共施設等への投資的な取り組みができるかとのご質問にお答えをいたします。

消費税率の引き上げに係る地方分については、地方消費税に1.2%上乗せされるほか、国の消費税から地方交付税への法定率分として0.34%充実させることとなっております。これは、財政力の弱い地方団体における社会保障財源の確保の観点から行われたものであります。特別区は地方交付税の不交付団体であり、東京都についても制度発足以来不交付団体でありますが、これまで国・地方に先駆け行財政改革に取り組み、住民サービスを向上させてまいりました。公共施設の更新に当たりましては、建設時のコスト低減や維持管理費の低減、あるいは施設の長寿命化などによりまして、可能な限り財政負担の抑制を図ることが財政的に大切であると考えております。その上で国庫補助金や都補助金など特定財源の確保を初め、公共施設建設基金や起債対応能力の活用により、財源を確保しながら必要な公共施設の更新を進めてまいりたいと考えております。

次に、地価公示価格が下落傾向の中でも上昇している地域があるとのご質問にお答えいたします。

地価公示価格は、国土交通省が地価公示法に基づき、毎年1回、1月1日時点における標準地の1平米当たりの地価を公示価格として公表しています。全国的に下落傾向である平成23から25年度までの過去3年間の公示価格は、本区におきましても、平均値では下落傾向でありますが、金町駅や亀有駅周辺で公示値では上昇が見られます。公示価格は北千住駅周辺でも上昇していることから、北千住の東京電機大学や新宿六丁目の東京理科大学の両キャンパスの開設や大型商業施設などの常磐線沿線地域に影響を与えているものと考えております。こうした状況から、街づくりの進展や新たなにぎわいの創出などが地域の魅力を高め、街の活力を向上させ、地価公示価格の上昇の要因につながっているものと考えております。

次に、地域防災計画及び人材育成についてのご質問にお答えをいたします。

初めに、災害対策本部の設置・運営に関する訓練についてでございます。

本区では、阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓を踏まえ初動態勢の重要性を強く認識するとともに、その確立に向けた対策に取り組んでいるところでございます。特に、発災から72時間は人命を救うことができるか否かを左右する重要な時間帯であると言われていることから、区としてもその時間帯における応急対策の強化が必要であると考えております。そこで、区では現在応急対策をつかさどる災害対策本部態勢の見直しを進めるとともに、本部のマニュアルの改正にも取り組んでいるところでございます。一方、災害対策本部態勢の見直しやマニュアルの改正などを実施し、災害対策本部がその機能を十分に発揮するためには、応急対策活動を行う職員が迅速かつ的確に行動することが必要です。そのためには、職員に対する本部訓練を定期的に行い、職員に訓練内容を体で覚えてもらわなければなりません。

そこで、区では、平成26年度から本部訓練の実施の徹底を図り実施頻度をふやすなど、訓練内容が職員により浸透するようにしてまいります。また、訓練の実施に当たっては外部機関の支援を受け、訓練実施後の検証も含めて、より充実した訓練にしてまいりたいと考えており、その経費を新年度予算に計上をしております。

次に、消防団を含めた防災組織への人材確保や次世代を担う人材育成についてのご質問にお答えをいたします。

お話にありますとおり、東日本大震災では多くの尊い消防団員の命が失われましたが、その一方で水門閉鎖や救助活動など、その大きな活躍が報告をされてお り、地域における消防団を含めた防災組織への期待は高まっております。そのため、お話にありましたとおり、社会的活動に参加しないという方がふえている 中、防災組織への人材確保は重要な課題であると区としても認識をしております。

現状ですが、例えば消防団員で見ますと、現在の本区の団員充足率は約83%で、ここ数年同水準を保っておりますが、全国的には減少を続けております。そこ で、これまで消防団運営委員会においても、都知事より諮問を受け議論を進め、効率的な入団促進活動や生業と消防団活動との両立について検討を進めてまいり ました。これを受け、区・消防署・消防団が連携し、地域活動における行事などを通して、幼児、児童・生徒等と積極的に交流を図るなど、具体的な取り組みを 強化してきたところでございます。

また、次世代を担う人材育成の取り組みとして、都立高校では各学校に防災教育推進委員会が設置され、防災課も委員として参加をし、宿泊訓練などが実施され ております。さらに、区立小・中学校においても地域と連携した避難所運営訓練や学校主催の防災訓練などにおいて、初期消火訓練やAEDを含めた救命講習な ど積極的な交流がなされております。

区といたしましても、このような活動がきっかけとなり、将来の地域防災を担う人材を育成していきたいと考えております。引き続き皆様の御意見などを参考にしながら取り組みを進めてまいりますので、よろしくお願いします。

なお、その他のご質問につきましては、副区長、教育長及び所管部長より答弁いたします。

○(筧晃一副区長)

次に、法人住民税の一部国税化が前期実施計画の財政フレームに与える影響と今後の計画事業の組み立てについてのご質問にお答えします。

平成26年度当初予算は、前期実施計画の財政フレームと比べて84億円の乖離がありますが、この主な要因は水元のフィットネスパーク整備を初めとするス ポーツ施設の新規開設や都市計画道路整備事業、新小岩駅周辺の開発事業などのまちづくり事業の進捗状況によるものでございます。そのため、平成26年度税 制改正に盛り込まれました法人住民税の一部国税化や消費税率の引き上げなどの影響により財政フレームの規模が減少したものではございません。しかしなが ら、平成24年度に策定しました前期実施計画の財政フレームにはこれらの税制改正を見込んでおりませんので、今後、本区財政フレームが影響を受ける可能性 は否定できません。

今後、前期実施計画期間中における消費税率のさらなる引き上げなど、先行きが見通せない状況ではありますが、事務事業の見直しなど行財政改革を不断に推進 するとともに、基金積み立てや起債抑制など、これまで培ってきた財政対応能力を活用して、前期実施計画に掲げました事業を着実に実施してまいりたいと考え ております。

以上でございます。

〔塩澤雄一教育長登壇〕

○(塩澤雄一教育長)

今後の学校選択制についてのご質問にお答えします。

本区の学校選択制は、平成15年度から中学校で、平成16年度からは小学校で開始し、10年を経過いたしました。アンケートでの保護者意見としては、小・ 中学校ともに学校選択制に賛成する意見が6割強と選択の自由を望む声がある一方で、学校・家庭・地域の連携を強く求められている中、通学区域外からの通学 がふえることにより、子供たちが地域とかかわる機会が減少し、子ども会やPTA活動などに支障を生じているという意見が多く寄せられております。

意識調査においても、「地域活動に参加している」との問いに「はい」と回答したのは小学生で38%、中学生になると26%、子ども会連合会に加盟する団体 数も学校選択制実施前の平成14年度には133団体あったものが、現時点では86団体と約35%減少していることからも子どもたちの地域への参加率が低下 している現状が読み取れます。特に、東日本大震災以降、児童・生徒の安全・安心の確保への教訓はもとより、急増しているさまざまな犯罪や事故から、通学時 における児童・生徒の安全・安心の確保など新たな課題への対応も求められているところでございます。

こうした課題に対応していくために、地域の子供が地域で安全・安心に楽しく学校生活を送ることができるようにしていくために、現行の学校選択制をよりよい ものに改善していく必要があると認識しております。教育委員会といたしましては、今後、学校選択制のメリットを生かしつつ、通学区域の趣旨やさまざまな今 日的な課題に対応できる新しい仕組みの構築を進めてまいりたいと考えております。

また、通学区域についても従来から地域の児童・生徒数の予測や学校の規模などにより設定しているものであり、今後も地域の実情に合わせ柔軟な見直しを進めてまいります。

以上でございます。

○(内山利之総務部長)

総合庁舎整備基金についてのご質問にお答えいたします。

公共施設整備の財源を平準化する手段としては、主に事前に基金を準備して事業費に充当する方法と、地方債を発行し事業費に充当して、その後元利金を償還する方法がございます。

お話にありましたように、具体的な資金計画においては、整備前の世代の負担と整備後の世代の負担の割合を考慮しながら資金計画を立てていく必要がございます。

総合庁舎整備に関しましては、学校等の区有施設全体の更新動向についても十分に踏まえ、将来の財政対応力を損なわないよう基金制度を積極的に活用すべきであると考えており、当面おおむね200億円程度を目標に準備を進めていきたいと考えております。

以上でございます。

都市整備部長。

○(栁澤永一都市整備部長)

都市計画マスタープランにおける土地の有効・高度利用についてのご質問にお答えいたします。

本区の都市計画マスタープランでは、都市機能が集積する駅周辺を、その機能により広域複合拠点、広域生活拠点、広域行政拠点として位置づけ、土地の有効・高度利用を図り広域的な商業・業務機能の集積を誘導することとしております。

ご質問にございます駅周辺の商業系用途地域にお ける容積率の充足率につきましては、商業系用途地域の容積率が200%から600%であるのに対し、実際に使われている容積率はおおむね2割程度でありま す。駅周辺の商業系用途地域は、道路や駅前広場等が十分に整備されないまま市街化が早期に進展したことにより、狭小な敷地や幅員が狭い道路に接する敷地が 発生し、法で指定されている容積率を十分に活用できていないといった状況がございます。

こうした状況を踏まえまして、本区の拠点となる 駅周辺の地域では、これまでに地域の方々とともに街づくりの計画について検討を進めてまいりました。その結果、亀有駅南口などの地区におきましては、土地 の有効・高度利用が図られ、魅力とにぎわいのある広域的な拠点の形成を実現しております。

今後も引き続き、金町、新小岩、高砂、立石駅周 辺地区などで地域の方々との街づくりの検討を進めてまいります。こうした取り組みによりまして、駅周辺の商業・サービス業の充実、業務機能の誘導等を図 り、土地の有効・高度利用と機能集積を促進してまいりたいと考えております。

次に、不燃化特区に選定された地域の不燃領域率と不燃領域率の向上策についての質問にお答えいたします。

不燃化特区制度は、都が震災時に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の不燃化を加速させるために創設された制度であります。平成32年度までに不燃領域率70%を目指しているものです。

各地区の不燃領域率は、不燃化特区の指定を受け た四つ木一・二丁目地区が56%、東四つ木地区が47%であり、今後、指定に向けた調整を行っている東立石四丁目地区が55%、堀切二丁目周辺及び四丁目 地区が50%となっております。いずれの地区も70%へ向けて不燃化の促進が急がれております。

不燃領域率を向上していくためには、建築物の建てかえだけでは、70%を達成するのは難しいと考えております。そこで、道路や公園等の空地の割合を高めていくことも重要であると考えており、これまで密集住宅市街地整備事業により進めてきたところでございます。

してまいりたいと考えております。

次に、建物共同化の事例と課題、促進策のご質問にお答えいたします。

木造住宅密集地域においては、狭小な画地が多く、共同化の推進は不燃化・耐震化の促進とともに、権利者の災禍債権にとっても重要な方策であると認識しております。これまで密集事業の拡幅道路沿道を中心に共同化の検討を進めてまいりました。現在のところ、権利者間で共同を進めている地区もあるといった状況でございます。

建物の共同化に当たっては、権利関係の調整やニーズに合った債権計画を提示することが重要であり、こうした計画を策定するためには専門家の活用が不可欠であります。そこで、今後は、不燃化特区制度における共同化コーディネーター派遣の活用も検討しながら、権利者への共同建てかえへの事業提案を行い、不燃化・耐震化の促進を図ってまいりたいと考えております。

次に、民間建築物耐震診断・改修助成における過去3年間の実績についてのご質問にお答えいたします。

まず、平成23年度の木造住宅の耐震診断は226件、耐震改修設計は22件、耐震改修は17件、建てかえは7件でございます。平成24年度の耐震診断は410件、改修設計は67件、耐震改修は45件、建てかえが15件、除却が20件でございます。平成25年におきましては、12月末日現在で耐震診断が290件、耐震改修設計が47件、耐震改修が46件、建てかえが57件、除却が48件でございました。

このように実績につきましては、平成24年度は23年度に比べ約2倍にふえ、25年度は24年度に比べ耐震改修、建てかえ、除却を合わせ約1.9倍にふえております。今後も必要に応じて制度を見直して、耐震化の促進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

次に、本区の耐震改修促進計画の目標達成に向けた取り組みについてのご質問にお答えいたします。

助成制度の拡充などにより、耐震化に関する助成件数の実績は大幅に増加をしております。しかしながら、耐震改修促進計画の耐震化目標90%を達成するのは難しい状況にあると考えております。

そこで、本区では、木造密集地域内での不燃化と耐震化を促進するために、現在160万円である建てかえ工事費の助成限度額を200万円に引き上げることや、建てかえる際の構造の選択肢を広げること、除却公示助成金の対象を拡大することなどを予定しております。平成26年度については、建築士事務所協会の協力をいただいて、耐震助成の説明会を区内19カ所の地区センターなどで行い、制度の周知に努めてまいります。

次に、再建築ができない土地に対する対策や借地での建てかえについてのご質問にお答えいたします。

区内には、建築基準法の接道要件を満たしていないために再建築ができない土地が、特に木造住宅密集地域などで見受けられます。こうした土地に建つ建築物の中には、管理不全のまま老朽化しているものもあります。

区では、耐震診断の結果耐震性が不足している住宅におきましては、除却費の一部を助成しております。また、来年度からは接道要件を満たさない、未接道の敷地に建つ住宅も除却費助成の対象としてまいりたいと考えているところでございます。

このような制度の拡充につきましては、候補地や説明会により広く周知することにより制度の利用を促進し、再建築できない土地に管理不全のまま老朽家屋が放置されないよう、努めてまいる所存でございます。

次に、借地で建てかえる際に、借地料の更新がネックになって建てかえが促進されない場合の対策でございます。

区では、耐震診断の結果、耐震性が不足している住宅につきましては、建てかえ工事費の一部を助成する制度を設けております。こうした制度を有効に活用していただくことにより、建てかえの負担を少しでも軽減して建てかえを進めていただきたいと考えております。

次に、建てかえや改修工事に際して、費用の借り入れのために金融機関と連携すべきとのご質問にお答えいたします。

耐震診断の結果、耐震改修が必要となった場合、補強工事や建てかえに際しても多額の費用が必要となるため、区からの助成金だけでは実施できない方もおられます。

そのため、本区の耐震化促進事業の内容を住宅金融支援機構や区内の金融機関等に周知し、区民が耐震化の資金融資を利用できるよう働きかけてまいりたいと考えております。

次に、液状化マップ作成の現在の状況についてのご質問にお答えいたします。

区では、現在、葛飾区液状化対策検討委員会を開催し、学識経験者を交えた委員により区民にわかりやすい液状化に対する情報提供の一つとして液状化マップについても議論をしていただいているところであります。議論の中では、過去の履歴から、本区で液状化が起きた場所や、ため池だった場所などが注意すべき箇所であるとの御意見がございました。

そこで、委員会では、古い地図や航空写真からため池などを埋め立てた場所を調査するとともに、さまざまな文献から、過去の地震において区内で液状化現象が発生したエリアを調査しております。現在は、それらの情報を踏まえて液状化の発生について議論を進めているところでございます。

今後も、委員会での検討結果を踏まえて、液状化マップの区民への提供方法などについて検討してまいりたいと考えております。

次に、液状化対策工事の助成制度に対するご質問にお答えいたします。

地盤の液状化対策といたしましては、液状化前に施工する方法として、セメント系の固化材で地盤を固める方法や地中に鋼管杭を貫入し、建物沈下を抑制する工法などがございます。また、液状化した後の修復工法では、土台をジャッキで上げるポイントジャッキ工法などがありますが、多額な費用が必要になります。

東日本大震災では、浦安市などで大変に多くの住宅が液状化被害を受けました。そのため、住宅に対する支援策として国から最大で300万円、市からは最大で100万円の補助金が交付されたそうですが、事前の対策費には補助制度を設けていないとのことです。

現在、区では、学識経験者を交えた液状化対策検討委員会を開催し、検討を進めております。この委員会での意見なども踏まえながら、今後補助制度について検討してまいりたいと考えております。

次に、液状化について地盤調査の専門家の知見が必要で、街づくりの説明会等において連携していく必要があるとのご質問にお答えいたします。

地盤の液状はどうして起きるのか、どんな地盤が危ないのか、どのような対策が必要なのかといったことは専門的であり、区民が理解するためには、地盤の知識を兼ね備えた専門家の説明が必要であると考えております。

区では、これまで建築士事務所協会葛飾支部と連携して耐震助成の説明会を実施してまいりましたが、来年度からは必要に応じて地盤の専門家の参画も得て液状化対策の説明会をあわせて実施してまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。
○(くぼ洋子副議長)都市施設担当部長。
○(杉本一富都市施設担当部長)本区の水害に対する基本的な考え方や制度の検討状況などについてのご質問にお答えします。

本区では、平成23年度より本年度まで、広域ゼロメートル市街地における親水対応型建築物の整備や高台避難地確保に向けた検討を行っているところであります。この中で、本区における避難空間の現状分析や集合住宅等を親水対応型とするためのガイドラインの作成などを進めるとともに、こうした建築物を建てかえに合わせてふやしていくための促進・支援策の検討を行っております。また、高台避難地についても、避難地として整備する上で必要な機能や条件の整理を行っております。

区といたしましては、本区の多くがゼロメートル地帯であり、水害に対して脆弱であるという地勢上の課題を十分に踏まえ、お話にあります立体都市公園制度の活用を含めさまざまな手法を用い、区全体が水害に強いまちとなるよう積極的に取り組んでまいります。

次に、本区における下水道の状況についてのご質問にお答えいたします。

近年、いわゆるゲリラ豪雨が頻繁に発生し、雨水排水を担う下水道の役割が一層重要になっております。このため、下水道事業を所管している東京都に対し、雨水処理能力強化の推進を特別区全体で要請してまいりました。

本区の下水道の整備状況ですが、雨水の排水につきましては、平成7年に下水道普及率がおおむね100%となり、現在は、区内のほぼ全域で時間50ミリの降雨に対応できる状況となっております。

なお、昨今、都市化の進展等により雨水流出量が増加していることから、区といたしましては雨水流出抑制の取り組みを進めるとともに、都に対して雨水の一時貯留施設等の整備など抜本的な対策の検討を要望しているところであります。

以上でございます。

○(くぼ洋子副議長)危機管理・防災担当部長。

○(玉川俊晴危機管理・防災担当部長)災害時に強い職員を育成していくための区の方針についてのご質問にお答えいたします。

東日本大震災でも見られたとおり、災害時には想定外の事象が数多く発生いたします。しかし、そのような平常時とは全く異なる状況下であっても、私たち自治体職員は、住民の生命や財産の保護にかかわる事項について、迅速かつ的確な対応をしていかなければなりません。

そのためには、お話にありますように、単にマニュアルによるだけでなく、平素から災害を意識し、災害発生後に起こる事象を具体的にイメージできるイマジネーション能力や情報不足下や情報集中下においても、状況を分析・判断・理解できる能力が求められます。また、みずからの知識を有機的に結合して、的確な判断を行い迅速に行動できる能力なども重要であり、これらを兼ね備えた災害対応能力にすぐれた職員を育成していくことが必要であると考えています。

その育成のためには、葛飾区危機管理対応指針の中で職員の危機管理能力の向上として考え方を示していますが、研修を通して危機管理に関する知識や能力の向上を図ることは無論のこと、災害時を想定した実践的な訓練を通して、組織・体制としての対応能力や関係機関との連絡・調整能力を検証・確認していくことが必要であると考えています。また、日ごろの職務を通して、できる限り危機意識の高揚を図れるような仕組みを構築していくことも必要です。このことから、育成の方針についてはこれらを体系的に整理したものとしていくことが望ましいと考えております。

以上でございます。

2014年

◆ 平成26年第1回定例会~会議録より

▼平成26年第1回定例会(第1日 6月9日)より、私の一般質問を掲載します。
ぜひご一読願えれば幸いです。

会議名:平成26年第1回定例会(第1日 6月9日)(一般質問・NPO支援・新小岩まちづくり)

○米山真吾お許しをいただきまして、私は、葛飾区議会民進党議員団を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い、区長並びに関係部局に質問するものであります。

まず初めに、今後の葛飾区のNPO活動への支援について伺います。

ことし4月の総務委員会において、葛飾区市民活動支援センターの指定管理者制度の廃止が報告されました。勤労福祉会館との共有ということで、平成18年度から指定管理者制度を導入して、市民活動支援センターが運用されてきました。区内のNPO団体の市民活動の拠点として、平成17年の48団体から、平成24年には100団体へと数がふえてまいりました。

葛飾区は、基本計画の重要プロジェクトの中で、協働という視点を持って取り組んでいくと方針が示されております。この協働という視点は、私もこれからの社会にとって必要なことだと思います。一方、これら協働するに当たっては、区民側にも属性があり、例えば町会やPTAなど地域を主に活動する団体や、NPO団体など特定の目的や事業を行うために活動する団体、あるいは区民個人としての活動など、さまざまであります。

区は、従前あったNPOとの協働事業から、地域活動団体助成制度を創設し、助成金を出すという支援する政策の変更を行いました。先ほども述べましたが、各団体や個人によって活動についてはさまざまであり、一律な支援だけでは課題が残るものと思います。NPOなどの目的別のミッションを持った非営利の市民活動は、町会やPTAなどの地域活動団体などとまた違う支援のあり方が求められると思います。NPOの立ち上げ支援や中間支援などの非営利法人特有の専門的な支援の強化が求められます。また、さまざまな活動団体の横のネットワークや情報交換なども重要になってきます。

今回の指定管理者制度の廃止について、センターを利用している団体や区内で活動をしている市民活動団体に事前の説明が不足していたというご意見もいただきました。センターをともにつくり上げてきたという思いを持つ市民活動団体の方々には、今後の市民活動支援センターの今後のあり方に見通しが立たない不安を抱えている方々もいると聞きます。今後の区の考え方をしっかりと示していく必要があります。

そこで質問をいたします。

1、市民活動支援センターを今後どのようにしていくのか、お伺いしたいと思います。

2、葛飾区が協働を推進する中で、NPO等の特性や現状を踏まえ、今後の市民活動支援の考え方について伺いたいと思います。

次に、新小岩駅周辺のまちづくり及び防災について伺います。

現在、新小岩駅南北自由通路の工事が進んでいる中で、新小岩地域においては、北側地区、東北地区、東南地区、南口地区、新小岩一丁目西部地区と5地区に分けてまちづくりの議論が進められてきており、先般、各地区において街づくり計画が策定されました。各地区によって駅前広場の有無や道路の整備状況や交通機関の状況など違いがある中で、その地区の実情に関して議論が進められ、計画の策定となったものと認識しております。今後、議論がさらに進んでいくことを期待しております。

その中で新小岩地域においての防災対策についてお伺いいたします。

新小岩地域については、避難場所として新小岩公園が指定されていますが、河川敷も含まれており、新四ツ木橋地区東岸、葛飾あらかわ水辺公園も避難場所に指定されております。災害時においてはいつ発生するかわからないため、特に夜間に発生した際に停電が予想される中で、どのように避難場所まで避難するかが対策として必要なのではないかと考えます。特にこの河川敷のエリアについては、夜間時の対応について、非常用電源装置がないため、エリア外から運び入れる必要があります。これらの対策について伺うとともに、必要となる照明や誘導等は、面積や想定する人数などを勘案して、充分な対策がとれているのかどうか伺いたいと思います。

停電時において対応できるよう、非常用電源装置を積載した車両の導入を検討してはどうか、区の見解を伺いたいと思います。

また、新小岩地域には、日本私立学校振興・共済事業団総合運動場があり、ふだんはスポーツ施設として利用されているようですが、防災マップ上にも区との協定による非常時災害時協力施設になっており、より協力体制を密にする必要があると考えますが、具体的な内容を伺うとともに、備蓄品や訓練などどのような連携をしてきたのか、伺いたいと思います。

また、今後の方針などについて区の見解を伺いたいと思います。

また、こういった非常時における災害時協力施設については、ふだんから住民に認知されていることが必要なのではないかと考えますが、防災面における連携強化を図るとともに、平常時においては、地域への施設開放を含めた検討をしていく必要があるのではないかと考えますが、区の見解をお伺いしたいと思います。

また、先ほど述べましたが、新小岩駅に近い新小岩公園は避難場所に指定されており、災害時においては、住民の避難場所になります。避難場所である新小岩公園には、蔵前橋通りを挟んで避難所である松上小学校、新小岩中学校が隣接しています。東日本大震災発災時においては帰宅困難者も多く、駅前広場には人々が集まり、混雑が発生しておりました。その当時、避難所である学校を帰宅困難者にも開放するといった取り組みを実施されたことは評価いたしますが、一方、アクセスがわかりにくかったという意見も耳にしました。避難所だけでなく、避難場所への駅からのアプローチをどうするかということについても、こういった事例を生かして取り組む必要があると考えます。

平成22年第3回定例会の際にも質問をさせていただきましたが、北口連絡通路、いわゆるスカイデッキたつみは、JR貨物の用地を取得して完成させたわけでありますが、この貨物の線路は平井方面に伸びており、物理的に使用できない線路が平井方面に残されております。線路部分を活用して新小岩公園まで延長することによって、駅をおりて左に行けば避難場所や避難所があるということが認知されれば、災害時の周辺住民への誘導や近くにある避難所における帰宅困難者への対応なども円滑になるものと考えます。

また、現在、北側地区においてはまちづくりの議論が進められておりますが、再開発を含めた周辺のまちづくりにも役立つものと思いますが、見解を伺うとともに、今後の方針を伺いたいと思います。

次に、自転車の通行量及び放置自転車の問題について伺います。

蔵前橋通りと平和橋通りが交差しているたつみ橋交差点における自転車通行については、特に朝夕の通勤・通学時において非常に通行量が多いと認識をしております。特に歩行者との交錯が多く見受けられ、歩行者の視点からすると危なく感じる場面もあります。たつみ橋交差点は、従前、歩道橋が設置をされていて、歩行者は歩道橋へ、自転車と自動車は平面での立体的に歩車分離がされていました。しかし、慢性的な交通渋滞が起きていたことや、歩行者が歩道橋を上りおりするため、高齢者や障害者の方たちにとっては課題もありました。

その後、東京都の事業によって歩道橋が撒去され、たつみ橋陸橋が完成したことによって、自動車による交通渋滞は劇的に激減しました。自動車を立体的に分離したことによる効果だと思います。しかし従前、歩行者を歩道橋での立体的な動線で歩行させていたものが、平面におりてきたため、今度は歩行者と自転車が特に多く平面交差するようなりました。この自転車がたつみ橋を通行する理由は、駐輪場の位置とたつみ橋交差点の位置が大きくかかわっていると考えております。

駅周辺には、蔵前橋通り沿いにある新小岩駅北口自転車駐車場、西新小岩一丁目都営団地前の西井堀第一から第四自転車駐車場がありますが、いずれも蔵前橋通りを渡らないといけません。しかし、横断歩道の箇所は限られているため、利用者側からすると、より効率的に早く駐輪場に向かいたいため、たつみ橋交差点に集中して通行しているのが実態としてあり、その結果、自転車の通行量が多くなっているのではないかと思います。また、駐輪場の台数も5カ所で4,800台以上に上ることも影響していると考えられます。

これらたつみ橋交差点に自転車が集中して通行している背景には、利用者がより通勤・通学に便利な駅至近にある駐輪場を利用したいというニーズが高いことによって、駅至近の駐輪場は満車であるにもかかわらず、交差点手前にある駅から少し離れている西井堀せせらぎパークの駐輪場は空車があるという状況が、如実に物語っていると思います。

また、新小岩駅周辺においては、放置自転車の数が都内でも多い状況にあります。区はその対策として、東北広場にて1,500台収容の駐輪場の設置、あるいは民間事業者への助成制度を創設して駐輪場をふやすなどの対応に当たっており、これらの対応については評価をいたします。

しかし、葛飾の土地の特徴でもありますが、平坦で坂も余りないことや、自転車の価格が安くなったなどさまざまな理由から、自転車を利用する方が多いこともあり、また、駅至近に駐輪場のニーズが住民側にある一方、用地の取得についてはなかなか難しい状況でもありますが、解消していく必要があります。

これらさまざまな面から、自転車の通行量や放置自転車の課題については、冒頭述べましたが、住民ニーズに応えながら自転車と歩行者との関係をどのよう安全に通行させていくのか、あるいは通行量の集中を避けていくのか、また、放置自転車対策をどうしていくのかが必要になってくるわけですが、先ほども述べましたが、先般、まちづくり計画が各地区で策定されましたが、今後まちづくりを進める中で、課題を整理して計画的にまちづくりをしていく中で、議論を進めていく必要があるのではないかと考えます。

そこで質問いたしますが、たつみ橋交差点の自転車交通量の状況について伺うとともに区の課題認識について伺いたいと思います。

あわせて、新小岩駅周辺における3年間の放置転車数の推移と乗り入れ台数の充足の状況や今後の方向性などを具体的に伺いたいと思います。

最後に、新小岩駅周辺におけるまちづくりの中で計画的に自転車対策の計画を策定していく必要があると考えますが、区の見解を伺いたいと思います。

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○(青木克德区長)米山議員のご質問にお答えいたします。

まず、区が協働を推進する中での今後のNPO等の市民活動支援の考え方についてのご質問にお答えします。

本区における協働は、区民・事業者を初め、地域活動の担い手である自治町会、地域産業団体、ボランティア団体やNPOなどの幅広い人や団体と区とが、それぞれの特性を理解し、尊重し、活動することによって、本区をよりよいまちにしていこうという、区政運営の基本理念であります。

NPO等の非営利市民活動は、自治町会などの支援組織の活動と比べて活動の目的がある程度特定されており、その分野に関する専門知識やノウハウを持っていることなどが特徴と言われておりますが、協働のパートナーの一つとして協働を推し進めていく環境づくりの中で、こうした特徴を生かしながら支援を進めてまいりたいと考えております。

具体的には、これまで行ってきた相談事業や講座などの立ち上げ、運営の支援、交流会の開催などを引き続き実施すること、また、今後は協働全般の取り組み支援の一環として、新たな表彰制度や活動事例集の作成、ホームページ等による情報発信などにより、活動の活性化や活動者間のネットワークづくりに努めてまいります。

また、協働を推し進めるに当たっては、地域活動や市民活動などに取り組んでみたいと考えている方々が実際の活動に至るまでには、情報やノウハウ、資金など、さまざまな面での相談や支援を行っていく必要があると認識しております。

今後は、こうした協働を支えるパートナーが負担を感じることなく活動ができるよう、その取り組み内容に応じて柔軟かつ適切に対応できる支援の仕組みについても検討してまいりたいと考えております。

次に、新小岩駅周辺のまちづくり及び防災についてのうち、日本私立学校振興・共済事業団総合運動場の平常時における地域開放についてのご質問にお答えをいたします。

私学事業団総合運動場につきましては、平成9年3月に、運動場の土地を所有していた日本国有鉄道清算事業団と私立学校教職員共済組合、葛飾区の3者で、計画的な土地利用及び都市施設整備を図るための覚書を締結し、その中で、住民の避難が必要となるような災害が発生した場合、総合運動場を地域住民の避難の場所として利用させること。また、平時における地域住民の総合運動場の施設利用について協力することとしたところでございます。

平時における地域住民の施設利用につきましては、これまでも私学事業団と協議を行ってまいりましたが、運動場利用対象者である私学共済の加入者及びその被扶養者以外の者が利用すると固定資産税の課税対象となる場合があるという東京都の見解があり、この税制上の課題などから、地域開放の実現には至っておりません。

そこで、区といたしましては、私学事業団とともに改めて東京都と地域開放による課税・非課税の範囲などについて協議をしているところでございます。

私学事業団総合運動場は、本区に位置する貴重な運動施設であり、地域からも施設利用を望む声が多いと伺っております。また、日ごろから住民に認知されていることが災害時にも有効でありますので、引き続き地域開放の実現に向けて私学事業団と協議を進めてまいります。

次に、JR貨物用地の活用についてのご質問にお答えいたします。

新小岩駅北口から平井駅方面には、JR貨物線が廃線となった2線分の用地約1,580平方メートルがございます。この用地は、現在、新小岩駅南北自由通路整備工事の作業ヤードとて使用しており、工事が完成する平成30年度までJR貨物から借用する予定でございます。

その後の用地活用につきましては、現在、新小岩南・北地域まちづくり協議会が策定を進めている新小岩駅周辺地区街づくり基本計画の中で、北口駅前広場と避難場所である新小岩駅公園とを結ぶ安全でわかりやすいアクセスルートとしての位置づけを行い、検討を進めているところでございます。

区といたしましても、この用地は北口地区のまちづくりを進める上で、大変重要な用地であると考えております。このため、地域の意向も踏まえ、駅前広場と新小岩公園を結ぶアクセスルートや蔵前橋通りから駅前広場を結ぶ導入路として活用などを検討してまいります。

また、この用地の利活用につきましては、土地所有者であるJR貨物と今後協議をしてまいりたいと考えております。

次に、新小岩駅周辺のまちづくりの中で、計画的に自転車対策の計画を策定していく必要があるとのご質問にお答えいたします。

自転車は、環境に優しく、手軽に移動できる便利な乗り物として、通勤や通学、買い物などで、あらゆる世代の方々が利用する交通手段であります。特に新小岩駅は、1日の乗降客が14万人と区内では一番多い駅であり、自転車の利用者も多いことから、一層の自転車駐車場の整備が必要な地域でございます。

しかしながら、駅前の商業地であるということから、自転車駐車場単体での用地確保については難しい状況にあります。

こうしたことから、再開発事業などの大規模な開発や基盤整備事業など、駅周辺のまちづくり計画の中で、自転車駐車場の整備を進めていくことが重要であると考えております。

また、駅周辺の自転車駐車場の整備を検討する際には、駅前歩行空間の安全確保を図るため、歩行者と自転車を構造的分離にするなど、整備を検討していくことが必要であると考えております。

今後も、歩行者や自転車が安全・安心かつ快適に利用できる新小岩駅周辺のまちづくりを進めてまいります。

なお、その他のご質問につきましては、所管部長より答弁いたさせます。
○(くぼ洋子副議長)地域振興部長。
○(駒井亜子地域振興部長)民活動支援センターを今後どのようにしていくのかのご質問にお答えいたします。

葛飾区市民活動支援センターにつきましては、サービス向上や施設の有効活用及び事業実施の観点において、指定管理者制度と業務委託による運営を比較検討した結果、指定管理者が行う当該施設の施設管理にメリットを見出せないことや、指定管理者を公募しても前回は現事業者のみの応募であり、競争性が成立しにくいことから、指定管理者制度による運営を平成26年度末をもって終了することといたしました。そして、平成27年度からは、公共施設の効果的・効率的な活用を図る観点から、現在、区が直営で業務委託により運営している71ある地域コミュニティ施設の中に新たに加え、葛飾区勤労福祉会館との併設施設として運営してまいりたいと考えております。

今後は、地域コミュニティ施設と位置づけることで、現行の利用者に加えてより幅広い区民や多くの地域団体の皆様に、多目的かつ便利にご活用いただけるものと考えております。

なお、これまで市民活動支援センターが果たしてきた役割を踏まえ、NPOを中心とした市民活動支援事業は、現在の施設を中心に引き続き実施していくとともに、他の地域コミュニティ施設においても展開していくことを目指してまいります。

以上でございます。
○(くぼ洋子副議長)
危機管理・防災担当部長。
○(玉川俊晴危機管理・防災担当部長)
葛飾あらかわ水辺公園など河川敷の避難場所における照明や夜間誘導等についてのご質問にお答えいたします。

お話にあります避難所は、大規模な延焼火災などが広がった場合など、生命を守るために緊急的に避難していただく場所であり、そこでの滞在を考慮したものとはなってございません。

現在の想定では、避難する方々がみずからの懐中電灯などを活用し、火災が鎮火するまでの期間、輻射熱などから命を守っていただくことを前提としております。そのようなことから、河川敷の避難場所において、照明などの施設整備は考慮してまいりませんでした。

また、お話にあります非常時用の車両につきましては、国土交通省において、災害現場の応急復旧作業監視等の照明用として導入している事例がございます。

本区で照明車やお話の非常用電源装置を積載した車両を導入するに当たっては、災害時の活用だけでなく、平時の活用も含め、考え方の整理をすることが必要であると考えております。

区といたしましては、河川敷の避難場所における照明や夜間誘導等について、他の自治体での事例などを含め研究してまいりたいと考えております。

次に、日本私立学校振興共済事業団との協定についてのご質問にお答えいたします。

区と日本私立学校振興共済事業団とは、被災住民の生命の安全の確保を目的として、平成13年11月に災害時協力施設としての協定を締結いたしました。

その後、協定を具現化するため、地元町会との覚書を締結し、区と町会が万が一の事態に備え鍵を保管しており、地域において、門扉の開閉確認などを含めた防災訓練を毎年実施していると聞いております。

なお、備蓄品につきましては、首都直下地震の被害想定に基づき、各学校避難所に500人相当分、福祉避難所に収容人員相当分を備蓄し、それ以外につきましては区の備蓄倉庫に分散配備しているものでございます。

私からは以上でございます。
○(杉本一富都市施設担当部長)たつみ橋交差点の自転車交通量の状況と区の課題認識についてのご質問にお答えいたします。

新小岩のたつみ橋交差点は、朝夕の新小岩駅利用者による歩行者・自転車が集中する交差点で、平成25年の警視庁の交通量統計表によりますと、自転車の交通量が8,480台ということで都内5番目となっており、歩行者と自転車の分離等、さらなる安全対策が必要な箇所であると認識しております。

次に、新小岩駅周辺における3年間の放置自転車数の推移と乗り入れ台数の充足の状況等についてのご質問にお答えいたします。

新小岩駅周辺における3年間の放置自転車の推移につきましては、1日当たりの放置自転車数が、平成23年度1,007台、平成24年度964台、平成25年度は668台、過去3年間で339台、約34%の減少となっております。

また、新小岩駅への自転車乗り入れ台数は約9,000台で推移しており、区営自転車駐車場、西井堀せせらぎパーク自転車駐車場など、一部を除き満車の状況であります。

たつみ橋交差点の自転車交通量、新小岩駅周辺の放置自転車数、乗り入れ台数とも、区内最大の自転車数で推移しており、この傾向は今後も継続するものと考えております。

新小岩駅北口、南口、東北、東南地区に整備された既存自転車駐車場の分散化による混雑緩和の考え方を継承しつつ、需要数を踏まえた既存施設の改修や民間事業者を含めた新規施設の整備など、新小岩駅周辺のまちづくりと連動した整備が必要と考えております。

以上でございます。

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