葛飾区議会議員・一級建築士
米山 真吾 公式オフィシャルサイト
◆ 平成22年 第3回定例会~会議録より
▼平成22年 第3回定例会( 9月16日)より、私の「大学との連携」についての質疑を掲載します。
ぜひご一読願えれば幸いです。
会議名:平成22年第3回定例会(第1日 9月16日)(一般質問・大学との連携)
○(米山真吾委員)
○25番(米山真吾議員)
それでは、さきの通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
大学との連携についてお伺いをいたします。
平成25年4月の東京理科大学開学に向けて、現在着実に進んできております。8月26日には、金町地区センターにおいて地域説明会が行われ、170人以上の参加者が来られたとのことでした。教育面での学習環境の充実や地域経済の活性化、イメージの向上、周辺環境の改善、産学連携など、さまざまな連携への期待の声があったと聞いております。徐々に大学の進出が近づくにつれて、地域の方々も関心が高まってきたのではないでしょうか。
先般、東京理科大学のキャンパスがある野田市に視察をしてまいりました。現在、野田市は東京理科大学と特に教育面での連携が進んでいるということで実情をお聞きしましたところ、パートナーシップ協定を双方で締結し、教育面で体系的に取り組んでいるということでありました。
また、教育委員会にも、公募という形であったようですが、東京理科大学から委員としても迎え入れているとのことで、教育行政の中心的な役割を担うところでも連携しているとのことであります。
葛飾区には、東京理科大学からは理学部第1部、工学部第1部・第2部、そして基礎工学部が進出する予定となっておりますが、工学部には建築学科などが入っており、例えば葛飾区の都市計画審議会などで専門的な知識やノウハウなどを生かしていただくことも、区の利益にもつながるのではないかと考えます。
教育委員会や附属機関などで、理数教育の質の向上や学部ごとの専門的な知識やノウハウを教育行政に生かしていく必要があるのではないかと考えます。
さらに、区内には東京聖栄大学もあり、食や健康に関して、専門的に取り組んでいます。東京理科大学だけでなく、区内にある資源をより活用していく必要があるのではないかと考えます。
また、教育面での連携として、具体的な事業としては学生ボランティア、教員を目指している学生などを中心に学習支援をしていただくとか、部活動の支援をしていただくとかが考えられますし、小学校、中学校の先生方に対して、みずからの授業に生かすために、理科実験を通じて大学の先生から学んだり、あるいは算数、数学、理科のカリキュラム開発や副教本作成事業にかかわっていただくなど、これらだけでなくさまざまな協力関係を構築することができるものと考えます。
大学関係者の方の話を聞きますと、大学の施設をもっと活用してほしいとのことでした。正直なところ、大学の先生も授業や研究などで忙しいため、派遣や出前講座など大学から出ていって連携することも大事ですが、大学側にも積極的に来てほしいとのことでした。大学には食堂や売店を含めてさまざまな施設がありますが、例えば大学内での中学生の職場体験などにも協力体制ができるのではないかと思います。
また、先ほど述べましたが、今回工学部の2部も来られます。一たん学業を終えて社会に出た後も自己に投資し、自主的に学習を続けてスキルアップする方々も多いと思いますし、そういった方々にも経済的に支えていくことも必要なのではないかと思います。さまざまな観点から、より大学との連携を充実させることは区民の利益にもつながるものと考えます。
そこで質問をいたします。
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東京理科大学との連携を深め、学生の勉学の機会をより多くするために、区の独自の奨学金制度を創設すべきと思うが、見解を伺いたい。
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野田市の教育委員会は、公募で東京理科大学の教授が教育委員として採用されている。区内には東京聖栄大学もあり、専門分野での知識や経験、ノウハウを区の教育行政にも積極的にかかわっていただく必要があるのではないかと考えますが、見解を伺いたい。
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野田市教育委員会と東京理科大学との間でパートナーシップ協定が締結されており、学生、院生派遣事業、児童・生徒体験学習、教育研修事業、研究開発事業の4つの柱で連携しているが、葛飾区も体系的に東京理科大学と連携していく必要があるものと考えるが、見解を伺いたい。
また、区内には東京聖栄大学もあり、この機会を生かして区内にある大学側とも教育面で連携を深める必要があると考えるが、どうでしょうか。 -
具体的な連携として、副教本作成作業への協力(特に理数)、学生支援ボランティアの派遣、教員志望学生対象の学生インターンシップ制度の創設、教員研修講座の実施など、さまざまな連携施策があると考えるが、見解を伺いたい。
教育面での連携を述べさせていただきましたが、産学連携も重要な事案であります。しかし、産学連携は時間もかかることや企業側も経費がかかることから、なかなか進展しないということも現実としてあると思います。そこは、行政として支援を積極的にする必要があるのではないかと考えます。
そこで質問をいたします。
区の施策として、新製品・新技術開発補助事業がありますが、新製品・新技術の開発は、開発期間、費用がかかることが多いため、今後産学連携を深めるならば、1年ごとではなく、助成期間の延長並びに助成額の拡大も視野に入れていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、新小岩駅周辺のまちづくりについてお伺いをいたします。
南北自由通路の実現に向けて、9月3日にJRとの基本協定が締結をされました。当初の予定から延び延びとなっておりましたが、ようやく長年の地域の課題であった新小岩地域の南側と北側の交通結節機能の向上が図られようになります。
区側の報告では、本年度は概略設計、来年度は実施設計、2年後からは工事に着手するというスケジュールが示されており、工事完了まで5、6年かかることから、大規模な事業になることも認識しております。
JR東日本での調査では、乗車人員も2009年度では7万1,185人で、東日本全体では60番目、区内でも乗車人員は最も多い数となっております。地域的には住民の数もふえてきており、今後、駅周辺の利便性の向上は、街づくりの観点からも必須であると考えております。
東北交通広場、北口連絡通路、周辺道路の整備など、駅周辺の都市基盤の整備は粛々と進んできておりますが、都市基盤の整備だけでは、街づくりとしては必ずしも地域の課題をすべて解決することには至らないと考えます。
街づくりの手法は、地区計画や再開発事業、共同建てかえなどさまざまありますが、手法だけでなく、駅周辺に関して言えば、商業・商店街のあり方や住宅のあり方を含めて、どのような街を構成していく必要があるのかを、地域の方々や商店の方々、地権者の方々と議論をしていく必要があるのだと思います。
その中で、郊外に住むメリットよりも街の中に住むメリットが大きくなっており、都心回帰が進んできていることと、先ほど述べました少子高齢化の人口構成を考えると、高齢者の抱えている課題、子育てをしている世代の課題などを検討していく中で、都市をコンパクトにして職住近接型街づくりをしていく必要があるのだと思います。また、駅周辺ですから、当然商業のことも連動させて考慮していく必要があります。
そこで質問をいたします。
南北自由通路、北口駅前広場の整備に向けて、JRとの基本協定が締結をされ、都市基盤の整備がようやく進もうとしています。これを契機に駅周辺の課題を整理し、地域の方と連携をしながら駅周辺の街づくりの構想を積極的にしていくべきと考えるが、見解を伺いたい。
また、駅周辺には、災害時には新小岩地域の避難場所に指定されている新小岩公園がありますが、南北の自由通路については避難経路となることも当然に予想されるわけですが、帰宅困難者や地域の方々にとって駅周辺からの避難場所へのアクセスは大変重要なことでもありますし、街づくりにとっても必要だと考えます。
そこで質問をいたします。
南北自由通路の整備は、交通結節機能の充実により駅周辺の利便性が向上し、都市再生を推進するとともに、災害時の避難経路としての機能としても非常に重要なものと認識をしております。
また、北口連絡通路が来年3月に開通しますが、現実にはJR貨物が物理的に使用できない線路が平井方面に残されています。そこを活用して新小岩公園まで延長することによって、駅からの防災時の誘導や周辺の街づくりにも役立つものと思いますが、見解を伺いたいと思います。
次に、北口の駅前広場についてですが、自由通路の開通に伴い整備をすることになりますが、玄関口としての広場の状況は必ずしもよくありません。放置自転車対策のための仮設単管や花壇、広場中央の電柱、歩行者動線、緑地がないなど、解決する課題があります。地域の方々と協議を進めながら、より良好な環境をつくっていく必要があると考えます。
そこで質問をいたします。
今後、北口駅前広場の整備にも着手する予定ですが、歩行者の動線、緑地の確保などから、現状からの課題を解決していく必要があると考えるが、区として整備の基本的な見解を伺いたいと思います。
また、緑地が全くない状況は必ずしも芳しくないと考えます。緑地を確保することが必要だと考えますが、どうでしょうか。
大学や都市計画公園が新宿六丁目にできますが、新小岩地域の方でも水元公園等を利用する方がいます。しかし、バス路線は、金町まで行くにはJR総武線で小岩駅まで行って金町行きバスに乗るか、亀有駅までバスで行き、JR常磐線で金町駅に行くか、バス路線に乗りかえるか、どちらにせよバスからの乗りかえや別の交通機関の乗りかえをしないと金町まで行けません。亀有からの延伸や奥戸や細田などのまだまだ交通網としては不十分な地域への経路も含めて、南北の交通機関の充実をすることは、区民サービスの向上にもつながるものと考えます。
そこで質問をいたします。
東京理科大学及び都市計画公園が新宿・金町地域に整備誘致されますが、新小岩から金町まで直接行くことができる交通機関がない状況であります。大規模な都市計画公園も整備される中で、新小岩―金町間のバス路線の実現を望みますが、どうでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(青木克徳区長)
米山議員のご質問にお答えをいたします。
まず、大学との連携についてですが、教育委員の任命等、区内大学に区の教育行政に積極的にかかわっていただく必要性があるとのご質問にお答えをいたします。
ご案内のとおり、教育委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し見識を有する者のうちから、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命することとなっております。委員は、大局的立場に立って、教育行政の方針や大綱を決定し得る見識と能力を有することが必要とされています。
区内大学の教授を教育委員に選任するということにつきましては、教育活動や研究活動に長年従事する大学教授の中には、本区の教育行政に役立つ知識や経験を持った方がおられるものと思いますが、一方、教育委員の活動は、教育委員会への出席のほか各種教育行事への参加など幅広いため、大学での講義や研究活動等の両立の難しさも想定されます。
いずれにいたしましても、区内の大学が有する知識や経験、ノウハウを、教育行政を初め区政の各分野に活用することは大変有意義なことであり、教育委員の任命を含めて、その方策を検討してまいります。
次に、新製品・新技術の開発は、開発期間、費用がかかることが多いため、今後産学連携を深めるならば、1年ごとでなく、助成期間の延長並びに助成額の拡大も視野に入れていくべきというご質問にお答えをいたします。
本区では、現在、区内事業者の開発に対する意欲を助長し、区内産業の向上力及び競争力の強化を図るため、区内の中小企業が行う新たな製品や技術に関する研究開発に対して、新製品・新技術開発補助事業として、各年度ごとにその経費の一部を助成しております。
他の自治体での事例などを見ますと、産学公連携による新技術の研究や新製品開発には、多くの時間と研究費が必要となる場合もございます。
国や世界的なレベルの最先端技術の研究費につきましては、基本的には国などの補助金を活用すべきものと考えておりますが、今後、区内産業界と東京理科大学双方のニーズやシーズを十分把握し、研究し、本区の特性に合った産学公連携のあり方や、その支援のあり方などについて検討を進めていく中で、ご提案にあった助成期間の延長や助成額の拡大も検討してまいりたいと考えております。
次に、新小岩駅周辺のまちづくりについてですが、地域の方と連携をしながら駅周辺の街づくりの構想を積極的に実現していくべきとのご質問にお答えをいたします。
新小岩駅南北自由通路整備事業につきましては、平成22年8月12日付で、葛飾区、JR東日本及びJR貨物の三者により、基本協定を締結をいたしました。この南北自由通路の整備は、駅周辺の回遊性、一体性を確保し、新たな人の流れを生み出すなど、地域の利便性の向上や商業等の活性化に向け、本区の南の顔とも言える新小岩駅周辺の街づくりを大きく進めていく契機となるものと考えております。
このような中、JR新小岩駅周辺につきましては、総武線、平和橋通りにより4つに分断されている町の現状を踏まえ、現在進められている北口連絡通路等、街づくりの動向と整合を図りつつ、今後の南北自由通路の整備、駅前広場を含む総合的な都市基盤の再編や、それを踏まえた駅周辺の商業の活性化などの課題を整理し、さらなる新小岩駅周辺の発展を目指した街全体の将来像を描くべく、今年度、街づくりの基本構想を策定してまいります。
なお、その他のご質問につきましては、教育長及び所管部長より答弁いたさせます。
○(山崎喜久雄教育長)
東京理科大学との連携についてのご質問にお答えいたします。
葛飾区では、現在、区内にある大学機関と生涯学習分野において連携講座を行うなどの連携を進めているところでございます。お話にありましたとおり、東京理科大学と事業連携の柱を設定し、体系的に連携していくことは重要なことであると認識しております。
葛飾区では、平成25年度の開設に向けまして、科学をテーマとした実験、観察、体験を行うことのできる(仮称)科学技術センターを大学の区民開放施設内に整備いたします。
そこで、区では連携の第一歩として、理工系総合大学である東京理科大学の機能や特性を生かした連携プログラムについて、今後、大学側と協議してまいります。
教育委員会といたしましては、東京理科大学が持つ各種のノウハウを本区の児童・生徒が享受できるようにするとともに、大学側にとっても、教育面や研究面でのメリットが出るようにすることが大切であると考えております。そこで、そうしたパートナーシップの構築を野田市の事例を参考にしながら、本区の実態にも合わせて連携方策を検討してまいりたいと考えております。
次に、東京理科大学との具体的な連携施策についてのご質問にお答えいたします。
教育委員会では、理工系総合大学である東京理科大学の機能や特性を最大限に生かす連携のあり方について、現在、検討を行っているところであります。お話にありました副教本の作成については、(仮称)科学教育センターの指導資料作成においてご協力いただくことを検討しております。
また、学生支援ボランティアにつきましては、多くの学生に本区の学生ボランティアとして登録してもらい、学習補助や学校地域応援団、わくわくチャレンジ広場などの小・中学校における各種活動への参加を促進するようにしていきたいと考えております。さらに、教員志望の学生を対象にした学生インターンシップ制度の創設については、今後、東京理科大学と協議してまいりたいと考えております。これ以外にも、大学とタイアップした科学イベントの開催や、大学教員による本区理科教員に対する実技研修などについて検討してまいりたいと考えております。
教員委員会といたしましては、今後、東京理科大学とのさまざまな連携を具体的に検討して、本区の科学教育の推進に役立てるように取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(内山利之教育次長)
東京理科大学の進出に当たって、区独自の奨学金を創設すべきとのご質問にお答えいたします。
東京理科大学の進出により、区内の児童・生徒にとって大学が身近な存在になることから、大学進学を目標にするといった、よい刺激を受けることができるものと期待しております。
本区では、区内の学生が大学への進学を希望する場合、これを支援するために、地域の金融機関の協力のもとで、低利で入学金などの入学一時金を融資あっせんする制度を設けております。
また、大学入学後は、毎年、授業料等の経費が必要となりますが、経済的な理由によって修学が困難となっている学生を対象に、東京理科大学を初め、ほとんどの大学で無利子での奨学金制度が整備されております。また、日本学生支援機構や東京都私学財団、各種の民間財団等による奨学金の貸し付け制度もございます。
したがいまして、入学金に必要な授業料などの費用は、こうした制度の活用をお願いしているところでございます。
東京理科大学の葛飾区進出に伴い、東京理科大学への区民の進学希望者はふえるものと思われますが、当面は既存の制度を活用していただき、区独自の奨学金制度については今後の検討課題とさせていただきます。
区といたしましては、区の入学一時金の融資あっせん制度や、既存の奨学金制度のPRをこれまで以上にきめ細かく行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(濱中 輝都市整備部長)
平井方面に残されているJR貨物線を活用して、駅からの防災時の誘導や、周辺の街づくりにも役立てるべきとのご質問にお答えいたします。
お話にありました平井方面に残されている貨物用地につきましては、区が貨物用地2線分を東北交通広場や北口連絡通路の整備をするために一部を買収したことにより、残地となっているものでございます。
今後、駅周辺の街づくりを進めていく上で、街づくりの骨格となる道路や避難通路の整備は、非常に重要な検討課題であると考えております。特に当該用地は、新小岩駅北口駅前から災害時の避難場所である新小岩公園を結ぶ位置にあることから、区といたしましても、今後この貨物用地の整備及び活用について検討してまいりたいと考えております。
次に、北口駅前広場整備の区の基本的な見解についてのご質問にお答えいたします。
北口駅前広場については、平成14年3月に、JR東日本千葉支社と北口連絡通路が完成した後に改めて整備することとした覚書を交わし、平成14年度に暫定整備を行い、現在の姿になったものでございます。
しかしながら、現在の北口駅前広場は狭小であり、本区の南の玄関口となる駅前にふさわしい空間とは必ずしも言えないことから、区といたしましても、北口駅前広場の抜本的な再整備が必要であると認識しているところでございます。
現在、北口駅前広場の用地のほとんどがJR東日本の用地であることや、今後行われる南北自由通路工事との調整などを行う必要があることから、JR東日本及びJR貨物と詳細な協議を進めているところでありますが、今後、新小岩駅周辺全体の将来像を描き、街づくりの基本構想を策定していく中で、地権者の方々との合意形成を図りながら、北口駅前広場の再整備についても検討を進めてまいります。
また、その際には、歩行者の動線や緑地の確保など、北口地域の皆様とともに北口地区の街づくりを検討し、北口にふさわしい駅前広場空間を創出してまいりたいと考えております。
次に、新小岩と金町駅間のバス路線についてのご質問にお答えいたします。
初めに、バス路線網充実に向けた区の取り組み状況について説明をさせていただきますと、本区では、平成9年度に交通アクセス改善調査を実施し、バスの運行状況などから公共交通不便地区を洗い出し、事業者と連携しながら、不便地区の解消に向け取り組んでまいりました。
この調査において、不便度ランク1に設定した小菅一丁目では、平成9年11月から乗り合いタクシーさくらが、同じくランク1に設定した南水元一・二丁目においては、平成13年4月からアイリスループが運行を開始し、その後も、不便度ランク2の地域などにおいて、西水元循環バスやレインボーかつしか、東金町循環バスが運行を開始するなど、一歩ずつではございますが、着実に区民の利便性が向上してきております。
現在、区では、都市計画マスタープランの改定に向けた検討を進めておりますが、平成20年度に実施したアンケート調査や、昨年度、地域の方々の参加を得ながら進めました地域別の勉強会においても、最寄り駅へのアクセス向上に加え、ご質問の新小岩と金町を結ぶ基幹バスや東京スカイツリーへの観光路線の運行など、さまざまなご意見をいただいております。
区といたしましては、バス事業者と定期的に実施している都市交通連絡調整会議を活用し、意見交換を進めるとともに、国の交通基本法の制定に向けた取り組みなどと整合を図りながら、都市計画道路の整備状況、バスの定時性・速達性、事業者の採算性の確保を前提として調査・検討を進め、実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(青木克徳区長)
斉藤議員のご質問にお答えをいたします。
まず、高い技術力を持つ中小零細企業が集積するという本区の特色を生かし、全国に発信できるような産学公連携の取り組みを積極的に進めていくべきというご質問にお答えいたします。
平成25年4月に開学を控えている東京理科大学のキャンパス整備につきましては、節目節目で区議会にご報告するとともに、さまざまな機会を通じて地域にご説明をしてまいりました。その結果、徐々に葛飾区全体で東京理科大学を歓迎する機運が高まっていると感じているところでございます。
また、区内の産業界においても、東京理科大学との連携による新技術、新製品の開発や、技術支援に対する期待が高まっていると認識をしております。
言うまでもなく、東京理科大学との産学公連携は、平成25年4月の開学後、長い年月にわたり多くのことに取り組んでいくことになります。
そのためには、開学を迎えるまでの間、具体的な産学公連携のあり方を検討していくとともに、大学、区内産業界双方のニーズやシーズを十分把握、研究していくことが重要であり、同時に大学の教授や研究員などと区内産業界との交流を深め、お互いの知識や技術の共有を図っていくことも不可欠でございます。
具体的には、専門家によるニーズ・シーズの分析や産業界の意向調査、町工場の見学や意見交換会などを来年度から実施できるよう、現在、検討を進めているところでございます。
議員ご指摘のとおり、キャンパスが葛飾にある強みを十分生かし、今後も議会や区内産業界の方々とご相談し、そのご意見を踏まえながら、区内産業の活性化に向けて東京理科大学との産学公連携の取り組みを積極的に推進してまいります。
次に、東京理科大学の開設に伴う大学施設内への共同研究、共同開発スペースの整備について、本格的に検討していくべきというご質問にお答えをいたします。
現在、東京理科大学の葛飾キャンパスの整備につきましては、実施設計の段階であると聞いております。
葛飾区の町工場は、他に類を見ないほどのさまざまな業種が集積しており、あらゆる製品や部品の製造、加工がすべて葛飾区内で完結しますと言われるほど、その技術も高い水準にあることが特徴でございます。その技術力と東京理科大学の英知を結集して、新たな付加価値の創造を促進し、新ビジネスへの挑戦や新技術開発に取り組んでいくためには、産学公連携による新事業創出の拠点となる施設、例えばインキュベーションルームや多様な形態での東京理科大学と区内産業界が気軽に交流でき、東京理科大学等の研究成果を紹介できるような多目的ルームが必要と考えております。
そのため、これまでも、そのような施設を葛飾キャンパス内に整備し、区内産業界が継続して利用できるよう要望をしてまいりました。
その要望に対しまして、東京理科大学も産学公連携の重要性を区と共通認識した上で、施設の面積や部屋数などの整備に関しまして検討をいただいている段階で、今後も区内産業界の方々のご意見をお聞きしながら、具体的な調整を進めてまいりたいと考えております。
次に、産学連携に意欲を持つ企業には、区としてもしっかりと支援をし、中小零細企業が大学との共同研究、共同開発に参加しやすい環境を整えていくべきというご質問にお答えをいたします。
東京理科大学との産学公連携につきましては、本区の中小企業から、経験が浅くなじみづらいという声も多くあります。本区の特性を生かした産学公連携を推進していくためには、まず、大学がパートナーとして、より身近なもので共同研究、共同開発に参加しやすい環境にしていく必要がございます。
そのため、区では、昨年度に区内産業界の方々を対象に、東京理科大学科学技術交流センター長をお招きして、東京理科大における産学連携の取り組みについてをテーマに講演会を開催し、多くの方々が出席されました。
今年度においても、東京理科大学の研究成果を産業界で活用するための仲介役となる東京理科大サイテッククラブに加入する企業に対しまして、その会費の一部助成を開始し、東京理科大学への理解を深めていただいております。
また、ゴムや金属などの地場産業に関係する研究者を招いて、中小企業が活用可能な研究成果や特許などに関する講習会を開催してまいります。
さらに、東京商工会議所葛飾支部などと協力をしながら、区内企業、研究者との交流組織となる産学公連携を推進していく協議会を立ち上げ、意見交換を重ね、区としての支援のあり方などを研究していく予定でございます。
新技術や新製品開発には多くの時間と研究費が必要となります。区内産業の下支えを助長する最先端技術の研究費は、基本的には国などの補助金を活用して行うものと考えておりますが、区内産業界に対する区としての負担軽減策につきましても、今後、検討をしてまいりたいと考えております。
次に、中川堤防の耐震化工事にあわせた親水護岸の整備についてのご質問にお答えをいたします。
中川では、平成9年度より、防潮堤や護岸の耐震補強事業を実施しており、平成20年度までに、防潮堤である上平井水門より下流区間が完成をしております。
上平井水門から高砂橋間の護岸につきましては、平成19年度から工事に着手し、本年7月、上平井橋から平和橋までの左岸側約700メートルについて、耐震化にあわせて進めていたテラス整備も完成し、中川左岸緑地公園の拡張部として供用を開始したところでございます。
また、この部分につきましては、今年度中に、安全かつ魅力ある水辺空間を創出していくために、環境に配慮した照明を設置してまいりたいと考えているところでございます。
平成22年度末には、対象施工区間両岸で約9キロメートルのうち、約2キロメートルの耐震補強工事が完了する予定となっております。
この工事は、上平井水門から上流部へ、船の航路確保に配慮しながら両岸の工事区間を決定し、計画的に進めているもので、おおむね工事着手から完成まで10年程度を要すると東京都から聞いているところです。
このようなことから、青戸二丁目から立石八丁目付近の整備につきましては、今のところ、平成27年度から28年度になると想定をしております。
区といたしましては、引き続き、東京都と連携を図りながら、中川七曲部におけるテラス整備を促進し、安全で親しみのある水辺空間の創出をしていきたいと考えております。
次に、亀有二丁目に防災活動拠点として整備が予定されている公園の取得経緯と最近の状況、整備内容、見通しについてのご質問にお答えをいたします。
本区では、災害に強い街づくりを進めるため、災害時に防災活動拠点として利用できる公園の整備を積極的に行っているところでございます。
議員のお話にありました亀有二丁目に予定しております公園周辺は、木造住宅が密集し、狭隘な道路が多いことなどから、火災危険度など防災上の危険性が高くなっております。このため、オープンスペースの確保とこれに通じる避難通路の整備などにより、地域防災性の向上を図ることが大変重要な課題となっております。
亀有地域には、これまで防災活動拠点が整備されていなかったため、地域住民の方々には、平常時の防災訓練にご不便を来したり、災害時の活動についてのご心配をかけてまいりました。
こうした状況を踏まえ、当該地については民間開発の計画が進められていたところでありましたが、地域の方々から、この用地を防災公園として取得してほしいとの強い要望を受け、平成19年度及び21年度にこの用地を取得したものでございます。この公園には、災害時における地域の防災活動拠点として、地域の方々が利用できる仮設トイレやかまどベンチ、雨水貯留槽、防災倉庫など、防災設備を設置してまいります。
今後の整備の見通しでありますが、昨年度の実施設計を踏まえまして、今年度は関係機関との調整が整い次第、整備工事に着手し、来年3月には完成する予定で進めております。
地域の防災性の向上に寄与するとともに、地域の方々に愛される公園となるよう努めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。
なお、その他のご質問につきましては、教育長及び所管部長より答弁いたさせます。
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平成22年 第1回定例会~会議録より
▼平成22年 第1回定例会( 2月25日)より、私の「葛飾区議会民進党議員団代表質問」を掲載します。
ぜひご一読願えれば幸いです。
会議名:平成22年 第1回定例会 (代表質問・電気料金・観光ユビキタス・不燃化・まちづくり)
○(米山真吾委員) ○25番(米山真吾議員)
お許しをいただきまして、私は、葛飾区議会民進党議員団を代表いたしまして、さきに通告した順序に従い、区長並びに関係部局に質問するものであります。
まず初めに、私どもの会派の区政運営に対する姿勢について述べさせていただきます。
昨年の11月に区長選並びに区議会議員選挙が行われ、新しい体制ができました。区長侯補を擁立した私どもに対し、青木新区長からは、今後の区政運営について協力要請がありました。
これを受けて、私どもが実現をしたいと考える政策について双方で合意した上で、政策協定を締結いたしました。
今後の区政運営に対する姿勢については、この政策協定を遵守していただくことを大前提に、協力すべきところは大いに協力をし、建設的な議論、提案を交わしつつ、審議機関として課題、問題のある事案については、理事者の皆様にとって耳の痛い議論もし、互いに切瑳琢磨しながら、よりよい葛飾の街にしてまいる考えであります。
それでは、まず、平成22年度予算案についてお伺いをしたいと思います。
リーマンショックを契機にした景気の悪化がなかなか改善しない中で、内閣府の月例経済報告では、景気は持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど、依然として厳しい状況にある。先行きについては、当面厳しい雇用情勢が続くと見られるとされており、当面の経済情勢については厳しい状況が続くことが予想されております。
本区においてもその影響が出てきており、一般会計予算の構成比の中でも、重要である特別区民税が、前年度より約16億9,000万円、率にして5.2%の減、特別区交付金についても17億円の減、率にして2.6%の減となっており、この項目だけでも約35億9,000万円の減収となり、本区においても歳入面で影響が出てきております。
また、歳出については、経済状況、雇用状況の悪化で、生活保護費、扶助費が大きく伸びております。生活保護は、最後のセーフティネットとして大変重要であります。受給者の中には意欲的に自立の道を探している方も多くいると思います。自立の道ができれば、歳出を抑制することにもつながります。難しい局面ではあると思いますが、自立支援を積極的に行っていく必要もあると考えます。
一方、これから本区は、公共施設の老朽化による改修や建てかえ、まだまだ不十分である都市基盤の整備など、やらなければならない課題があり、また、多額の費用がこれから必要になってくることが必然であります。政策の優先順位をどうするのか考慮しながら、財政運営を行っていかなければならない難しい局面を迎えることになるのだと考えます。
そこで質問をいたします。
特別区民税、特別区交付金の減などにより歳入の確保が厳しい中で、各基金から全体で約53億円取り崩しを行い、区民サービスが低下しないよう配慮した予算編成になっているが、各基金の取り崩し額には差異があるが、見解を伺いたい。
また、今後、各基金の取り崩しの可能性がある場合においての考え方を伺いたい。
歳出について、福祉費の生活保護費が大幅に伸びています。若年層もふえている中で、歳出を抑制していくには自立支援を積極的に行わなければならないと考えるが、現状の年齢層の割合、自立支援の状況及び区の見解について伺いたい。
次に、区長の基本姿勢、「区民第一・現場第一」、「スピードアップ」、「人づくり」について伺います。
青木区長は、平成22年度予算案概要において、区民第一、現場第一、スピードアップ、人づくりと3つの姿勢を貫き、この葛飾を、子供から高齢者まですべての世代の区民にとって、未来に夢と希望、そして誇りを持って暮らせる住みよいまちにつくり上げていくと述べられております。
それぞれの基本姿勢についてお聞きしたいと思います。
まず、区民第一、現場第一についてありますが、区長あいさつにも第1番目に述べられておりました。
先般の議会において、本区においても副区長が2名となりました。長の補助機関については、第28次地方制度調査会において、地方の自主性、自律性の拡大及び地方議会のあり方に関する答申を踏まえて、地方自治制度の弾力化が必要であるという観点から、長を支えるトップマネージメント体制の見直しを、各地方公共団体みずからの判断で構築できるようにすることが目的であります。
先ほども述べましたが、青木区長は、区民第一、現場第一を第1番目に掲げておりますし、また、各副区長の責任や権限についても分野ごとにお示しをなされました。
私はこの機会に、各副区長にみずからの権限と責任において事務処理を行わせ、区長はトップマネージメント機能を最大限に生かし、なおかつスピード感が出るように期待をしていますし、していただきたいと思います。
区民第一、現場第一の理念から、積極的にタウンミーティングなど区民との直接対話をしながら、今現場で起こっている諸問題を吸い上げながら、今後の葛飾区の区政運営に取り入れていただきたいと考えております。
そこで質問をいたします。
本区では、副区長を2名にすることにより、どのようにトップマネージメント機能、体制を強化、構築をしていき、従前とどう変化させていくのかお聞かせいただきたい。
実務的な政策立案は副区長に任せ、区長はタウンミーティングなどを開催し、区民との対話を積極的に行い、区民の意見を取り入れつつ、みずからの構想や政策を実現できるようにしていくべきと考えるが、ご見解を伺いたい。
次に、スピードアップについて伺います。
そのコンセプトから、すぐやる担当課の創設を提案されております。創設理由には、これまで区で取り組んできた親切、丁寧な区民対応に加え、スピードアップを図るため、全庁を挙げてすぐやる体制を構築するとともに、すぐやる担当課を創設するとされております。
この創設に至る理念や姿勢については大いに評価をするものでありますし、これから区民の皆さんのサービスにより的確に、丁寧に取り組み、発展させていくことが必要だと考えます。
すぐやる課は、松戸市が先進的に取り組んできた実績がございますが、松戸市では、この課は市長直属の組織として運営がなされており、大変強いリーダーシップのもとで運営が行われております。
そこで質問をいたします。
本区では、広報課の中に組織が置かれておりますが、区長直属の組織として、区長の強いリーダーシップを発揮するとともに、より全庁的に横断的に展開ができるような組織体制で臨まれることも必要なのではないかと考えますが、ご見解を伺いたい。
また、すぐやると言う以上、区民サイドから見れば、夜間、休日でも対応してもらえるものと思ってしまうわけですが、区民の利便性という観点からしますと、夜間においても緊急的に事案が出てくることも充分考えられるのではないかと感じますが、すぐやる担当課の夜間、休日における対応をどのようにしていくのか、区の見解を伺いたい。
次に、人づくりについて伺います。
区長は、よりよい葛飾区の実現のため、区民や地域の団体と区職員とが力を合わせて地域の課題に取り組むことが必要であり、区民の力を発揮していただく機会や場を広げるとともに、新たな行政課題に対応できる職員を育成していくとされております。
その主な事業として、かつしか区民大学の開設が来年度予定をされていますが、区民の生涯学習の場という面があると思いますが、私は、区民と職員を結びつける場としても活用してはどうかと考えます。職員が講師になることによって、みずからの専門分野を公の場で講演することによって、さまざまなスキルも高まると考えますし、区民も職員と接することによって、行政の考えていることをより理解できるのではないかと考えます。
そこで質問をいたします。
かつしか区民大学の開設に当たり、22年度は46講座を開設予定となっていますが、講座の講師として職員が行うなどして、区民大学を職員の人づくりの育成の場としても活用していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、東京理科大学との事業連携について伺います。
東京理科大学との事業連携については、昨年11月29日に行われた、こどもの理科大学を口火として、生涯学習講座や産学連携に関する講演会が本年1月から2月にかけて開催されてきています。特に、こどもの理科大学は、1,000人を超える区民の皆さんが集まり、子供たちからも驚きの声が上がるなど、科学の不思議を感じるには大盛況の取り組みであったと聞いております。
このような取り組みは、区民の皆さんが、東京理科大学の葛飾進出を身近に実感することのできる絶好の機会であると考えます。平成25年4月の葛飾キャンパスオープンに向けて、引き続き、東京理科大学との連携を充分に図っていただきたいと思います。
この東京理科大学との事業連携について、さらにお話をさせていただければ、先日テレビのニュース番組で、ロボット研究の成果が取り上げられていました。特に目を引いたものは、マッスルスーツです。空気圧式の人工筋肉が装着された装置を着用することにより、人間の動きを補助するウエアで、医療、福祉の分野での活用が期待されており、現在、商品化の段階に入っているとのことです。このマッスルスーツの研究を行っているのが東京理科大学であり、葛飾キャンパスヘ移転することが計画されている学部の1つです。この研究はそもそも、要介護者を減らしたい、要介護者が自分の力で動き続けられるようにしたいとの思いで始まったそうです。
葛飾区も、ご承知のとおり、少子高齢化の波が押し寄せてきており、高齢化率も21%に達してきており、また、要介護認定者数も年々増加しており、平成20年度現在では、約1万3,000人程度に増加をしている現状があります。こういった機械を高齢者の方や介護を受けている方々が使用することによって、生活で支障を来していることに対して負担を軽減することにもつながり、活動範囲も広がり、社会生活を営む上でも助かるのではないかと感じますし、高齢者や障害を持っている方に優しい葛飾区としてのよさをアピールすることができるのではないかと考えます。
そこで質問をいたします。
マッスルスーツなど、東京理科大学独自の研究に、区も中長期的な視野を持って積極的に支援をしていくことも必要なのではないかと考えます。よりよい区民サービスの向上につながるのではないかと考えますが、見解を伺いたいと思います。
葛飾には、3,000を超える中小零細の物づくりに関係する工場が集積しています。葛飾町工場物語でも紹介されているように、本区の中小企業・零細企業の技術水準は、全国的、世界的にも高いものがあると認識しています。こうした高品質製造製品の技術が、東京理科大学の研究にも生かされ、商品化につながっていけば、本区の産業は大きく飛躍するものと考えています。
東京理科大学には、本区の中小零細企業の技術が活用できる研究成果が、まだまだ多く埋もれていると思います。研究成果の発掘という点では、葛飾区内の大学キャンパスが整備され、数々の研究室があること自体、本区にとって大きな強みになると考えます。
また、東京理科大学には、大学の有する知的財産を社会に還元し、技術移転情報を提供していくことを目的とした、理科大学SCITECクラブというものもあります。このようなクラブ内の情報も活用しながら、大学の持つ隠れたシーズをいかに多く拾い上げ、区内の中小零細企業が事業発展のためのニ一ズにつなげていくことができるかが、広く言われている産学連携の成否のかぎになると考えます。
そこで質問をいたします。
地域産業活性化の視点から、理工系総合大学である東京理科大学の機能、特性を、どのように区内中小零細企業と連携させ還元させていくのか、区の見解を伺いたい。
区内中小零細企業と東京理科大学の研究室との技術交流に向けた意見交換の場を設けるべきと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。
子育て支援について、お伺いをいたします。
政府が本年1月29日に、子ども・子育てビジョンを閣議決定いたしました。このビジョンでは、待機児童の8割を占める3歳未満児の公的保育サービスの利用割合については、平成21年度末には対象児童の24%、潜在的な保育需要を合わせると、平成29年度には44%に達すると見込まれ、保育所の整備に加えて、小中学校の余裕教室や幼稚園等の既存の社会資源の活用、賃貸物件を活用した保育所分園の整備、家庭的保育の拡充などを推進し、計画的に公的保育サービスの受け入れ児童数の拡大を図るとされております。
本区でも、保育園の待機児童の課題が地域でも起きております。青木区長も区長あいさつで、待機児童解消の取り組みについては、堀切七丁目保育園の新設や分園、金町での認証保育園の開設など、待機児童ゼロを目指すべく取り組む姿勢を表明されておりますけれども、子育てをしやすい街をつくっていくには、この待機児童解消は喫緊の課題であると考えます。
そこで質問をいたします。
本区において、現在並びに過去3年間の待機児童数及び3歳児未満の割合についてお伺いしたいと思います。
政府が、子ども・子育てビジョンを閣議決定しましたが、待機児童関連の対策として、小中学校の余裕教室や幼稚園等の既存の社会資源の活用、賃貸物件を活用した保育所分園の整備、家庭的保育の拡充などを推進し、計画的に公的保育サービスの受け入れ児童数の拡大を図るとされておりますが、各地域の待機児童の状況によりますが、待機児童ゼロを目指すためにさまざまな対策を講じる必要があると考えますが、区の見解を伺いたいと思います。
学童保育クラブについて伺います。
東京都は来年度の予算編成の中で、学童保育クラブの利用時間の延長を推進する方針を打ち出しました。これは、都内には1,549カ所の学童保育クラブがあるが、午後7時以降も受け入れている施設は224カ所で、1,237カ所が午後6時までに終了している状況があることと、利用者の44.2%が延長を望んでいることから打ち出されたものでありますが、都に確認しましたところ、この方針を打ち出す際に参考にしたのが、本区の学童保育クラブの運営状況だということでありました。
葛飾区では、既に学童保育クラブの民営化もしており、運営時間も、民間ではほとんどが7時以降まで受け入れを行っており、先進的に対応を行っているところでありますが、都がこの方針を打ち出す際に参考にしたのが、葛飾区のモデルだということです。こういった葛飾区の先進的な取り組みを都内全域に広げていきたいのだと、都の職員さんも言っておりました。葛飾区の子育てのあり方の一端を認められ、大変うれしく思いました。関係部局の方々も、自信を持って今後も取り組んでほしいと思います。
そこで質問をいたします。
学童保育クラブの延長時問を7時以降にする際に、東京都が新たに最大2分の1を負担する考えを示していますが、本区では既に多くが運営時間を延長実施している状況で予算措置を行っていることから、新たな保育サービスの充実に予算を振り向けることができるのではないかと考えますが、見解を伺いたいと思います。
また、公設の既存クラブについても運営時間を延長していく方が、民間とのギャップの解消や地域間での差異を解消する上で必要かと考えますが、いかがでしょうか。
防災についてお伺いをいたします。
葛飾区は地理上、河川も多く、また地盤も緩く、必ずしも地震等の災害に関して強固であるという状況ではありません。
葛飾区では、平成20年に葛飾区耐震改修推進計画を策定いたしました。この計画では、平成27年までに、民間の木造住宅の90%を耐震化するという計画になっております。葛飾区内に倒壊のおそれのある木造住宅は約3万棟以上あると言われておりますが、平成20年に策定したわけですから、この計画期間ですべてを耐震化することは、年4,000棟のぺースで取り組んでいかなければ達成できないということであります。しかし実績は遠く及ばず、過去5年間で耐震診断は315件、耐震改修工事に至っては25件しかできておりません。
30年のうちに70%以上の確率で関東大震災級の首都直下型地震が来るとも予測されております。中央防災会議首都直下地震対策専門調査会において、東京湾北部地震と多摩直下地震を想定して、マグニチュード7.3と、より発生する頻度の高いマグニチュード6クラスの想定から、本区においては、マグニチュード7.3の場合は木造住宅で1万2,180棟、マグニチュード6クラスで6,676棟が全壊すると被害が想定をされております。このことから、早期に倒壊のおそれのある木造住宅の耐震化を強力に推進していく必要があると考えます。
区は、来年度の予算編成の中で、マンションなどの管理組合などに対し、耐震診断や耐震改修に関するアドバイザーをする専門家、耐震アドバイザーを派遣する費用について新たに助成を行うことを掲げておりますが、この取り組みについては評価をするものでありますが、この取り組みだけでは、目標を達成できるかは疑問であります。
現在の区の耐震診断、耐震改修の助成制度は、助成費の割合を最大で2分の1にふやしたり、設計についても新規で助成を創設するなどして取り組みを強化しておりますが、なかなか実績に結びついておりません。
また、現在の助成は2分の1負担をしますが、同時に上限も設けており、実績が伸びない原因にもなっているのではないかと感じております。また、建てかえについては、木造密集地域内に指定されていないと助成が出ないなど、メニューの不足を感じるところであります。
私は、この住宅の耐震化というのは、災害発生後の復興の際に税金を投入すべきなのか、それとも災害が来る前に税金を投入すべきなのかという議論に立つ必要があるのではないかと思います。区民の命を守っていくという観点からすれば、事前に耐震化を推進するべきだと考えます。
そこで質問をいたします。
耐震化推進計画の目標達成のための今後の区の方策及び見解を伺いたいと思います。
耐震診断等の助成実績が上がらないが、木造密集地域内では建てかえに対しても助成できることから、区民が改修だけでなく建てかえも選択できるため、助成制度の利用度が高いと考えます。そのため、葛飾区全域の木造住宅に対して建てかえへの助成ができるようにすることで、耐震化が促進されると考えますが、区の見解を伺いたいと思います。
耐震化計画の目標を達成するために、耐震診断、耐震改修設計や改修工事への助成制度の負担割合は現況のままとしても、助成額の上限を外すことを検討してみてはどうかと考えますが、区のご見解を伺いたいと思います。
以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(黒柳じょうじ副議長) 区長。
〔青木克徳区長 登壇〕
○(青木克徳区長)
米山議員のご質問にお答えをいたします。
まず、本区では、副区長を2名にすることにより、どのようにトップマネージメント機能、体制を強化、構築していき、従前とどう変化させていくのかというご質問にお答えをいたします。
区民の多様な価値観やライフスタイル等に的確に対応して、区民満足度の高い行政サービスを展開していくためには、基本的考え方として、区民第一、現場第一を掲げる私みずからが職員の先頭に立ち、区議会を初め区民の皆様に区政の現状をお示ししながら、皆様の声に十分耳を傾け、率直なご意見をできる限り受けとめ、施策や事業に反映させていくことが必要であると認識をしているところでございます。
このような区民本位の区政運営を行っていくためには、これまでにも増して、区長である私がトップマネージメントに専念できる体制を整えることが不可欠であると判断し、今般2名の副区長を置くことにしたところでございます。
今後、この新たなトップマネージメント体制をもとに、両副区長には、お話にありました政策立案等実務的な事案の処理をゆだねつつ、私は区民の皆様との対話を通して区政の課題を明らかにすることにより、みずからの構想や施策を実現するために、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、タウンミーティングに関するご質問にお答えをいたします。
私は、区民の皆様に、選挙公約として、私みずからが職員の先頭に立ち、区政の現状をお示ししながら、区民の皆様の率直なご意見をできる限り受けとめ、施策事業に反映していくことを訴えてまいりました。
そこで、これを実現するため、これまで町会長を対象に実施をしてまいりました自治町会連絡会に加え、新たな広聴の場として、22年度から、区民と区長との意見交換会を実施してまいりたいと考えております。
具体的には、区が直面している課題についてテーマを設け、一般区民の方を対象として、私が直接区民の皆様から率直な意見、ご提案をお伺いしていくものでございます。
実施時期や実施場所など詳細は今後検討してまいりますが、広く区民の方の声をお伺いすることで、みずからの構想や政策に生かしてまいりたいと考えております。
次に、すぐやる担当課の組織体制についてのご質問にお答えをいたします。
本区のすぐやる担当課は、具体的な事案を現場においてスピード処理することと、区民の皆様の声を、おもてなしの心で素早く現場に生かす公聴を両輪としております。
設置に当たり、その効果を十分に引き出すためには、従来各部で行ってまいりました対応を確実に継続しながら、すぐやる担当課と庁内各課や関係機関との横断的な連携強化を図っていくことが成否のポイントであり、私自身が先頭に立って、その体制の確立を進めていくことが重要であると考えております。
また、夜間や休日におきましても、お話のように、緊急の対応が必要となる事態の発生が十分想定できることから、現在、全庁で行っている緊急連絡体制や、火災罹災者に対する対応などの24時間体制の再点検をするとともに、すぐやる担当課においても、各課における対応の実態を踏まえ、夜間や休日の対応について検討してまいりたいと考えております。
次に、東京理科大学との事業連携についてのご質問にお答えをいたします。
初めに、東京理科大学独自の研究に区も長期的な視野を持って積極的に支援する必要があるのではないかとのご質問にお答えをいたします。
お話にありましたマッスルスーツの開発につきましては、東京理科大学科学技術交流センター長をお招きしての講演会において、産学交流の事例として、区内の事業者に紹介され、区としても、将来性のある有望な分野の研究であると認識をしております。
しかし、こうした最先端分野の研究開発には時間と多額の研究費が必要なことから、基本的には国の補助金を活用して行うものと考えております。
区といたしましては、研究段階における試作品の製作を区内企業が請け負うなど、東京理科大学の研究に区内企業が参画できるよう、大学側に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、東京理科大学の機能、特性などをどのように区内中小零細企業と連携させ還元していくかとのご質問にお答えをいたします。
ご承知のとおり、区内の製造業は大変厳しい競争にさらされており、時代の要請にこたえる新製品や新技術を開発していかなければ、生き残ることが難しくなっております。そのため、区といたしましては、東京理科大学との技術交流を通じて、区内産業の競争力の強化を図ってまいりたいと考えております。
具体的には、区内企業が東京理科大学科学技術交流センターのクラブ会員となるための助成制度の創設のほか、将来的に介護や福祉など社会的課題対応型産業や情報発信産業など、創造的都市型産業創出を目的とする都の補助金の活用を視野に入れ、東京理科大学と区内中小企業との密接な連携のための仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えております。
最後に、研究室との技術研究を目的とした意見交換の場につきましては、ゴムや金属など、地場産業と関係する研究者を招いて、中小企業が活用可能な研究成果や特許などに関する講習会を開催するほか、東京商工会議所葛飾支部などと協力しながら、研究者との交流組織を立ち上げてまいりたいと考えております。
次に、本区の待機児童の状況及び計画的な保育サービスの受け入れ児童数の拡大についての対策について、ご質問にお答えいたします。
本区の子育て支援は、平成17年度に策定いたしました前期葛飾区子育て支援行動計画に基づき、待機児解消を本計画の最重要課題ととらえて進めてまいりました。また、今年度策定中の後期行動計画におきましても、待機児の解消は引き続き重点的に取り組むべき課題として位置づけております。
本区の待機児童及び3歳未満の割合につきましては、平成19年度は46名、73.9%、平成20年度は48名、72.9%、平成21年度は62名、88.7%となっており、ここ数年、若干ではありますが、増加傾向にあります。
待機児童関連対策としての本区の取り組みといたしましては、旧小学校校舎、旧土木出張所などの区有施設を利用した整備、市街地整備用地など土地を貸与しての保育園整備、あるいは賃貸物件を利用しての保育園分園の整備を行ってまいりました。
今年度の保育園整備につきましては、東金町に建設された大規模集合住宅の一部をマンション建設業者から区が無償譲渡を受けるほか、立石の土地開発公社用地を利用した分園を、平成22年4月1日の開設に向けて準備を進めております。また、来年度は、水元に土地を購入し、保育所の整備を行っていく予定でございます。
今後につきましても、区有施設の活用などさまざまな方法により、待機児の解消を図ってまいります。
次に、耐震化推進計画の目標達成のための今後の区の方策等についてのご質問にお答えをいたします。
葛飾区では、平成7年の阪神・淡路大震災の被害を教訓として、平成7年度に耐震診断の助成制度を創設し、これまで耐震化の助成制度の充実に努めてまいりましたが、お話のとおり、耐震診断等の助成の実績は上がっていないのが実態でございます。
今後につきましては、来年度から、所有者の合意形成が難しいマンションに対しまして、耐震アドバイザーを派遣する費用の助成を行うとともに、木造住宅等につきましても、説明会や相談会の開催、戸別訪問の実施など耐震化の啓発と助成制度の周知に努め、より一層、耐震化を促進してまいりたいと考えております。
なお、その他のご質問につきましては、副区長及び所管部長より答弁いたさせます。
○(黒柳じょうじ副議長) 副区長。
〔柏崎裕紀副区長 登壇〕
○(柏崎裕紀副区長)
平成22年度予算案における各基金の取り崩し額の差異及び今後の各基金の取り崩しの可能性についてのご質問にお答えいたします。
米山議員ご指摘のとおり、平成22年度当初予算案には、公共施設建設基金を初めとした各特定目的基金からの繰り入れを約53億円計上してございます。これらの基金は、条例により特定目的のために設置し、将来需要を勘案しながら計画的に積み立てを行い、実際に事業を執行する年度に取り崩すことにより、計画的、安定的な財政運営を行っているものでございます。
今回予算計上した公共施設建設基金は、公共施設の建設や建てかえ、耐震補強工事のために、まちづくり基金は、都市計画道路、公園整備を初め、再開発事業や区画整理事業などの街づくり事業のために、減債基金は将来の特別区債償還のために、そして教育施設整備積立基金は小中学校の校舎改築のために、それぞれ取り崩しを行っているものでございます。
そして、それぞれの基金には取り崩しのルールというものをつくっておりまして、例えば公共施設でありますならば、一般財源の2分の1を基金投入する。そして減債基金の中に赤字債の償還がございますけれども、赤字債については10割の基金投入をするというような形のルールがございまして、また、年度により対象となる事業費の規模が異なっておりますので、基金によって取り崩し額に差異が生ずるものとなっております。
今後とも、将来の財政需要を見据えながら、それぞれの基金の計画的な積み立てを行う一方で、事業の進捗に応じて計画的に基金の取り崩しを行い、区民サービスに支障を生じさせないよう安定的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(黒柳じょうじ副議長) 福祉部長。
○(鈴木昭仁福祉部長)
生活保護費と自立支援についてのご質問にお答えします。
平成22年度予算案では、生活保護法保護経費は対前年度当初比で113.7%となりました。被保護者の状況といたしましては、一昨年秋以降の不況の影響を受けなかった19年度末は、全体の49.6%であった65歳以上の高齢者世帯層が、平成21年度1月末時点では3.2ポイント減の46.4%となっており、比較的若年である稼働年齢層が相対的にはふえていると言えます。 一方、東京都における有効求人倍率は、昨年の10月から12月までの平均で0.58倍となっており、依然として厳しい状況が続いております。
このような中、若年層には、職業訓練を積極的に勧めて将来の安定生活を目指す一方、一部の40代以上の中高年齢層においては、採用が困難な常用雇用にこだわらず、パートや非常勤であっても一定の収入が見込まれる雇用を図るなど、従来よりも幅を広げた支援に取り組んでまいりました。 その結果、現在の不況下においても、被保護世帯数の11%に当たる877世帯が稼働しており、割合としては、平成19年度よりも0.4ポイント減ではありますが、実数としては100世帯の増となっております。 区といたしましては、社会や雇用情勢、被保護者の個別状況等に合わせつつ、今後も自立支援には積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
○(黒柳じょうじ副議長) 総務部長。
○(筧 勲総務部長)
講座の講師として活用するなどして、区民大学を職員の育成の場としてはどうかとのご質問にお答えします。 区民との協働が求められる中で、職員が区民とともに身近な地域課題や文化について考えることは、区民の目線に立った行政を実践する上で大切なことであり、また、区民と積極的に意見交換したり交流を深めたりする経験は、今後仕事をしていく上で大きな財産になると考えます。そういう意味で、米山議員のご提案は、大変示唆に富んだものと受けとめております。 今後、教育委員会と連携を図り、具体化について検討してまいりたいと存じます。
○(黒柳じょうじ副議長) 子育て支援部長。
○(鹿又幸夫子育て支援部長)
学童保育クラブの新たな保育サービスの充実に予算を振り向けること及び公立学童の運営時間延長についてのご質問にお答えいたします。
本区の学童保育クラブにつきましては、現在、公立が25カ所、私立が49カ所で実施しております。お話にありました都の新たな助成制度における学童保育クラブの運営では、午後7時以降の延長や三季休業等の学校休業日の開始時間を午前8時からとするなど、運営時間の延長が求められております。私立の学童保育クラブにおける終了時間は、多くは午後7時までとなっておりますが、学校休業日は午前8時30分を開始時間と設定しております。そのため、新たな補助を受けるためには、現行の運営時間の延長が必要となることから、今後、保護者の要望など学童保育クラブへの需要を勘案しながら、運営時間のさらなる延長など保育サービスの充実に向けた活用について検討してまいります。
一方、現在、区立学童保育クラブは、すべて児童館内に併設されたクラブとして、児童館との一体的な運営を行っております。このうち、事業規模の大きい基幹型児童館に併設されている5カ所の学童保育クラブにおいては、午後7時までの延長保育を実施しております。また、地域に身近な地域型児童館に併設されている学童保育クラブにつきましては、午後6時までの保育となっております。 これらの学童保育クラブにつきましても、児童館事業の今後の方向の検討を行っていく中で、運営時間の延長についても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(黒柳じょうじ副議長) 都市施設担当部長。
○(丹 保都市施設担当部長)
耐震診断等の助成制度についてのご質問にお答えいたします。
初めに、建てかえへの助成についてでございますが、現在の助成制度は、東京都の地域危険度調査で危険度が高いと判定された立石、四つ木、堀切、新小岩などの一部の地域で、火災に強い耐火建築物や準耐火建築物に建てかえる場合に助成を行っているものでございます。これは木造密集地域の延焼拡大を防止するため、早期に建築物の不燃化を図るという目的がございまして、東京都の補助制度に合致する建築物に対し、東京都の補助金を財源として助成しているものでございます。
しかし、立石や四つ木など以外の地域危険度の低い地域につきましては、早期に耐火または準耐火建築物とする必要性が低いため、東京都の補助制度の対象とはならず、財源確保が困難なことから、区全域の木造住宅に対して建てかえ助成を行うことは大変難しいと考えております。
次に、助成額の上限の廃止についてでございますが、現在の助成の限度額は、平均的な住宅が最低限必要な耐震性能を満たす改修等に要する費用から算出した額を基準として定めたものでございます。
しかし、最低限の耐震性能を満たす改修工事等を行う場合におきましても、建築物の築年数、規模や形状により、改修等に要する費用は異なりますので、助成の限度額につきましては、実際にかかる必要な額を見きわめながら、今後検討をしてまいります。
以上でございます。